今日のタイトルは「日本国民がまずやらなければならないことはマスコミ討伐⑥」なのだが、どうもこのタイトルは長く、だら~として締まりが無いので変えてしまった。
言いたいことは一緒です。
以下は私が以前、長期政権とマスコミとの関係について書いた日記を転載したものです。
■報道機関(テレビ・ラジオ・新聞等)の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するために重要な『判断材料』を提供し、国民の『知る権利』に奉仕するものである。(昭和44年最高裁見解)
日本国民は、今でも、そう信じていますし、テレビ局も上の最高裁判断を基にしたような放送倫理規定を設定しています。
読んでもらうと分かるのですが、ジャーナリスト精神にあふれた民主主義社会のマスコミの在り方そのものです。
ところが、権力が変わらず「なが~い」こと続いたためマスコミも会社の存続・自分の地位・家族を養っていく・生きていく等の生活が懸かり、背に腹は変えられず、「なが~い」ものに巻かれていったのです。以下、その証言。
①元大手新聞社政治部キャップの霞泰介氏は政治とマスコミの癒着を自身の癒着も含めて次の様に言っています。
「(自民党政権下では)新聞やテレビの政治記者と政治家の癒着は半ば公然。盆暮れになると、派閥のボスや幹部から担当記者に現金や背広仕立て券などが贈られた。出張取材では、同行する記者には豪華なお土産がプレゼントされた。
先輩記者からは『代々受け継がれてきた慣行』だと言われ、私も次第に慣れっこになった。」
「(記者達に、上が皆やってきたことだからという組織ぐるみ・マスコミぐるみの)共犯者意識があり、日本人特有の組織からの〝村八分〟を恐れる気持ちがある。
私自身、金品の贈与を拒否すると、他社の記者たちが「何だ、一人だけいい子になるのか」と非難されたし、政権幹部からは「君のところの先輩はみな受け取っていたよ」としらけた表情をされたものだ。」
「(こういったマスコミの癒着腐敗は政治家とだけとではない、高級官僚とも癒着しており)取材名目でよく食事をしたり、一緒にゴルフや麻雀を楽しんだ。
その際は、申し訳程度のカネを会費として負担したが、費用の大半は官僚持ちだった。…こちらが要求すると白紙の領収書を出す便宜を図ってくれた。会社から出た取材費に上乗せして、小遣いの足しにした。」
「こうしたカネは政治家や高級官僚が自腹を切るのかといえば、決してそうではない。
マスコミ対策費として、官房機密費や官庁の予算から出ている。
官房機密費の取り扱いは内閣官房長官の裁量に委ねられており、領収書が不要で、使途は一切明らかにされない。
マスコミ向けには、政権与党に都合の悪い記事や放送を防ぐため、普段から友好・協力関係をつくる狙いがある。」
「(「不遍、不党」や「公正、中立」を掲げるマスコミのこの権力者との癒着は)読者・視聴者への裏切りで、明白な倫理的破綻・モラルの崩壊につながっている。
民主主義の敵にもなりかねない。
私自身の体験も恥ずべきことであり、心から反省している。」…(霞泰介氏のインタビューより引用終わり)
②下は元NHK政治部キャップ川崎泰資氏が実名告白「私はこうして官房機密費を手渡された」より抜粋
「総理外遊先のホテルの部屋に呼び出され、首相秘書官から現金入りの封筒を渡された。
驚いて突っ返したら『そんなことしたら仕事ができなくなるよ。
あなたの先輩もみんな受け取ってるんだから。断った人はあなたが初めてだ。』といわれた…」…元NHK政治記者川崎氏の話、終わり
受け取って当たり前で、もし受け取らなかったら情報が遮断され、記者として仕事をさせてもらえなくなるということで、最初は受け取らざるを得ない状況で受け取ったのが次第にそれが当たり前になっていく。
徐々に官邸や特定の政治家の思惑どおりの記事を書くようになり、決して批判などできなくなっていく。こんな談合報道というものが連綿と政治ジャーナリズムというものを歪めてきた。
③野中広務氏は10数年前官房長官を務めた人だが、官房機密費についてその使途を暴露した。
84歳の野中氏は「私ももう年。いつあの世に行くか分からんから。やっぱり国民の税金だから、改めて議論して欲しいと思った」と暴露の理由を語り「機密費自体をなくした方がいい」と提案した。
