無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

国民統制の手法…その1

2009年10月14日 | Weblog
前回の私の日記にコメントが付いていました。
大変ありがたいことなのですが、ズット以前に書いた通り、私はコメントでのやり取りはしないことにしています。
コメントされた方には申し訳ないのですが、自分が書きたいことが一杯あって、コメントされた方の意見を調べて(内容をよく調べないと返事が出来ないのと、それほど毎日広く全ての出来事を読み漁っている=知っている訳ではないので)、同じ土俵で討論出来るほど私は博識ではないからです。
私は数年前までは全く政治に無関心だった訳ですから…。当然、経済・金融の知識も有りません。

昔は「対話の時代」といわれ、極右までが「問答有用」と言うようになり、お互い納得する結論が出るまで討論するのを“よし”としました。
今の世の中、どちらかと言うと「問答無用」の世界になってきたように思います。ジコチュウの「自分さえ良ければ」「勝ちさえすれば」の世の中になってしまった。
対話による意見のやりとりで相手の立場に立った考えが出来るようにならなければ、世の中良くならないのですが、如何せん私は年を取り過ぎて頭が固くなり、そして頭の回転が鈍くなってきていますので「対話」に耐えられなくなっています。コメントに対応しないのはそういった事情からですので、ご容赦下さい。

ただ、今回のコメントには、私が常々書こうとしていた事が意見として載っていましたので、取り上げて、自分の意見だけを一方的に書かせていただきます。

≪コメントの内容≫

民主党はこども手当の財源のために新生児集中治療室整備費を削ろうとしていますが、本末転倒な話のような気がしてしまいます。
長妻氏は死者が次々に出ているなか、新型インフル対策費も削るようで、小さな子供がいるうちのような家庭は気が気ではありません。
これから生まれてくるお子さんの犠牲の可能性を無視してまで…そうまでして「子供手当」は別にいいんですが…と思ってしまいます。(そうまでして「子供手当」をほしいとは思いません)
また台風18号が一過した直後ですが、災害対策費も削られ、生活保護の母子加算にあてられます。
農家への補助金、農業者育成開発費などが削られるのに、一方では刑務所の増設、改築の費用は収容者の人権に配慮して補正予算から削らず残す、とあります。
民主党さんの優先順位は、私の様な一市民のそれとはかけ離れているようで、少し怖くなってきています。
私は、鳩山政権の後が何の政権になっても、次の政権にとってはこれ以上ない「焦土」だと思います。…コメント終り


私はこのような意見を聞くたびに「マスメディアの大犯罪」の恐ろしさを痛感して、悲しく暗い気持になります。

NHK始めマスメディアは民主党政権が打ち出す政策全てに反対意見(保守・右寄りの知事・特に橋下氏・森田氏・東国原氏の意見)を流し、 ≪民主党と国民の遊離≫を狙っている報道の嵐の中で、世論調査で鳩山内閣支持率が81%、そして政権交代して良かったと思う国民が80%という結果が出ている為、私は「もう国民はマスメディアの国民洗脳報道に引っかからなくなったのだ」と喜んでいたのに…。

マスメディアの情報操作・国民の世論誘導は「北朝鮮」「新型インフルエンザ」「地震・台風等の自然災害」等、報道のあらゆるところに見られます。

例えば「八ツ場ダム」の報道です。

報道は「最初は反対だった住民も“苦渋の選択”をしダム建設賛成で進んできたのに、政権が変わったからといって『ころころと』方針を変えたのでは、57年も『ダム』で翻弄されてきた住民はたまったものじゃない」といった国民の情緒に訴える報道の仕方をして「住民の7割が政府の『建設中止』に反対している」と報道。

ここで、皆さんが気付いてほしいのは「政権が変わったからといってコロコロと方針を変えられたら」という表現、これはどのテレビでも、皆さん聴かれた言葉だと思います。(例え権力者側=県・町の意見であれ、盛んに流された言葉です)
この『コロコロと』(安易に)という言葉がクセモノです。

八ツ場ダム建設の歴史は、前に書いた通り『故郷を、自分の田畑を湖底に埋めてなるものか』といった住民のダム建設反対の歴史でした。
報道では「住民が政府の生活保障・生活設計案に同調・納得して建設賛成に回ってそれに向けて動き出しているのに、それを今更…」との論調であるが、実際には、反対派の町長が誕生すると、国・県が様々な圧力を掛け、反対派の県知事を追放、町も国(自民党)の言うことを聞く町長を据えざるを得ず、泣く泣く“苦渋の選択”を余儀なくされたのである。

住民から、この権力構造の中で「中止賛成を言い出すと、何をされるか分からない」との話が出るのも頷ける。

朝日新聞も住民の民主党政権の政策に反対する意見を大々的に大見出しに使い、次の様に書いている。

■見出し「やむなくダム…いまさら」

■見出し「元に戻せるわけがない」

■見出し「『店も移転』生活に不安」

そして、7割の住民がそのままダム建設継続に賛成しているとして、次の様な住民の意見を載せている。

(M:テレビも新聞も数人の同じ住民の意見を掲げている。私は「住民は数人しかいないのか?」と思ってしまう。)

