カブトムシ

2002年07月23日 | テレビ

義兄の十三回忌の行われた土曜日は暑かった。
梅雨が明けたと気象庁の発表があった。

私が家を出たのが6時50分ぐらいだった。
もっと早くでようと考えていたが、
お腹の調子が悪くて、トイレが長くなってしまった。
長く車に乗ると思うと慎重になってしまう。
喪服を着ていくのがイヤだった。
このクソ暑いのにダブルの黒い服だ。
久しぶりに世の中に出されたので、
喪服のほうでも迷惑がっていた。

車を走らせると土曜日のせいか快調だった。
渋滞はなかった。
こりゃ問題なく法事をやるお寺に着けるかな、
と気楽にハンドルを握っていた。
ところが、下館に出て国道50号に入ったら、
車がまったく動かなくなった。
なんでだろう?と考えていて、思い当たった。
今日から夏休み、この天気、そうだ、
この車の列は、大洗などの海水浴場に向かう車だ。

諦めた、法事の始まる10時に着くことを。
30分ほどじりじり車の中でしていたら、
目の前の車が走り出した。
これが分からない。
なんでそれまでぜんぜん動かないのに、
あるところまで行くと車が走り出すのか。

法事には間に合った。
終わって実家の近くにあるお墓に行った。
山の中にある墓で帰りに林の中を見たら、
篠竹にカブトムシがしがみついていた。
そこまで行くのが大変だったが、
義兄の長女の子どもにあげたくて行った。
林の斜面で滑って喪服のズボンが汚れた。
必死だった。
こんな思いでカブトムシを捕ったのは何年ぶりだろう。
デジカメを向けたが、焦点がカブトムシになってない。
ぼやけた写真になってしまった。

義兄はいい人だった。
バッグを作る職人で、ゴルフバッグを作っていた。
家でミシンに向かう仕事だったので、
健康診断なんてしたことなかった。
胃癌が見つかって3ヶ月で死んでしまった。
娘3人が残った。
姉が1人で育てた。
墓参りのあと町に出てみんなで食事をした。

暑い土曜日だった。

コメント
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