その野中氏の話で機密費は野党対策費としてだけではなく、マスコミ対策としても使われ「前の官房長官から『ここにはこれだけもっていけ』と書いた引継ぎメモを渡された」「(テレビによく出ている)政治評論家に盆暮れに五百万円ずつ届けた」とある。
④平野貞夫元参議院議員は報償費(官房機密費)を「記者対策にも使った」「大手の新聞、通信社の担当記者を連れて、赤坂や銀座の料亭へ行って、クラブへ行って……。それから記者たちはこちらが用意した「女」とこちらがセットした「ホテル」に泊まってました。
その費用をこちらが持ち、1度に20~30万円、月に1回程度といった感じでやっていました。」
――記者に抵抗感はなかったのでしょうか。(インタビュアーの質問)
平野氏:「それが当たり前…でしたから。
記者達は、政治家や派閥と仲良くやって情報を取る、それが仕事だと思っていて後ろめたさは持っていませんでした。
また、そういう記者がその後、(その社内で)出世して行きましたよ。」
⑤大久保秘書逮捕後のマスコミの記事について、ネットでは「検察リーク」が取りざたされていた頃、「検察リーク」ではないとするテレビ等マスコミの世界では、番組の中で誰かの質問に対し「検察リーク有り得る」と答えたNHKのアナウンサーが「私見を話すとは何事か!」と即クビになってしまった、そんな時代状況でした。
その「検察リーク」について某大手新聞社の有名編集委員H氏が、あるパーティで、K氏に「ところでHさんとこ、小沢問題では特抜きしまくりましたね。 さすがですね。
やっぱりHさんを始めとする地道な取材の賜物ですか? だって読んでる側からすると、その場に居る(検事の)ような "見事な臨場感" がありますよね」と言われ、H編集委員はこう答えています。
H氏:「今回の捜査情報などの報道について、ですか? いくら地べた這いつくばって取材してもあんな記事、書けるわけないじゃありませんか。ありゃ、皆んな検察からのリークですよ。」
K氏は今騒がれている小沢騒動報道を大新聞社の大幹部(編集委員)が全て検察からのリーク情報だと言ったので驚いて次の様に聞き直しました。
K氏:「でもねHさん。 検察のリークといっても全部じゃないでしょ? あの“パソコンの書類作成が会見2日前に作られた”なんて、・・なんか検察からヒント出されたんですか?」
H氏:「全然違う。 ヒントなんかであんな記事書けるわけない! アレは"あの通りリークされた" ものだ」
K氏:「Hさん。 今のハナシ、“オモテ”に出たら大変な騒ぎになるんじゃありませんか?」
H氏:「Kさん、仮に・・仮にですよ、あなたが今のハナシを誰かに漏らすとする。 その誰かが…そうだなネットかなんかで世間にばら撒いちゃうとする。でも、証明しようがないじゃない。 ウチの新聞社だって(全て検察リークで書いている、ということは)コピー取りのアシスタントに至るまで、こんなこと常識。 世の中、権力持ってるほうが強いんだよ!」
権力を監視し、国民に警告すべき大新聞社の幹部が「権力の侍女」(戦前マスコミに対して言われた言葉)になり切っている。
Kさんは本人が「ネットでばら撒かれても構わない」といっているのだからと、この会話をネットに流した。
無風注:この「検察リーク(検察が流した話)」はマスコミ各社が「そんなことは無い、われわれが汗水たらして足で稼いだ情報だ」と全否定していた。だからK氏が「マスコミが全て検察リークで(つまり検察に言われるままに)書いている、という話がオモテに出たら大変な騒ぎになるんじゃないですか?」となるのだ。
ここで余談的に私がいつも引き合いに出している戦後間もない頃に文部省が作成した教科書(戦前の権力者・マスコミに対する批判・反省がこもっている教科書)から、少し私なりにアレンジして書いてみる。
偽らない事実・国民が知らなければならない事柄を、テレビ・新聞等マスコミが広く国民に伝える。そして、そういう正確な事実や情報を基礎にして良識のある国民が、これはこうでなければならないと判断したことが本当の世論なのである。
しかし、その正確な事実や情報を国民に流すテレビ・新聞等マスコミが、自分たちだけの利益を図り社会の利益を省みない少数の人々(癒着腐敗した政官財)の手によって「酒・カネ・女」で買収されてしまうと、その人々の手によってマスコミは世論を正しく伝える代わりに、ありもしない世論をあるように作り上げたり、ある一つの立場にだけに有利なように世論を曲げて行ったりする非常に有力なツールになってしまう。
