六甲1号の出撃にっき

撮影ロケの出撃模様のほか、日々の雑感なんかも綴ったものです。

伊豆箱根の踊り子

2021-02-26 |  出撃 at 東海地方
 2月は4連休が3回もあったのですが、緊急事態宣言のためにどこにも出掛けずに過ぎ去ろうとしていました。
 来月のダイヤ改正まであと僅かですが、その間の休日は3/1・2・7・8の4日間、先日発表された週間予報ではほぼ絶望的な雨予報のため、3/1の宣言解除を待たずして急きょ出撃することにしました。
 2月最終週は冬に戻って雪予報も出ていたのですが、祝日の23日と25日は晴れ予報だったので、人出が少ない平日の25日に三島界隈へ、伊豆箱根鉄道へ乗り入れる踊り子号の撮影のための日帰り往復です。

 .割引きっぷが使いづらい2月の平日

 地獄の静岡県を東西に抜けて、かつ伊豆半島西部を旅行する際にお得なきっぷはあるかというところですが、23日なら祝日なので「休日乗り放題きっぷ」を使えば名古屋-豊橋間の別途乗車券のみ購入すれば、豊橋以東はフリー区間で乗り降り自由で、料金も4,300円ほどで済むが、25日は平日のため、そのようなフリー切符が使えないので、別の選択を迫られます。
 静岡県内で他に使えるフリー切符は、「ふじのくに家康公きっぷ」があるのですが、静岡県内が3分割されており、そのうち東部版エリアはフリーエリアが静岡以東になり、静岡までの普通きっぷ等が必要になるため、豊橋往復きっぷ 1,900円+豊橋~静岡乗車券 1,980円x2+企画切符 1,520円=合計7,380円とそれなりに安いが、券の購入のために静岡駅で下車しなければならず、その下車に伴うタイムロスを取り戻すために往路は新幹線で三島まで追いかけなければならず、余分に片道分の新幹線の乗車券+特急券代が必要となり、結局 9,600円程度となってしまう。
 豊橋往復きっぷと豊橋-三島間は普通乗車券で往復すれば、豊橋往復きっぷ 1,900円+豊橋-三島間 普通乗車券 3,080円x2=8,060円となるので、三島までの往復のみならこちらの方が安くなります。結局のところ、家康公きっぷは使わず、普通乗車券で往復することにしました。


 名古屋から豊橋までは520円で新幹線に乗れるので、始発のひかり号で1駅乗ります。新幹線にのるのも久しぶり。
 緊急事態宣言中とあって、出張や旅行客も見当たらず、通勤利用の人がほとんどでした。


 蒲郡を過ぎたあたりで、日差しが出てきました。
 今日の天気は晴れのちくもり、沼津の予報では15時まで晴れマークが付いているので、期待でき・・・ません。
 静岡県内に入ると晴れてきましたが、残念ながら富士山は見えませんでした。やばいなぁ。


 三島からは人生初となる、伊豆箱根鉄道に乗ります。
 静岡県内の私鉄はなかなか乗る機会がなく、伊豆箱根・岳南・静鉄は完全未乗でしたが、今日やっと伊豆箱根が既乗になる(と言っても三島二日町までですが)
 駅には西武鉄道のお古の黄色いオンボロ電車と、ラブライブラッピングの7000系でオール転換クロスの上等車両がいて、先発は左側の7000系なのでラッキー。と言っても僅か3駅乗るだけですけどね。



 撮影地でもない駅の角度の悪そうなホームや線路沿いの道路上で何人かの撮り鉄がカメラを抱えており、185系を撮るにはおかしな場所で待っているなぁと思ったら、途中の三島田町駅でE257系の試運転列車とすれ違いました。ダイヤ改正後はいつでも撮れるのに。

 .富士山見えず残念
 伊豆箱根線内は、2年前にレンタカーで山梨に来た帰りに沿線の南の方で撮影をしており、撮り残している撮影地としては三島二日町ー大場間があります。今回はここへ行くために電車+徒歩移動で行く事にしたものです。

