唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

母べえ

2008年08月19日 | 男はつらいよ・山田洋次
母べえ 豪華版 〔3枚組 初回限定生産〕

松竹

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映画の本編も感動ですが・・・
このDVDセットに入っている特典ディスク1の方をみました。

ひとつは、撮影の様子をインタビューも交えて見せてくれるのですが・・・その撮影のシーンでもなんとなくジーンときちゃって・・・
あと、山田組の人たちの映画づくりの情熱というか、こだわりもよくわかります。山田洋次さんのイメージとか、思いとかを映像にどう表現するか、山田さん一人ではできない作業ですね。

照明の担当の人が、自然な光といっても、ドキュメントではないので、いい意味でウソの演出で自然さを出す・・・みたいなことを言ってました。
山田洋次さんの映画というのは、リアルさ、自然さがいいところですけど、それはドキュメントではなくて、やっぱりつくり込んでで洗練させた自然さであり、リアルさだと思います。

一つ一つのセリフも、聞こえにくいセリフがなくて、きちんと耳がとらえるセリフになっている気がします。本当の意味でリアルさを出すのであれば、・・・実際の生活の中でもそうですが、聞きとれなかったり、余計な言葉が出るわけですが、だからといってそのままやっちゃったらただのドキュメント映画です。

時代も違うし、時代も違うし、役者が演技してるウソの家族だし、映画のウソをみる側にいかにしてウソに見えないで本当に見せるかですからね。
そういう点での映画作りの努力ってすごいと思います。

CGにしたって、いいCGだねっていわれるよりCGであることに気付かない方がうれしいって言ってましたしね。

もう一つは父べえの詞の話です。最後のシーンでいつも大泣きしちゃいますが、あれは野上照代さんのお父さんの本当の詞を山田さんが抜き出してまとめたそうです。
そういうこともあって、深い感動になるんですね。



ディスク2は、NHKのドキュメントと、記者会見や試写会、製作発表会での出演者の話です。

ドキュメントは前に友達に見せてもらったことがあります。

出演者の話はおもしろいです。建前の部分もありますけど、それだけでなく、質問も、あなたはどう思いますか?みたいな質問もあって、結構その人の考え方が出てきます。

壇れいさんの「強い人とは?」という質問の答えは、この人、しっかりしてる人だなあ・・・って思えるし、「祈りのような」というのを連発してましたが、壇さんの映画のイメージがこの一言にこめられています。それで、その言葉を選んだ壇さんに意志を感じます。

浅野さんも、「成長できた」と自分でいえるところが良いです。

ベルリンでの話は、山田洋次さんの気持ちが結構ストレートにあらわれている気がします。多分、質問もストレートだからなんでしょう。同時に、それを横で聞いている吉永さんの真剣なまなざしも素敵です。

山田洋次さんが戦闘シーンを撮らない理由もここではっきりと話してます。戦争映画はもっと描かれなければいけないとも言ってます。

野上さんが、「ドイツ文学者の父が映画というかたちでドイツに来ることができて喜んでいると思います」と言いながらグッとなるところも良かったです。