日本国民に大きな悲劇をもたらしたあの太平洋戦争でも、政府や軍部が権力と金とでマスコミ報道したために、初めは戦争をしたくないと思っていた人々も、だんだんと戦争をしなければならないという気持になり、戦争に協力するのが国民の務めだと信ずるにいたった。
実際には負け続けてばかりいたのに、まことしやかな『大本営発表』などというものにあざむかれて、勝ちいくさだと思いこんでしまった。
戦争がすんで、これほどまでにだまされていたのかと分かっても“あとの祭”であった。
マスコミ報道の力の恐ろしさは、日本国民が骨身にしみるほどに知ったはずである。
腐敗癒着した政官財・マスコミが民衆をあざむく方法には、次のような種類があると言い得るだろう。
①権力者・マスコミは、競争相手や邪魔な勢力を追い払うために、それを悪名をもってよび、民衆にそれに対する反感を起こさせようとする。相手を悪者と決め付け、あることないこと取りまぜて言えば、いっそう効果があるに相違ない。
(無風注:小沢一郎・鳩山由紀夫・民主党へのマスコミ報道が良い?例と言える。)
②逆に、自分の立場にりっぱな看板をかかげ、自分のいうことに美しい着物を着せるという手である。真理・自由・正義・民主主義などという言葉は、そういう看板には打ってつけである。
しかし、ひつじの皮を着たおおかみ(支配層・マスコミ)を仲間だと思いこんだひつじたち(国民)は、やすやすとおおかみ(支配層・マスコミ)のえじきになってしまうだろう。
(無風注:新自由主義・努力した人が報われる社会・強い日本を取り戻す・美しい国・世界最高の安全基準・アベノミクス・等々がこの例)
③自分たちのやろうとする計画を、かねてから国民の尊敬しているものと結びつけて、その計画を立派なものだと国民に信じさせるやり方である。
たとえば、日本人には昔から天皇をありがたいと思う気持がある。
戦争を計画した連中はそれを利用して、天皇の実際のお考えがどうであったかに拘わらず、自分たちの計画通りにことを運ぶのが「天皇のお心にかなうところ」だと報道した。
そうして、赤い紙の召集今状を「天皇のお召し」だと言って、国民をいやおうなしに戦場に送った。
④民衆の人気を集めるために、民衆の気に入るような映像を流し(記事を書き)、人々が感心するような映像をテレビ・新聞などに出すという手もある。
たとえば、普段は立派な官邸に住んで、贅沢なな生活をしている独裁者でも、労働者と同じように、スコップで土を掘っている映像を見せれば、人々はその独裁者を自分たちの味方だと思う。
(無風注:安倍総理大臣が第一次内閣の時、海岸のゴミ拾いをしている場面をテレビで映し出していたが、これはドラマの撮影現場と同じで、取り巻きがゴミを安倍首相の前に置いておき、そうしておいて待ち構えているテレビ・カメラを一斉に回させて、安倍首相が、そのゴミをつまみ上げる映像を撮る。テレビを見た民衆はそれを総理大臣自ら海岸の美化(美しい国作り)に貢献している、と感心する。こういった方法)
⑤真実と嘘を上手に織りまぜる方法がある。
いかなるマスコミ報道も、嘘だけでは遅かれ早かれ国民に感づかれてしまう。
そこで、本当のことを言って人をひきつけ、自分の話を信用させておいて、だんだんと嘘まで本当だと思わせることに成功する。
あるいは本当の事実でも、その一つの点だけを取り出して示すと、言い表し方次第では、まるで逆の印象を人々に与えることもできる。
(無風注:この5番目は前にも出しているので略。ただ、この例に、航海日誌を書く人が船長に悪意を持っていて、その日誌に「船長は今日は一日中お酒を飲まなかった。暴れまわることも無かった。」と書いた。
その船長は普段から大人しくお酒を一滴も飲まない人なので「今日は一日中酒を飲まなかった」のは事実で「暴れまわらなかった」のも事実なのだが、船長を知らない人がこの航海日誌を見たらどういった印象をこの船長に対して抱くか。と言ったことがこの教科書に載っていた。)
昔の日記を転載したので、字数が多くなってしまった。余談的にと書いたところで終わってしまう。
今日は、戦後3年経った時に、文部省が戦前の権力者・マスコミを検証・反省して書いた教科書の「戦前の為政者・軍部がマスコミを使って国民を騙した手口」が、今の日本の支配層・マスコミのやっていることと類似している事実を認識してもらいたいと思い、書きました。