 場所は三島二日町駅から徒歩18分ほどの場所にある、中村踏切で、ここは晴れるとバックに富士山を入れて下り列車を収める事ができる名撮影地の一つですが、残念ながら東海道線で移動してる途中に富士山は雲に覆われてしまい、三島に着いた頃には下界も雲影になる頻度が多くなっていました。ラブライブの電車が来た時もこの通り。

 10:46 そして本番の踊り子号の通過。  残念ながら富士山も見えず、日も当たらず惜敗?となりました。
 今日の天気予報は15時頃までマークなんですがね・・・

 .自転車で回る
 午前中の下り列車はあえなく影落ちの憂き目に遭い、三島駅に戻ってきましたが、午後の3本はどうするか? 諦めて帰るかということですが、まだ撮影していない場所もあるので、結局午後からも撮影することにしました。その上でどう回るか考えました。
 そうだ自転車で回ろう! ということで、レンタサイクルを借りて回ることにしました。

 三島周辺にはハレノヒサイクルという全国に展開するHELLO CYCLINGの地域加盟社があって、スマホで全て手続きを行うシステムで自転車を借りることができます。
 スマホで手続きを行い、三島駅北側にあるポイントの自転車を予約。後部に荷台の無いタイプなので、大きな荷物は載せられず、三脚はバックごと斜めに背負って漕ぎます。

 ルートはこの地図のように三島駅から時計回りで、撮影地A→確認地A→確認地B→撮影地Bと回って三島駅に戻ってくるもので、全行程18.6km、実際には寄り道していたので20km近くになります。

 撮影地Aでは国道1号線のバイパス南側の山の斜面にへばりついて、竹倉の直線を見下ろす、新しいポイントです。
 
 13:09 ここでは13時過ぎにやってくる上りの1本目を俯瞰撮影します。
 お立ち台に立てるのは数名で、後から来た人は隙間から狙うか、列車のアップのみの構図となります。残念ながら富士山は見えませんが、何とか日が当たってくれました。

 13:32 次の下りの2本目の列車ですが、20年ほど前に函南駅の西側の山から俯瞰で撮影したことがあり、その場所に行こうとしたのですが、場所を間違ってしまい(確認地A)、そこから本来の撮影場所があった確認地Bへ移動してる時に列車が来てしまい、あえなく糞ショット。
 その後確認地Bに着いたのですが、木が成長しており、完全に目隠しの状態になって、撮影不可になっていました。
 最後の場所である撮影地Bに向かいます。

 14:30 撮影地Bはいわゆる踏切の場所で、既に2人ほどがスタンバっていました。
 ここで16時前にやってくる、上りの2本目を狙うべく待ちます。土日はパトカーが出たそうです。

 15:16 185系の踊り子号を待っている間に、E257系の試運転列車がやってきました。
 この頃には6人位に撮影者も増えていました。そして待つこと更に40分。
 
 15:59 上り踊り子号がやってきました。
 ビデオパン撮影をするために、あまり好きではないが踏切警報器すぐ脇のポールポジションで構えていたので、それ以上誰も画面内に入ることはなかったのですが、土日などだと撮影者で混雑したりして、パン撮影などはできないでしょうね。
 平日動ける特性を生かした撮影行でした。心配された天気も、富士山ころ見えないものの、予報の15を回っても日差しがあってくれて助かりました。

 最後は撮影した場所より1つ南側の踏切で、乗って来た自転車を入れてのショット。この時点で曇ってきましたが、約40分後に三島駅に戻ってきた時にはポツポツと雨が降り出してきました。

 費用は前述の8,060円に加えて、伊豆箱根鉄道の三島-三島二日町間の往復280円と、レンタサイクルの1,500円に豊橋往復きっぷの新幹線変更券 520円を加えた合計10,360円掛かってしまいました。


 そしてようやく今回の出撃を以って、画像フォルダに2021用のものを追加できるという嬉しさというか何というか、待ってました感が実感できます。

 次の休みは3/1-2、7-8の2回ですが、天気予報が悪く、しかも7日は改正前最後の日曜日とあって、かなり撮影地は混雑しそうなので、見送りかも知れませんね。
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鉄道「旅」の衰退

