六甲1号の出撃にっき

撮影ロケの出撃模様のほか、日々の雑感なんかも綴ったものです。

快晴の日向路でななつ星など

2017-12-30 |  出撃 at 九州地方
 山口・熊本と天気予報が見事に外れて惨憺たる撃沈に終わった現地1・2日目でしたが、実は昨日も宮崎県だけは天気予報通りの晴天でした。そして今回現地3日目に宮崎県を訪れます。
 今回の目的は何と言っても、9月の台風被害で不通となっていた日豊本線 佐伯-市棚間の復旧を受けて、先週から走り出したクルーズトレイン ななつ星をまだ撮っていない宮崎県内で撮ろうというものです。
 宮崎県内で撮影できるチャンスは3回あるのですが、最初の美々津付近では今の時期は夜明け前になるので、実質2ヶ所のみとなります。もし2ヶ所目が特急停車駅に近い場所であれば、特急〔きりしま〕を使って追っかければ、隼人からの回送列車を狙うこともできるので、夏場だと合計4ヶ所で撮影が可能です。
 今回は1ヶ所目は川南-高鍋の橋りょうで、2ヶ所目は田野-青井岳の鉄橋で撮ることにします。

 .念願のななつ星を川南-高鍋の橋りょうで狙う
 ななつ星が運転を開始した時から1度は撮ってみたかったのが、宮崎県内では最も有名な場所の1つである、川南-高鍋間の小丸川橋りょうですが、旧来からのお立ち台の所に老人ホームが立ってしまい、苦しい撮影環境になって撮影者も激減してしまいました。
 私はもう望遠で圧縮する撮り方は原則しないので、サイドから狙えるこの橋でのななつ星は1度撮っておきたかったのです。

 宮崎7:14発の延岡行に乗って高鍋で下車します。
 前回は車で来たので、列車で下車するのはかなりの年数が経ってます。

 高鍋駅。
 朝の雲も取れて、快晴の天気になりました。今日は期待できます。しかし放射冷却で寒い寒い。

 駅から北へ4分ほどで踏切を渡ります。
 踏切北側に見える建物が老人ホームで、これが建った事により、従来のお立ち台に立てなくなりました。また撮影者に対する私有地内立入禁止の掲示もあったのですが、今回見たところ、その掲示はなくなっていました。
 この場所では撮らないので、そのまま海に出て、海岸を北へ歩いて、10分程で小丸川の河口に出ます。

 8:26 上りの特急にちりん6号が上がっていきます。
 この時間はまだ影が長くて画面内に入り込みそうでした。また露出補正をしていなかったのでオーバー気味に写ってしまいました。その後日が高くなって、影も短くなり、明るさも十分出てきたので、補正なしでいけるようになりました。

 9:10 速度を落としてゆっくりと小丸川を渡るななつ星を捉えることができました。一眼レフは持ってきていないので、サブ機の4Kコンデジ動画からの切り出し画像です。
 快晴で最高のコンディション、3日目でようやく特撮も行なえモヤモヤも晴れましたが、急いで機材を片付けて駅へ戻ります。

 .田野-青井岳の鉄橋で2発目を撮る
 1発目を無事ピーカンで撮り終えて、2ヶ所目に向かうのですが、列車+歩き移動なので、次の撮影場所が駅から少し時間が掛かる場所なため、高鍋を9:30の普通かその後の特急に乗る必要があり、ゆっくりはできず、先を急ぎます。

 9:30 宮崎方面の下り宮崎空港行の電車に乗ります。
 この電車は713系で運用されているので、時間があったらまた撮っときたいですね。

 宮崎で西都城行きの気動車に乗り換えて、次の南宮崎でななつ星に追いつきます。
 十分駅撮りできるようなので、駅撮りしたい場合は南宮崎で乗り換えた方がいいでしょう。

 11:38 踏切障害で20分遅れて田野駅に到着。
 私の乗った列車の後続の特急が、日向住吉近くの踏切で遮断竿が折られて現地で30分程度停まったため、連絡の特急や行き違い列車を含め、軒並み20分程度遅れました。昨日は人身事故で止まってたようですし。

 田野駅を後にして撮影地へ急ぎます。地図上での計算は25分ですが、実際にはもう少し掛かるかも知れないので予断を許しません。以前は車で来たのですが、今回は歩きます。

 12:16 ななつ星の1本前を走る下り普通列車は約5分遅れで通過して行きました。
 ななつ星の通過時間までは10分ちょっと、はたして定刻で来るか?

