老歌手

2018年01月21日 | 健康・病気

「夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」(ハヤカワepi文庫 土屋政雄訳)のはじめにある小説です。

私は、サンマルコ広場の3つのカフェバンドを、「ジプシー」として渡り歩くギタリスト。
ベネチアがちょうど春に変わろうとしているある朝、
観光客に混じってすわっているトニー・ガードナーを見た。
その時間のプログラムが終わり、私はガードナーのテーブルに向かい、
自己紹介をし、崇拝者であること、たったいまバンドの一員として演奏していたこと、
母が熱烈なファンだったこと・・・一気にまくしたてた。
ガードナーは患者の訴えを聞く主治医のような重々しい表情で聞いていた。
そのときファッション雑誌を飾るモデルの一人と見まがうほどのガードナー夫人が来た。
夫人がそこを去ってから、ガードナーがひとつの企みを私に話した。
その夜、パラッツォの寝室の窓の下までゴンドラで行って、夫人にセレナーデを聞かせてやりたい、という。
夫人は十九歳のときにカリフォルニアまでヒッチハイクをした。
ハリウッドに行きたかったが、ロサンゼルス郊外の道路沿いにある食堂で、
ウェイトレスをするはめになった。
しかしその場所こそ野心満々の若い娘たちが朝から晩までひっきりなしに詰めかける場所だった。
そこで働きながら彼女はスターと結婚するための勉強をした。
そして6年後にディーノ・ハートマンという歌手と結婚し、
彼が輝きを失ったときにガードナーと出会った。
彼女はディーノと離婚して、ガードナーと結婚した。
夫人は念願の夢を手に入れた。
それからもガードナーは、夫人とのいろいろなエピソードを話した。
私が「ひょっとして、奥様との間があまりうまくいってないのでしょうか?」と訊く。
ゴンドラがパラッツォの前に着いて、私のギターを伴奏にしてガードナーが歌った。
「恋はフェニックス」「惚れっぽい私」「ワン・フォー・マイ・ベイビー」
3曲を歌い終わったガードナーには喜ぶようすがなかった。

やはり最後まで書けません。
できればあなたにこの小説を読んで欲しい。
私のような素人があらすじを最後まで書いては、つまらない印象しか与えないでしょう。
この小説を読んで私は、やはり男と女はむずかしいなと思った。
むずかしくてもつきあって行くしかありませんね。
この「夜想曲集」にはあと4つの小説があるので、読むのが楽しみです。
「降っても晴れても」
「モールバンヒルズ」
「夜想曲」
「チェリスト」


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