算定装置、型番“美形貴族のみ漫遊別荘のみ単独発電器状態“手淫”の射精これ無罪判決が続く謎への傍観者は冷徹な美への花束を買う往路が続くのみ”の駆動は、ある星にど美形血脈ばかりを産みたもうた。
白人、緑人、青人、薄紫人の混血。地球の最頂点美形人が、美形度でやっと彼らの三分の一。
その星の学生数六百人の男子校には性教育があった。
貴族階級の学生は表の歴史触れざる、算定装置の駆動により皆美形ばかり。性教育を担当する女性教師も美形なのは理由がある。
男子を高しめるべくの、筆卸(ふでおろ)しをすべくの、撮影して権勢を拡張すべくの、ついでに非意図的に二百六十万星に知ろしめるべくの女優たるべくの。
この学校の校則の附則では、高校二年に達した学生には性交の経験が義務付けられていた。
年齢二十九の女性教師は職責を伴いつつの堂々と男子のお初を感得。
学校附属の交遊校舎の寝室は貴族御用達(ごようたし)学校よろしく高級旅館が如き。
時期は夏休み期。
教師が一日毎に男子を寝室に呼ぶ際はもちろん、名簿順。
まずは和む。
「夏休みは何をやっていたの。宿題。」
「知能練磨装置で修練していました。」
「どうして。あなたはもう十分に高い数値に達している筈よ。不必要な筈よ。」
男子は性教育の開始日程を、知っていない。だから突然のガチンコ。他学生に口外してはならない。教師への口淫なら許される。
「他学生との成績の競争で不安だったからです。最近、追い抜かれそうで。第一志望の大学に推薦されなくなる前に、夏休みを自己燃焼させようと、(自薦しようと、つまりしこたま利用しようと)、したんです。夏休みに意思はありません。自己燃焼させ、魂を飛翔させ(射精させ)ても無罪な筈です。」
貴族子息らしく、横目を向いた顔を正面に直し、凛と無表情。
身長百九十二センチの十七才のその巨躯(きょく)の、貴族の理知の血脈走りし両脚に挟みし別の巨躯は、今は両脚と共に平行にあるのみ。
隣に座す身長百七十七センチの性教諭はいずれ、少年に血脈たぎりし起立を少年に、脚に、規律す。
「不必要よ。自薦しなくとも良いのよ。あなたは、第一志望校に必ず飛翔出来る、(射精出来る)成績(下着の縫い目)なのよ。
そんなものはね、手淫なの。
進入先が無いままの、孤独な夏休みの自己燃焼、手淫なんて、自分の魂の無射精よ。学びなさい。
あなたは、本当の自身の下着の縫い目を分かっていなかったのよ。
だから、おかしな下着の脱ぎ方、感動の仕方、(性器の露出)に走ってしまうのよ。練磨装置であなたの魂を刺激する(快楽を味わう)のは止めなさい。」
“下着の縫い目を分かっていなかった。だから、練磨装置へ性器を晒し(努力し)、志望校への飛翔へ(射精へ)向けての夏休みの自薦に耽っていた。
まずい。
教諭の御前(おんまえ)での自己反省前の唐突逡巡は抽出困難な数学的誤謬に満つ。
この意識履歴は次年度の学級の割り振りに於いて倫理的な、そして剛腕な、機会を自身に課す。
貴族子息たるべくの何たるかの意識はそして剛腕な、たる形容詞と剛腕に、たる副詞に深部で交互に、非倫理的に試される事で、太古の腕力労働階級への接近が倫理的に、剛腕に課される。”
「隣に座りたかったの。」
教師は既に男子貴族の隣に座しており、言葉を放ちつつの仕草は、次段階の手の甲の重ねつつ。
「・・・・・・どういう事でしょうか。」
「あなたは、手淫に耽っていたの。たった今もよ。あなたは、練磨装置での不必要な自己修練の何たるかは、手淫だという着想を与えられても尚、夏休みの自己燃焼の動きのまま、私の隣で思案に耽った節があったわ。
そうでしょう。」
「その通りです。即興思案環境、教諭御前にての数学的未誤謬に向けての教諭御前貴族男子意識、知的、倫理的性交と私は性交を行って(真剣さと合一す)おりました。」
「何故あなたはその即興思案環境と性交を行っていたの。何かを真剣に産み出したかったの。違うわ。あなたはゆきずりの美人女子の性情報に触れた後の一連の流れに知性を委ねていただけ。流れに委ねてしまった知性は転じて、刺激に晒される性器なの。射精先の無い夏休みはまだ続いているようね。
本当に真剣さと合一す(性交す)るとはね、こうして手の甲を重ねつつ、既に隣に座っている人間に、“隣に座りたかったの“と自己燃焼の夏休みの記憶を諭しつつ告げた者との知的重なりで学べるのよ。
あなたが夏休みに学ぶべき事は、本当の真剣さ(性交)との性交(全力の知的取り組み)なの。
手の甲のように私と重なりなさい。
あなたの隣に座りたかったのはね、教諭としてあなたの手の甲に重なる必要性を認識したからよ。