 12:35 定刻より7分遅れでななつ星がやって来ました。
 この鉄橋は下り列車の正面が北西に向いているので、この時間帯は正面は黒潰れしてしまいますが、冬場の低い太陽を車体が反射してキラリと光る期待をして立ったのですが、どうでしたでしょう?
 これで2ヶ所目の撮影も絶好の撮影日和の中、撮れました。

 .ななつ星撮影後は国鉄気動車三昧の半日
 田野駅に戻ってきたのですが、次の列車は13:10の西都城行きですが、この列車に乗っても、西都城から先の列車が2時間近く開いてしまい、特急を使って追っかけても、隼人以西での撮影は不可なため、これでジ・エンド。
 さて、このあとどうしようか? 明日(12/28)は最終日なので、夕方までに小倉に帰らなければならず、今日中に南九州を出た方がよいので、考えた結果

 そう、吉都線の列車に乗ることにしました。
 都城→吉松→人吉→八代 と乗り継いで取りあえず今日中に熊本県まで入ります。最終の博多行電車に乗り継げます。

 吉都線に乗るのは直ぐには記録が出せないほど前に乗ったきりです。
 ひょっとしたら20年以上ぶりかも。
 キハ40の単行に高校生が半数程度乗って出発を待ちます。
 都城14:12発の吉松行は来春のダイヤ改正で1日3本削減される列車のうちの1本。こんなに乗ってるのに。

 都城を出て大きくカーブした列車は北に進路を取ります。
 車窓左手には霧島山が見えてきます。真ん中の尖ったのが韓国岳かな?

 途中の小林で半分程度が降りて、その後も駅ごとに2・3人ずつ降りていきました。
 えびの飯野で5人ぐらい降りて車内はもう10人ほどに。
 飯野と言えば、先月末に阪九フェリーに乗った時に、飯野中学と一緒だったのを思い出します。

 列車はさらに進んで、えびの市西部へ。
 大学時代に、合宿免許で半月ほど住んでいた(実際には川を挟んだ対岸の鹿児島県側でしたが)ので、この界隈を自転車で回っていたころからの景色や、可愛い店員さんがいた京町の寿屋へよく行った(その後10年程で閉店となったようです)ことなど、30年の時を経てかすかに甦ります。

 合宿免許時代の思い出に浸ること僅か10分ほどで終点の吉松に到着。
 肥薩線の人吉行まで2時間40分あるので、1駅隼人寄りの栗野へ行きます。

 栗野駅から吉松方に15分ほど歩いた所に川内川を渡る列車を俯瞰できるポイントを4年前に車窓から発見していて、是非訪れたいと思っていたので、ちょうどよい機会となりました。
 車内から見たときの記憶ほど、実際には高くはありませんでした。
 なお栗野には高校時代に山野線の乗車と、さきの合宿免許時代に吉松から自転車で栗野まできていて、約30年ぶりの訪問となります。

 栗野からまた吉松に戻り、上り列車まで1時間ほど待ちます。
 シーズン中の昼間なら駅弁を売ってるのですが、シーズンオフの夕方なので、何もありません。国道沿いのローソンまで徒歩10分、寒いし畳のある暖かい駅の待合室で待ちます。

 静かな佇まいの駅も18時前後になると3方向から列車が集まってきて、一気にエンジン音で賑やかになります。但し乗客の数はせいぜい合わせて20人ぐらいと寂しいです。

 右から都城行(2両)・隼人行(2両)・人吉行(1両)の3本の列車全てが国鉄キハ40系であたり前のように並ぶという国鉄車両率100%の吉松駅のホームに立つと、JR九州発足時の1990年頃を彷彿させます。
 昔は九州各地でこのような風景が見られたのです。
 山越えの単行気動車には乗客4名を乗せて人吉まで、もちろん全員が人吉まで乗ります。外は真っ暗なのと、暖かい国鉄気動車の心地良さでもう爆睡です。幸せな空間を4人でシェア。

 19:19 人吉に到着、この列車はこのまま 19:38発の八代行となります。
 私以外の3人は全て降りて、車内は私1人だけとなってしまいました。

 時間があるので駅前に出てきました。
 google map のデータでは20時まで営業と書いてある弁当店も既にシャッターが降りて真っ暗、どう見ても20時まで営業じゃない、この人の少なさでこんな時間に駅弁が売れるわけがないから、どうせ閉まってるだろと思ったとおりでした。
 列車内に戻ると男子中学生と女子高校生が1名ずつ乗っており、計3名で人吉を出発。

 男子中学生は程なく渡で下車し、残った女子高生と私の2人だけの空間に酔いしれるようと思った矢先、2駅先の一勝地で降りていきました。

 ♪ ひとり~ ひとり~ おれもひとり~
 八代までの約1時間を私1人で車両貸切で過ごす、ある意味贅沢な空間でした。

 20:55 八代に到着。
 このまま乗り換えたら、熊本・鳥栖・日付が変わって終電で博多まで行けるのですが、今夜は八代で滞泊することにしました。

 なお吉松駅に到着した時に知ったのですが、ななつ星が途中で車両故障を起こして動けなくなっているようで、日豊本線が西都城-国分間で大幅に遅れていました。都城から吉都線に乗っていて正解でした。隼人経由で肥薩線に入るべく、続けて下っていたら足止めされて八代まで辿りつけなかったことでしょう。ななつ星は鹿児島のDE10が救援に向かい、2時間遅れで動き出したようです。

 最終日(12/28)につづく
コメント
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