しばし両岸の景色を鑑賞した後、先ほどのホールへ戻ります。何人かの人はデッキに出ず、ずっとホールにいます。さっきまで徐福の話で盛り上がった男性は船首のデッキに行きっぱなしになっており、美人の奥さんが一人で席の番をしています。この奥さんだけ、他の女性達とはどこか期せずして一線を画しているところがあります。聞けば東京で歯科の診療所を開いているということで、お医者さんとなれば、多少雰囲気が違うのも、むべなるかな、です。
とても社交的な女性で、通常女性というものは私と話をするのを喜ばないのですが、気さくに話がはずみます。先ほどご主人と話が盛り上がっていたので、その延長線上にあるのかもしれません。中国・韓国・台湾など、話題はこの三カ国をネタに進みます。どちらかと言えば、台湾>中国>韓国という順に好感度が感じられたので、ご主人は恐らく元を正せば台湾の方なのではないかという気がします。
診療所を開いている場所は新大久保だということでした。かつては韓流の聖地であり、今やすたれかけた聖地・新大久保には、ぼちぼちと中国人の手が入りつつあるようなのですが、韓国人と中国人の患者には、ある明確な違いがあるのだそうです。韓国人は、きちんと診療代を支払い、逃げたりごまかしたりすることは皆無だそうですが、中国人の中には踏み倒して逃げてしまう者がいるのだとか。爆買いで名を馳せたリッチな中国人の影で、名も無く貧しい中国人もまた日本には沢山居住しているというのが実情なのです。
学歴も技術も金儲けの才覚も持たなければ、中国では低賃金の肉体労働で食いつなぐだけの生活に終わる可能性が大です。今や北京大学を卒業しても職にありつけるかわからない時代なのです。OLとして職を得てからも、土日は英語学校でキャリアアップのための勉強に励むくらいの気概がないと、玉突きのように下層へ下層へと追い出されてしまうのが中国の都会での現実です。祖国を捨て、可能性を求めて日本に渡って来た多くの中国人は「川向う」に居を構えて頑張っています。川向うとは、隅田川の東にある足立区、あるいは荒川の北岸にある川口市、といったところです。
こうした地域では、現在ヨーロッパに巻き起こっている移民問題のミニチュア版が起こりつつあります。しかし、韓国人と違って中国人は、日本に居住しながら日本そのものを破壊せんとするような政治活動には手を染めていません。日本人も、中国人に対する問題意識は、彼らがついつい中国式のマナーで騒いだりゴミを捨てたりすることにあるのであって、韓国人排斥デモはあっても、中国人排斥デモはありません。日韓の間には、近親憎悪のようなものがあって、話が面倒になっているのかもしれません。
三峡ダムに行きつくまでに、大きな堰を通過します。東京にもこれと同じ仕組みの堰があるのですが、スケールが全然違います。巨大客船がすっぽり入る大きさですから、この目で見なければ実感が湧きません。船がその堰に入ると、船の後方で長江とは完全に遮断され、いわば巨大な桶状態になります。次にその桶の中に水位に段差のある上流の水が注がれ、上流と同じ高さになるまで、その作業が続けられます。
この時、水位は私たちの予想を超える速さで上昇し、気分的には、あっという間に上流と同じ高さになりました。そして扉が開けられた船首側に向かった船は、再び悠然と進み始めます。この時の様子を収めた写真があるのですが、なぜか画素数が最大になっており、このブログでは受け付けられない規格なので、掲載することができませんでした。
とても社交的な女性で、通常女性というものは私と話をするのを喜ばないのですが、気さくに話がはずみます。先ほどご主人と話が盛り上がっていたので、その延長線上にあるのかもしれません。中国・韓国・台湾など、話題はこの三カ国をネタに進みます。どちらかと言えば、台湾>中国>韓国という順に好感度が感じられたので、ご主人は恐らく元を正せば台湾の方なのではないかという気がします。
診療所を開いている場所は新大久保だということでした。かつては韓流の聖地であり、今やすたれかけた聖地・新大久保には、ぼちぼちと中国人の手が入りつつあるようなのですが、韓国人と中国人の患者には、ある明確な違いがあるのだそうです。韓国人は、きちんと診療代を支払い、逃げたりごまかしたりすることは皆無だそうですが、中国人の中には踏み倒して逃げてしまう者がいるのだとか。爆買いで名を馳せたリッチな中国人の影で、名も無く貧しい中国人もまた日本には沢山居住しているというのが実情なのです。
学歴も技術も金儲けの才覚も持たなければ、中国では低賃金の肉体労働で食いつなぐだけの生活に終わる可能性が大です。今や北京大学を卒業しても職にありつけるかわからない時代なのです。OLとして職を得てからも、土日は英語学校でキャリアアップのための勉強に励むくらいの気概がないと、玉突きのように下層へ下層へと追い出されてしまうのが中国の都会での現実です。祖国を捨て、可能性を求めて日本に渡って来た多くの中国人は「川向う」に居を構えて頑張っています。川向うとは、隅田川の東にある足立区、あるいは荒川の北岸にある川口市、といったところです。
こうした地域では、現在ヨーロッパに巻き起こっている移民問題のミニチュア版が起こりつつあります。しかし、韓国人と違って中国人は、日本に居住しながら日本そのものを破壊せんとするような政治活動には手を染めていません。日本人も、中国人に対する問題意識は、彼らがついつい中国式のマナーで騒いだりゴミを捨てたりすることにあるのであって、韓国人排斥デモはあっても、中国人排斥デモはありません。日韓の間には、近親憎悪のようなものがあって、話が面倒になっているのかもしれません。
三峡ダムに行きつくまでに、大きな堰を通過します。東京にもこれと同じ仕組みの堰があるのですが、スケールが全然違います。巨大客船がすっぽり入る大きさですから、この目で見なければ実感が湧きません。船がその堰に入ると、船の後方で長江とは完全に遮断され、いわば巨大な桶状態になります。次にその桶の中に水位に段差のある上流の水が注がれ、上流と同じ高さになるまで、その作業が続けられます。
この時、水位は私たちの予想を超える速さで上昇し、気分的には、あっという間に上流と同じ高さになりました。そして扉が開けられた船首側に向かった船は、再び悠然と進み始めます。この時の様子を収めた写真があるのですが、なぜか画素数が最大になっており、このブログでは受け付けられない規格なので、掲載することができませんでした。