2021-02-05 | 交通その他
 .鉄道の「旅」の衰退へ
 全国に何系統もあった夜行快速列車〔ムーンライト〇〇〕のシリーズですが、ながらの廃止をもって全てがなくなってしまいました。
 これまでに運転された主な列車・車両は、(赤字は乗車済み)
 ムーンライトながら 東京ー大垣 373・189・185系など →大垣夜行の生まれ変わり
 ムーンライト九州  京都ー博多 14系シュプール号タイプ
 ムーンライト山陽  京都-下関   同上 その後12系
 ムーンライト八重垣 京都ー出雲市 14系(寝台車あり)  
 ムーンライト松山・高知 京都ー松山・高知 14系+12系改造車
 ムーンライト信州  新宿ー白馬 183・189系  →夜行急行アルプス&中央夜行の生まれ変わり
 ムーンライトえちご 新宿ー新潟(村上) 165系・485系 →長岡夜行の生まれ変わり
 ムーンライト仙台・東京 東京-仙台 583系  その後はゲレンデ蔵王として団体列車として運行
 ミッドナイト    函館ー札幌  キハ56・27型  →函館夜行・急行すずらんの生まれ変わり
  名前は違うが北海道の快速ミッドナイトも同様の仲間と見る事ができるでしょう。

 関西と九州を結んでいた〔ムーンライト九州〕 最盛期は8両編成で運転されていた 2006年撮影

 このような列車は、お金はないが時間はある若者を中心に人気を博し、目的地は持たずに、とりあえずこの夜行列車に乗って、西を目指そう・北を目指そう、細かい行き先は着いてから考えよう的な自由な旅が出来たので、このような列車に乗ったことをきっかけにして、旅行を趣味にする人を育んでいった存在となる列車でしたが、これを辞めてしまう事は自らの首を絞めるようなもんです。

 .後向きで消極的な鉄道経営
 国鉄改革は、①赤字の解消 ②左翼組合潰し ③株式・資産売却益の独占 を3大目的として断行されましたが、②③の目的達成のために、NTTとは違い、最初から分割ありきで行われたため、当初から指摘されていたテリトリー思考が強く、JR会社間を跨ぐ直通列車は次々と廃止されていきました。
 また、保有車両の独自仕様化に伴い、そもそも他社線区への乗り入れ自体が不可能になったことから、臨時列車の運転もできなくなり、修学旅行をはじめ、甲子園や宗教団体の臨時列車もほとんど運行できなくなりました。これは本来鉄道が持つている、高速・一括・大量輸送という特徴が見事なまでに失われたものでした。

 縮小傾向が続く鉄道に対して2000年ごろから台頭してきたのが都市間高速バス輸送。昼間は40人、夜行は30人程度の小口の輸送で採算が採れることから、全国で雨後のタケノコのように次々と路線が生まれてては、一部撤退を繰り返しながらも現在に至っています。最初の安かろう悪かろうの窮屈なバスからは3列シート・ブランケット・電源コンセント付きというサービスが好評を博し、スマホの一般化が始まった2010年頃からは、更に夜行列車離れが加速しました。
 夜行列車離れに全く手をこまねいていたわけではなく、JR東日本の一部の支社では「ごろんとシート」などを導入してバスでは絶対に無理な”寝れる座席”で対抗策を出していましたが、結局一部の列車だけに終わりました。

 私も名古屋-東京、大阪ー広島などの中距離移動時は、3列独立リクライニング・室内消灯・電源コンセント付きの高速バス利用が多くなりました。

 前述のムーンライトながらは、373・183系時代は室内の灯かりを暗くする減光が行われていたのですが、185系になってからは減光しなくなったとのこと。これでは夜間は寝たいという人にとっては全く選択肢に入らず、一部の夜通し騒いでたい若者と、余分な金は出したくない乞食きっぱーだけの列車と化してしまい、一般の鉄道ファンすら敬遠する列車となってしまったわけです。