長くなったので今日はここまで、またね。
言いたいことは一緒です。
以下は私が以前、長期政権とマスコミとの関係について書いた日記を転載したものです。
■報道機関(テレビ・ラジオ・新聞等)の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するために重要な『判断材料』を提供し、国民の『知る権利』に奉仕するものである。(昭和44年最高裁見解)
日本国民は、今でも、そう信じていますし、テレビ局も上の最高裁判断を基にしたような放送倫理規定を設定しています。
読んでもらうと分かるのですが、ジャーナリスト精神にあふれた民主主義社会のマスコミの在り方そのものです。
ところが、権力が変わらず「なが~い」こと続いたためマスコミも会社の存続・自分の地位・家族を養っていく・生きていく等の生活が懸かり、背に腹は変えられず、「なが~い」ものに巻かれていったのです。以下、その証言。
①元大手新聞社政治部キャップの霞泰介氏は政治とマスコミの癒着を自身の癒着も含めて次の様に言っています。
「(自民党政権下では)新聞やテレビの政治記者と政治家の癒着は半ば公然。盆暮れになると、派閥のボスや幹部から担当記者に現金や背広仕立て券などが贈られた。出張取材では、同行する記者には豪華なお土産がプレゼントされた。
先輩記者からは『代々受け継がれてきた慣行』だと言われ、私も次第に慣れっこになった。」
「(記者達に、上が皆やってきたことだからという組織ぐるみ・マスコミぐるみの)共犯者意識があり、日本人特有の組織からの〝村八分〟を恐れる気持ちがある。
私自身、金品の贈与を拒否すると、他社の記者たちが「何だ、一人だけいい子になるのか」と非難されたし、政権幹部からは「君のところの先輩はみな受け取っていたよ」としらけた表情をされたものだ。」
「(こういったマスコミの癒着腐敗は政治家とだけとではない、高級官僚とも癒着しており)取材名目でよく食事をしたり、一緒にゴルフや麻雀を楽しんだ。
その際は、申し訳程度のカネを会費として負担したが、費用の大半は官僚持ちだった。…こちらが要求すると白紙の領収書を出す便宜を図ってくれた。会社から出た取材費に上乗せして、小遣いの足しにした。」
「こうしたカネは政治家や高級官僚が自腹を切るのかといえば、決してそうではない。
マスコミ対策費として、官房機密費や官庁の予算から出ている。
官房機密費の取り扱いは内閣官房長官の裁量に委ねられており、領収書が不要で、使途は一切明らかにされない。
マスコミ向けには、政権与党に都合の悪い記事や放送を防ぐため、普段から友好・協力関係をつくる狙いがある。」
「(「不遍、不党」や「公正、中立」を掲げるマスコミのこの権力者との癒着は)読者・視聴者への裏切りで、明白な倫理的破綻・モラルの崩壊につながっている。
民主主義の敵にもなりかねない。
私自身の体験も恥ずべきことであり、心から反省している。」…(霞泰介氏のインタビューより引用終わり)
②下は元NHK政治部キャップ川崎泰資氏が実名告白「私はこうして官房機密費を手渡された」より抜粋
「総理外遊先のホテルの部屋に呼び出され、首相秘書官から現金入りの封筒を渡された。
驚いて突っ返したら『そんなことしたら仕事ができなくなるよ。
あなたの先輩もみんな受け取ってるんだから。断った人はあなたが初めてだ。』といわれた…」…元NHK政治記者川崎氏の話、終わり
受け取って当たり前で、もし受け取らなかったら情報が遮断され、記者として仕事をさせてもらえなくなるということで、最初は受け取らざるを得ない状況で受け取ったのが次第にそれが当たり前になっていく。
徐々に官邸や特定の政治家の思惑どおりの記事を書くようになり、決して批判などできなくなっていく。こんな談合報道というものが連綿と政治ジャーナリズムというものを歪めてきた。
③野中広務氏は10数年前官房長官を務めた人だが、官房機密費についてその使途を暴露した。
84歳の野中氏は「私ももう年。いつあの世に行くか分からんから。やっぱり国民の税金だから、改めて議論して欲しいと思った」と暴露の理由を語り「機密費自体をなくした方がいい」と提案した。
その野中氏の話で機密費は野党対策費としてだけではなく、マスコミ対策としても使われ「前の官房長官から『ここにはこれだけもっていけ』と書いた引継ぎメモを渡された」「(テレビによく出ている)政治評論家に盆暮れに五百万円ずつ届けた」とある。