以下、朝日新聞記事引用(私などは『悪かったのは今までの一党独裁で絶対的な権力にまかせ、住民を蹂躙・翻弄してきた自民党政治ではないか』と首を傾げたくなる住民の意見)

■“東京の水不足解消のために”と言われて賛成に回ったんだよ。私達が造ってくれと言ったんじゃないんだよ。

■“下流は嵐が来れば全滅する”と言われて、やっと納得したのに。

■もともとは造ってほしくなかったが、止むを得ず賛成した。中止にするなら元に戻してほしいが、戻せるわけが無いのだから、このままダム建設の“約束”を守ってほしい。

■住民は国と“約束”した、政党と約束したわけではない。

上の二つでは、自民党政権が如何に住民を騙し住民を蹂躙し、翻弄してきたかが分かる。
住民は“東京の水不足解消”や“嵐の時に下流域住民を全滅から守る”という大儀のために自分を犠牲にして泣く泣く政府(自民党政権)の要求を呑んだのだ。
ところが、もう既に、他の11箇所のダムにより、東京の水余りが起こっていて、他の建設予定のダムが自民党政権時代に“もう必要ない”と建設中止になっているし、他方、もう一つの建設理由である“ダムを建設しなければ嵐のときに下流の住民が全滅する”という治水目的ダムの名目も、既に自民党政権時代に「八ツ場ダムによる下流域の治水効果は無い」との調査結果が出ているのだ。
長期独裁権力を行使して住民を騙し、犠牲にし、翻弄し、蹂躙してきたのは今までの政権政党ではないか!


下の二つの意見もおかしな意見だ。
住民と国の“約束”ではないか、というが、権力者の締め付け強行実行と住民の犠牲服従を“約束”とは言わない。

住民はしぶしぶ・泣く泣く、政府との個別補償交渉に応じたのだ。これは、今の中止反対者も認めている事実だ。

もう一つ、一番下の「住民は国と約束した、政党と約束したわけではない」もおかしな意見だ。

約束という言葉を使うのは誤った使い方だが、住民は国と言うより当時の自民党政権と契約したわけであり、政権が変われば民主党政権が契約を変更するのは“あり”なのだ。

逆に言えば、国(民主党政権)が契約を変更するといっているのである。交渉に応じるのが筋というものだ。
中止反対はその政府が示す生活保障や生活設計案を見てからすべきなのだ。

私などは57年も掛かって代替地等・各付替え工事が鉄道を除き5~10%程度の進行率で、ダム本体の建設工事未着工であれば(しかもダム建設の公共メリットも無いのであれば)、ダム建設を中止して故郷を残し、住民の生活保障・生活設計を国が考えていく方がお互いに(国民・住民ともに)良い事だと思うのだが。
それにしてもこの程度の進行率で既に予算4600億円の70%も使っていて、それを「7割も終わっているのに、7割も工事が進行してしまっているのに、今更中止はないだろう」といった報道振りには?マークが付く。

コメントされた方は、連日のテレビの“住民の方達がかわいそう”報道にも拘らず、ネットの一人一票投票で2万人以上の投票があったアンケート=民主党の八ツ場ダム建設中止に賛成か反対か、では88%の人が政府方針を支持しているのです。(中止反対は6%)
戦争肯定論者(従って民主党のやり方大反対)の大新聞の世論調査でも63%の国民が中止支持なのです。
全ての報道が中止反対映像一色なのに、何故、こんな結果が出ているのか、をネット検索して調べてください。

(余談)
選挙前、「政権交代支持ブログが『世論調査は信用出来ない』といっておいて民主党支持多数の世論調査が出るとその世論調査をとりあげ、喜んでいる。“信用出来ない”といっておきながら、おかしいではないか。」とのブログがあったが、これはマスメディア数社が結託して「民主党支持率」等、野党民主党に有利な世論調査の数字は10%~20%低く発表しよう、と話し合った、との情報が流れていたからであり、それで「世論調査は信用出来ない」とのコメントになったものである。
そういった民主党に不利に働く要因があるやも知れぬ“世論調査”で「民主党支持」が自民党のそれより上にいけば、素直に喜べる訳だ。…余談終わり

テレビ・ラジオ・新聞でしか情報が得られない国民は、この反国民的・国民洗脳報道の嵐に晒されていて、何故「わからない・どちらともいえない」を抜かすと中止賛成93:中止反対7%と大差が付くのか理解できないと思います。

テレビ・ラジオ・新聞の情報は国民洗脳を意図しています。インターネットで色々と検索して情報を集めてみてください。

(余談)
朝日新聞の八ツ場ダムの記事に下記の様なものがあった。とんでもないことだ。

「政府のダム建設中止方針に反発する住民の姿が報じられると『ごね得』『非国民』といった中傷メールが相次いだ」というもの。
日本国民もこんなにも精神が劣化・矮小化してしまったのか、と憤慨に堪えない。

