唐茄子はカボチャ

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ロードオブウォー

2006年10月26日 | 好きな映画・良かった映画
ロード・オブ・ウォー

日活

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世界のどこかで戦争がおきている。その理由は、国同士の思惑であったりするんでしょうけれど、武器商人の存在もその原因といえるかも知れません。この人たちも戦争を仕掛ける人たちと同じように人が死ぬ現場から一番離れなくてはやっていけないのだと思います。たとえその現場に近いところにいても、それを目の前で起こっていることと思ってはいけないんだと思います。
死んでいく人たちを想像してしまったら、理性が耐えられなくなるのでしょう。そういう点で弟さんは人間だったわけです。
そういう人間性と切り離すことができる人こそこの世界で生き残れる人なんだと思います。商才もそうかもしれませんが、切り離すことも才能なのかもしれません。

物語の最初のほうは、ちょっと淡々と軽いタッチで面白おかしく成り上がっていくさまをみせておいて、後半で歯車が狂い始めた時に、その淡々としたものがとてつもなく重いもののように感じました。でも、人としての・・・人生の歯車が狂っても、武器を売り続けるという歯車はもう、自分では止めようがなくなってしまっているというところがすごいです。そして、人生が壊れても、歯車は回り続ける・・・

武器を必要としている人がいる以上、それを売る人が必ず必要なんですねえ。

そして、最後の字幕。個人経営も繁盛しているが、最大の武器輸出国は、アメリカ、イギリス、ロシア、フランス、中国で、その5カ国は安保理の常任理事国である・・・との文字になんともいえない重いものを感じました。ああ・・・また暗くなってしまった・・・

オープニングの製造工程から人一人を殺すまでを追いかけた映像は面白かったです。

市民ケーンに似てる気がしました。