④平野貞夫元参議院議員は報償費(官房機密費)を「記者対策にも使った」「大手の新聞、通信社の担当記者を連れて、赤坂や銀座の料亭へ行って、クラブへ行って……。それから記者たちはこちらが用意した「女」とこちらがセットした「ホテル」に泊まってました。
その費用をこちらが持ち、1度に20~30万円、月に1回程度といった感じでやっていました。」
――記者に抵抗感はなかったのでしょうか。(インタビュアーの質問)
平野氏:「それが当たり前…でしたから。
記者達は、政治家や派閥と仲良くやって情報を取る、それが仕事だと思っていて後ろめたさは持っていませんでした。
また、そういう記者がその後、(その社内で)出世して行きましたよ。」
⑤大久保秘書逮捕後のマスコミの記事について、ネットでは「検察リーク」が取りざたされていた頃、「検察リーク」ではないとするテレビ等マスコミの世界では、番組の中で誰かの質問に対し「検察リーク有り得る」と答えたNHKのアナウンサーが「私見を話すとは何事か!」と即クビになってしまった、そんな時代状況でした。
その「検察リーク」について某大手新聞社の有名編集委員H氏が、あるパーティで、K氏に「ところでHさんとこ、小沢問題では特抜きしまくりましたね。 さすがですね。
やっぱりHさんを始めとする地道な取材の賜物ですか? だって読んでる側からすると、その場に居る(検事の)ような "見事な臨場感" がありますよね」と言われ、H編集委員はこう答えています。
H氏:「今回の捜査情報などの報道について、ですか? いくら地べた這いつくばって取材してもあんな記事、書けるわけないじゃありませんか。ありゃ、皆んな検察からのリークですよ。」
K氏は今騒がれている小沢騒動報道を大新聞社の大幹部(編集委員)が全て検察からのリーク情報だと言ったので驚いて次の様に聞き直しました。
K氏:「でもねHさん。 検察のリークといっても全部じゃないでしょ? あの“パソコンの書類作成が会見2日前に作られた”なんて、・・なんか検察からヒント出されたんですか?」
H氏:「全然違う。 ヒントなんかであんな記事書けるわけない! アレは"あの通りリークされた" ものだ」
K氏:「Hさん。 今のハナシ、“オモテ”に出たら大変な騒ぎになるんじゃありませんか?」
H氏:「Kさん、仮に・・仮にですよ、あなたが今のハナシを誰かに漏らすとする。 その誰かが…そうだなネットかなんかで世間にばら撒いちゃうとする。でも、証明しようがないじゃない。 ウチの新聞社だって(全て検察リークで書いている、ということは)コピー取りのアシスタントに至るまで、こんなこと常識。 世の中、権力持ってるほうが強いんだよ!」
権力を監視し、国民に警告すべき大新聞社の幹部が「権力の侍女」(戦前マスコミに対して言われた言葉)になり切っている。
Kさんは本人が「ネットでばら撒かれても構わない」といっているのだからと、この会話をネットに流した。
無風注:この「検察リーク(検察が流した話)」はマスコミ各社が「そんなことは無い、われわれが汗水たらして足で稼いだ情報だ」と全否定していた。だからK氏が「マスコミが全て検察リークで(つまり検察に言われるままに)書いている、という話がオモテに出たら大変な騒ぎになるんじゃないですか?」となるのだ。
ここで余談的に私がいつも引き合いに出している戦後間もない頃に文部省が作成した教科書(戦前の権力者・マスコミに対する批判・反省がこもっている教科書)から、少し私なりにアレンジして書いてみる。
偽らない事実・国民が知らなければならない事柄を、テレビ・新聞等マスコミが広く国民に伝える。そして、そういう正確な事実や情報を基礎にして良識のある国民が、これはこうでなければならないと判断したことが本当の世論なのである。
しかし、その正確な事実や情報を国民に流すテレビ・新聞等マスコミが、自分たちだけの利益を図り社会の利益を省みない少数の人々(癒着腐敗した政官財)の手によって「酒・カネ・女」で買収されてしまうと、その人々の手によってマスコミは世論を正しく伝える代わりに、ありもしない世論をあるように作り上げたり、ある一つの立場にだけに有利なように世論を曲げて行ったりする非常に有力なツールになってしまう。