■カネの亡者のような扱い。原因を作った国に、名誉回復をしてもらいたい。…住民の意見

原因を作ったのは自民党政権である。そして住民は当時の政府の悪政の被害者なのである。住民を批判するのは筋違いだし、“かわいそう”である。「非国民」などとの批判はもっての外であるし、日本国の危険な兆候ともいえる。…余談終わり


さて、朝日新聞に書いてあった、テレビの報道ではチョコッとしか出てこない住民の少数意見を載せておきたい。

賛成反対「どちらでもない」とした2割の住民の意見

■泣く泣くダム建設を受け入れた。一時はダム湖観光(M:ダム湖観光で成功しているところを私は見たことが無いが…)に期待した。でも中止で故郷がそのまま残るなら、それを歓迎したい気持もある。

だから「どちらでもない」とした。

ダム水没5地区では“ダムの早期完成を求める署名”活動が進む。
それに署名した男性もアンケートでは「どちらでもない」を選んだ。

「狭い地域だから協力(署名)しないわけにいかない。村八分は恐いよ」

こんな中で住民のダム建設賛成7割の数字をそのまま信じられますか。(暫定税率の時の地方知事の「廃止反対」署名と同じ)

他に「ダムは生態系を壊す」と中止に賛成する住民や「昔の経緯を何も知らない世代にとってダムは必要ない」という男性もいる。…朝日新聞記事終わり

ちょっと八ツ場ダムの例をと思ったら、こんなに長くなってしまった。
コメントの人の参考になる事を書きたかったのだが…。

テレビでAを報道している時に「何でAの報道ばかりするのだろう?なんでBの報道をしないのだろう?」という視点でテレビをみてほしいと思って、わざわざコメントを載せさせてもらって書き始めたのに、である。

これから数回はコメントされた方に対し、少しでも参考になればいいが、という気持で書いていく。

八ツ場ダムだけでは消化不良なのでもう一つだけ書いておく。

NHKや民放が毎日のように取り上げ、白いモヤっとした四角っぽい丸の形の数個の映像が私の脳裏にこびりついてしまった「新型ウィルス」であるが「猛威を振るっている」「死者が出た」と大騒ぎして、一時マスクにプレミアが付き、倍の値段で売れているといったパニック状態となったが、少し冷静に考えてほしい。

日本では、10月9日付け産経新聞の記事で「この1週間で新型インフルエンザに約33万人が感染したと見られる」とあり、それに対し、騒ぎ出して今までの数ヶ月間に亡くなられた方は22人である。
この一週間の感染者数で割り返しても致死率は0.007%と極めて低い。(今までの感染者数で割ったらモット低くなる)

私が生まれてから世界的に大流行した新型インフルエンザに「アジア風邪」(1957年・世界で200万人が死亡・致死率0.5%)と「香港風邪」(1968年・世界で100万人が死亡・致死率0.5%)の時も、今ほどは大騒ぎをしていない。

ちなみに、季節性インフルエンザにかかって亡くなる人は、今回の新型インフルエンザ死者数と同様、慢性疾患者や重症患者を統計に入れると(今回の新型インフルエンザ死者数と同じ統計の取り方をすると)、2005年=年間15,100人、2006年=年間6,849人と、季節性インフルエンザで毎年亡くなられる人数から見ても非常に少ない致死率といえる。…2009年4月30日毎日新聞の資料より

今回の新型インフルエンザ致死率は、季節性インフルエンザの致死率0.05%より極端に少ないのである。

私は何も「心配する必要は無い」と言っているわけではない。今後死者数が激増するかもしれない。
ただ、国民に出来る対策は「うがい」「手洗い」等、たかが知れている。(マスクは対策にならない)
それなのに、テレビや新聞が必要以上に「企業の対策は」「企業の責任は」と大騒ぎするのには“意図”が隠されている、という事に国民は気が付くべきなのだ。

(「津久井進の弁護士ノート」より引用)
今回の新型インフルエンザの政府対応・報道を通じて,よく分かったことがある。

(1)私たち日本人というのは,ちょっとした政府(と過度の報道)の号令に従って「右へならえ!」と集団的に行動することができる、ということ。

(2)オカミ(自民党政権)というのは,一人ひとりの国民や市民のために物事を決めるのではなく,全体の秩序や治安を最優先で物事を決めるのだ、ということ。
だから,感染者の増大と,対処の徹底が,比例しない。

(3)報道というのはとても日和見的だ、ということ。(M:私は“傍観者的”“興味本位報道”も付け加えたい)

ここから次のことが分かる。

   ○オカミ(政府)が国家総動員体制を言い渡し,

   ◎報道が大きく喧伝すれば,

   ●日本人はその『国是』に従う

というわけで、今回の新型インフルエンザ報道で「大がかりな臨戦シミュレーション」が検証できたことになる。

とても恐いことだ。…津久井弁護士のブログ引用終り

なかなか、私の言いたいことが言えないが、コメントされた方への対応はしばらく続けていきます。

今日はここまで、またね。

追:それにしても、毎日毎日の報道で民主党支持率・鳩山政権支持率がどんどん減っていっているのが、気になるこの頃です。