つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町で見つめた落葉の憂鬱。

2011年11月04日 23時00分11秒 | 自然
ここ数日間、日本列島の南で太平洋高気圧が頑張っている。
11月というのに、日中は24度程度まで気温が上昇。
季節はずれの暖かさが続き、季節の進み方はスローペースだ。
その為か、津幡町内の紅葉は今一つ思わしくない。
例えば、きのう投稿した「石川高専」。
グラウンドの周りはアメリカフウ(楓)に囲まれているのだが、
葉の色はくすみ、美しさに欠けていた。

対する「今日の一枚」…昨年、同所にて撮影した風景は何とも「鮮やか」。
澄んだ秋の空の青。
たなびく雲の白。
そして燃えるような葉の緋。
まさに秋らしい様相なのである。

猛暑だった2010年。
過去の記録によれば11月3日の最高気温は14.4℃。最低が8.0℃。
きのう2011年11月3日の記録は最高気温23.8℃。最低は16.9℃。 
随分と違う。
紅葉が美しくなる気象条件の1つは「昼と夜の寒暖差が大きい事」。
今年はこれが満たされていないのかもしれない。

緑のクロロフィル、黄色のカロチノイド、赤のアントシアニン。
植物の葉の色は、主に3つからなっている。
光合成が盛んな春から夏にかけての葉は、殆どがクロロフィル。
秋になって気温が下がると、アントシアニンやカロチノイドが増加。
色づきはじめるという訳だ。
日本最古の歌集「万葉集」の中では、
紅葉の美しさを愛でる歌が多く詠まれていた。
だから、日本人は少なくとも1200年前から紅葉狩りを楽しんでいたのだろう。
「紫式部」の「源氏物語」では、貴族の雅な遊びの一つとしても登場している。
季節が移ろいゆく風景を楽しむ。
色づいた1枚の葉っぱも感慨深く感じるではないか。

…が、しかし。
感慨の中に仄暗い恐怖を内包しているのが今年の特徴だ。
東日本大震災、東京電力福島第1原発事故によるのか、
各地で、落ち葉などの堆積物から高い放射線物質が計測されているらしい。
勿論、落ち葉=アトミックではないが、
拭いきれない不安を覚える秋になっているのも、また事実である。

 
コメント
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