 185系の廃車に伴い、関東圏での団体・修学旅行などの波動輸送用の車両は、2000番台に未改造のE257系ぐらいしか残っておらず、この車両がJR会社界を超えて静岡以西に入ってくる事はまず無いでしょうから(伊豆箱根鉄道乗り入れ用のE257-2000番代がJR東海区間での乗務員訓練のために静岡運転所まで入線実績はある)、大垣まで来ることは望み薄ですね。
 こうして設備上のハンディーを列車が追う事になり、JRが意識を変えて資本投入することも無いようなので、ますます鉄道は陳腐なものになっていきます。

 .列車の運行をしたくない、副業で稼ぎたいJR
                   「九州には大きな鉄道会社が無いんよ。」
 「えっ、JR九州があるじゃない?」 「あぁ、あれは不動産会社やね。」
 「それじゃぁ西鉄は?」   「あれはバス会社」(西鉄は神奈中とバス台数日本一を争っています)

 こういう皮肉たっぷりな会話もありますが、ジリ貧の鉄道業の経営に力を入れるよりも、不動産で稼ぎたいという意図で、列車の運行本数をどんどん削って、不便になっていくのが九州地方の例です。そこまでではないですが、効率化という呪文を唱えるがごとく、とにかく列車の運転区間を短くすれば効率化できるとばかりに、列車の運転区間を極限まで短くしようと行われています。
 
 その結果、特定駅を挟んでの乗り換えが大幅に増え、結局乗り換えた後の列車では座れなかったりと、不便極まりない状況が広がっています。
 その典型例が静岡地獄・東北地獄・815系地獄(熊本・大分近郊)などに加え、長野・新潟なども地獄と化してきました。幸い何度か乗ったE129系では割とクロスシートに座れていますが。
 こうして何が何でも効率化を押し通した挙句、旅行客は在来線から新幹線に乗り換えてくれるのではなく、鉄道から高速バスやフェリー・LCCにシフトしたり、或いは旅そのものをやめる(回数が減る)といった自滅に向かっているのではないでしょうか? もうJR各社は通勤通学輸送以外は行わない方針でしょうね。(一部超豪華な企画列車がありますが)
 確かに駅の敷地を有効活用するために、テナント事業に力を入れるのはある意味当然でしょうが、元々持っていなかった土地にまで手を出して住宅事業に勤しむのは本末転倒ではないかと、その不動産が負の動産になってしまえば経営に響きかねない代物になるリスクもあります。

 私も先述の地方遠征に行く場合の、関東・中国方面の高速バス利用の他に、北東北などの遠距離であれば自動車、四国・九州のように航路が使える地域はフェリーも利用など、値段や快適さなどで使い分けて(LCCはスカイマーク以外は座席間隔が狭いので使いませんが)乗るようになりました。そして地方遠征の回数自体も減ってしまっています。このブログのタイトルから「出撃」の2文字が消える恐れすら懸念があります。

 WEB割引を使えば 神戸ー北九州が片道 7,000円で個室寝台に乗れるフェリーも魅力。(但し新造船に置き換えでなくなるかも)

 ムーンライトながら廃止のニュースが出た直後に東洋経済オンラインに、まさにそうだと言わんばかりの意見が書いてあったので、そのリンクを張っておきます。
「ムーンライトながら」違和感大ありの廃止理由 利用客に「行動様式の変化」を促したのは誰だ
 北斗星やトワイライトエクスプレスの廃止の時も「車両の老朽化」という言い訳で廃止にしていましたが、客に乗ってもらおうとする努力をしたくない気がモロバレて呆れてしまいます。
 
 さて緊急事態宣言の解除が前倒しで行われるかは微妙ですが、その後の3月13日のダイヤ改正までに、どこかへ出掛けるかとても微妙です。
 2月は代休絡みの実質4連休が2回もあるのですが、家で巣ごもり生活。こんな生活様式に慣れてしまうと、5月ぐらいにワクチン接種が開始されても、どれほど旅行に出掛けるだろうか・・・と、先日の記事に続いてちょっと愚痴を書いてみました。
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