あなたの下着の縫い目(成績)の変動具合からして、あなたは夏休みに手淫に耽ってばかりいる。そう判断したからよ。
今日は性交を(性交を)学びなさい。」
性教諭は実は算定装置の案出を利用していた。
その過程で堂々と貴族男子の恥庭に進駐す。
「ヴァープァルクァス貴族候補、あ・な・た・の、手淫頻度はどのくらいなの。
まずは性交の一手目、恥の花園での戯れよ。」
ヴァープァルクァス貴族候補の即興思案環境には、性的羞恥(しゅうち)は投入された事が無かった。
そして、即興思案環境を一連の流れで即興の手淫と喝破(かっぱ)されている。
貴族候補には今や即答あるのみ。
「携帯貴族拳銃発脳髄疾走快楽の記憶は、四十九時間三十分毎に更新しており、弾丸軌道(射精)の飛距離は二十三センチです。」
これは平成十三年の日本で起きた実話。
~
共学制の高校に通う、深い関係ではない男女が更衣室で脱衣した。
ある男女一名ずつは点検係を担い、女子更衣室の物品を確認する事になった。
「どうしてこの時期に、まだこの種の浮き板がこれだけあるのかしら。」
との疑問が出だしで、そこらの不要な浮き板を廃棄する事になった。
二人は協力して廃棄物置き場に捨てに行くが、その日は水泳の授業があり係の仕事がある為、着替えずのままだった。
途中に経る外は雨が降っており、二人は水着姿で浮き板を抱えていく。
「ねえ、雨が降っている中でこんな風に浮き板を運んで行くのって、何か体育祭のおかしな徒競争みたいだね。」
「うん、そうだね。
面白いね。
水泳の授業があって、また水に濡れるって模試があった後にまた冊子が配られる感じがする。
変なの。
後どれだけ浮き板あるんだろう。」
「分かんない。
数えてないからね。
多分まだ沢山。
どうしよう。」
二人は雨に濡れつつの談笑をぶつけ合う。
「シャワー浴びているみたい。
気持ちいい。」
「これってさ、いつ終わるか分からない仕事を放っておきながら、こんな話しをしているのって、俺らが雨みたいにいつ、どこでも湧いて来るような安い仕事の係だってという事を今こうして笑顔で認めているって事なんだよね。
笑えるね。」
「それ面白い。」
二人は取り留めも無い会話を続ける。
するとこのような会話の流れが雨(あま)音に混じる。
「じゃあさ、どうして人間は降って来たんだろう。
元は、要らない筈の人間だったのに、何故避妊はされなかったんだろう。
雨みたいだね。
とにかく降って来る。
そして歴史を紡ぐ。
浮き板は何かの理由で、どうしても誤発注で余分に生まれてしまう。
人間はそして、今の俺らのように浮き板の処置に生まれる。
そもそも、浮き板の前に、人間の誕生数を適切に調整していれば良かったんだ。
どう思う。」
「うーんどうだろうねー。
私はこう思うな。
人間自体はそもそも要らない存在だった、という過程の論証がまだならば、人間は存在が雨なんだ、という非難されべかざる素朴な感動に据え置いておけばいいんじゃないかな。
人間は雨なのよ。
とにかく、降って来るの。
そして、浮き板の誤発注を生むの。
私達は人間として仕事に追われるの。
雨に濡れながら、こうして射精された精子の中の未授精の精子は、どうなるのかなんて、実は主語への言及からして長ったらしいって知るのよ。
回避すべき、人間の脳への負荷を起こすのよ。
学者でもなければあまり真剣に考え込むものではない事なのよ。」
進学校に通う二人は真剣な議論への挑戦を相互に刺激され続け、合意に至る。
それは“浮き板搬出の作業効率自体をまず適正化すべき、という議論以前のこの雨の中で二人が発揮してしまった、非意図的衝動たる恥を連想させる学問分野への未挑戦意識が沸かす煙の排斥行為”だった。
二人は既に分野、挑戦予定項目は発見していた。
分野は性教育で、項目とは避妊。
女子は女子用品保管室の鍵を使用可能であり、そこの内容物を知っていた。
避妊具は更衣室に搬入されていく。
偶然の雨の中の議論が顔に湛えた真剣な眼差しは、そして避妊具の外装を破る。
「これって・・・ところでこの破り行為は避妊の一部なのかな。」
二人は分野への挑戦を続ける。
“私達は避妊以前の、恥の根源を知っていなかった。”
“恥の根源とは、恥を知らぬという恥たる、異性を知らぬ朴訥さにある。”
到達は二人に知性の向上を起こすも、常識の脱衣が伴った。
二人は、相互に水着を脱がし合う。
まずは男子が女子を、次に女子が男子の知性と性の避妊具の外装を外した。
脳は手淫を求めていながら、脳の隷属器官たる手は脳への性的脅迫に走る、つまり二人の手は下半身を隠す。
~つづく。