日本国民に大きな悲劇をもたらしたあの太平洋戦争でも、政府や軍部が権力と金とでマスコミ報道したために、初めは戦争をしたくないと思っていた人々も、だんだんと戦争をしなければならないという気持になり、戦争に協力するのが国民の務めだと信ずるにいたった。
実際には負け続けてばかりいたのに、まことしやかな『大本営発表』などというものにあざむかれて、勝ちいくさだと思いこんでしまった。
戦争がすんで、これほどまでにだまされていたのかと分かっても“あとの祭”であった。
マスコミ報道の力の恐ろしさは、日本国民が骨身にしみるほどに知ったはずである。
腐敗癒着した政官財・マスコミが民衆をあざむく方法には、次のような種類があると言い得るだろう。
①権力者・マスコミは、競争相手や邪魔な勢力を追い払うために、それを悪名をもってよび、民衆にそれに対する反感を起こさせようとする。相手を悪者と決め付け、あることないこと取りまぜて言えば、いっそう効果があるに相違ない。
(無風注:小沢一郎・鳩山由紀夫・民主党へのマスコミ報道が良い?例と言える。)
②逆に、自分の立場にりっぱな看板をかかげ、自分のいうことに美しい着物を着せるという手である。真理・自由・正義・民主主義などという言葉は、そういう看板には打ってつけである。
しかし、ひつじの皮を着たおおかみ(支配層・マスコミ)を仲間だと思いこんだひつじたち(国民)は、やすやすとおおかみ(支配層・マスコミ)のえじきになってしまうだろう。
(無風注:新自由主義・努力した人が報われる社会・強い日本を取り戻す・美しい国・世界最高の安全基準・アベノミクス・等々がこの例)
③自分たちのやろうとする計画を、かねてから国民の尊敬しているものと結びつけて、その計画を立派なものだと国民に信じさせるやり方である。
たとえば、日本人には昔から天皇をありがたいと思う気持がある。
戦争を計画した連中はそれを利用して、天皇の実際のお考えがどうであったかに拘わらず、自分たちの計画通りにことを運ぶのが「天皇のお心にかなうところ」だと報道した。
そうして、赤い紙の召集今状を「天皇のお召し」だと言って、国民をいやおうなしに戦場に送った。
④民衆の人気を集めるために、民衆の気に入るような映像を流し(記事を書き)、人々が感心するような映像をテレビ・新聞などに出すという手もある。
たとえば、普段は立派な官邸に住んで、贅沢なな生活をしている独裁者でも、労働者と同じように、スコップで土を掘っている映像を見せれば、人々はその独裁者を自分たちの味方だと思う。
(無風注:安倍総理大臣が第一次内閣の時、海岸のゴミ拾いをしている場面をテレビで映し出していたが、これはドラマの撮影現場と同じで、取り巻きがゴミを安倍首相の前に置いておき、そうしておいて待ち構えているテレビ・カメラを一斉に回させて、安倍首相が、そのゴミをつまみ上げる映像を撮る。テレビを見た民衆はそれを総理大臣自ら海岸の美化(美しい国作り)に貢献している、と感心する。こういった方法)
⑤真実と嘘を上手に織りまぜる方法がある。
いかなるマスコミ報道も、嘘だけでは遅かれ早かれ国民に感づかれてしまう。
そこで、本当のことを言って人をひきつけ、自分の話を信用させておいて、だんだんと嘘まで本当だと思わせることに成功する。
あるいは本当の事実でも、その一つの点だけを取り出して示すと、言い表し方次第では、まるで逆の印象を人々に与えることもできる。
(無風注:この5番目は前にも出しているので略。ただ、この例に、航海日誌を書く人が船長に悪意を持っていて、その日誌に「船長は今日は一日中お酒を飲まなかった。暴れまわることも無かった。」と書いた。
その船長は普段から大人しくお酒を一滴も飲まない人なので「今日は一日中酒を飲まなかった」のは事実で「暴れまわらなかった」のも事実なのだが、船長を知らない人がこの航海日誌を見たらどういった印象をこの船長に対して抱くか。と言ったことがこの教科書に載っていた。)
昔の日記を転載したので、字数が多くなってしまった。余談的にと書いたところで終わってしまう。
今日は、戦後3年経った時に、文部省が戦前の権力者・マスコミを検証・反省して書いた教科書の「戦前の為政者・軍部がマスコミを使って国民を騙した手口」が、今の日本の支配層・マスコミのやっていることと類似している事実を認識してもらいたいと思い、書きました。
長くなったので今日はここまで、またね。