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唐茄子はカボチャ

映画と音楽と・・・

第32作 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎

2009年01月11日 | 男はつらいよ・山田洋次
第32作 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 HDリマスター版 [DVD]

松竹

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いい話ですねえ・・・・

最後のシーン、寅さんの「安心したろ」というせりふにうつむきかげんに首を横にふります。ぐっと来ますね。

「柴又まで送って」というところとか、本当になんというか、女性のほうに情熱を感じると、どうもぐっと来てしまいまして・・・

だから、この前見たあじさい・・・とこの口笛・・・は好きなんですよね。

寅さんがその気になればうまくいったという点でもあじさいと同じパターンかもしれません。


男はつらいよ 旅と女と寅次郎

2009年01月08日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 旅と女と寅次郎

松竹

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演歌は日本の風景に似合いますね。バックの演奏がなくて、歌だけで聞くとその力に圧倒されちゃいます。

2007-12-23

京はるみさんが階段から降りて行ったあと、ひとりで黙って座っている寅さん…湯のみが転がっていたような気がしたのは錯覚でしょうか…振り返って確認することはできないけれど… 

男はつらいよ 翔んでる寅次郎

2009年01月05日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 翔んでる寅次郎

松竹

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第23作 1979年

桃井かおりさんと布施あきらさんが、最初は親同士で決めた結婚かなんかで桃井さんが結婚式の途中で逃げ出してしまうわけですけど、その後、お互いが知り合う中でもう一度、今度は自分たちの意志で結婚を決意するというお話です。

どうも、寅さんが好きになるようなタイプの女の人じゃないような気がして・・・というか、自分が好きになれなかったというのもあるかな?桃井さんが嫌いとかじゃないんだけど・・・武士の一分とか、いい味出してますもんね。布施さんが思っていたよりもさわやかで・・・でも、歌うたったらうますぎてちょっとひいたけどね。

桃井さん・・・というか、ひとみさんとお母さんの会話で、「ママは幸せ?」「幸せよ」「じゃあ、あなたが思ってる幸せとちがう幸せがほしいの」っていうのありましたけど、あのときのママのちょっと悲しそうな・・それでちょっとおこったような感じが良かったです。

そして、結婚を祝う会のときのママの涙。「家」を守るために自分の心を殺してきたところとかあるんでしょう。そういう、自分が縛られた物から抜け出して本当の幸せをつかもうとしている娘をとても頼もしく思ったでしょう。

友達とメールのやり取りしてて思ったんですけ寅さんがマドンナに恋をするだけじゃなくて、結局、みる人たちもマドンナに恋をするんでしょうね。だから面白いんでしょうね。

2008-01-31

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今年初の寅さんはこれです。
残念ながら、最後はお正月ではありませんでした。
でも、スイカがやけにおいしそうです。

男はつらいよ 寅次郎かもめ歌

2008年12月10日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 寅次郎かもめ歌

松竹

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1980年 26作

この作品も2度目の方が印象が良かったです。
試験の日、不安から「行きたくない」という女の子に後ろ指刺されるような人間になりたいのか?と説得する寅さんです。もっと気のきいたセリフがいえないのかと思ってしまうところですが、逆に、そうでないところがいいともいえます。
寅さんに理屈をこねるようなセリフを言わせるよりも、自分の感覚、経験から出たような思い付きのような言葉のが実は説得力があるんじゃないかと思うわけです。
理屈で説得させる必要はないんです。だって、本人は本当に学校にいきたいし、彼女の初心に訴えかけるだけでいいんですね。だから、シンプルで理屈っぽくないセリフが結果的に気のきいたセリフになっているんじゃないですかね。

朝帰りした彼女を寅さんが起こるシーンがかなり泣けます。
「怒らないで」と泣いて抱きついてくる彼女に「怒ってねえ。大丈夫だ」という寅さんはかっこいい。「幸せにならなかったら承知しない」というセリフがずしんと来ます。
セブンイレブンが紙袋でやってるのも時代なんですかねえ・・・コンビ二でなくて、小さなスーパーのようでした。7時から11時までだったんでしょうね。


2008-02-03
今までの「恋」とは一味違います。子どもを幸せにしてあげたいという親の愛情とでも言いましょうか・・・学校の編入試験に行くときに一緒に緊張しているところとか、その一生懸命さがほほえましいです。

そしてスミレちゃんが朝帰りしちゃって心配して・・・

寅さんがまた旅に出てしまうところでスミレちゃんが「怒らないで」と言って寅さんにすがるところ。寅さんは肩を軽く抱いて「怒っちゃいねえよ」「絶対幸せになるんだぞ。幸せにならなきゃ俺は承知しねえぞ!」というせりふが泣けます。スミレちゃんが結婚することで、自分から離れていくのがつらいんだけど、でも、寅さんだっていつかその日がくることをわかっているわけです。そして、寅さん自信も、それを望んでいるわけですから、本当は、やさしく接してあげたいんだろうけど・・・でも、そこはちょっとした嫉妬もありますよね。心配をよそに何の連絡もしないでそんな大事なことを黙っていたんだから。そこの複雑な気持ちなんだろうなあ・・・最初から「こういう人がいて結婚しようと思ってるの・・・」と相談されていたなら「がんばれよ」となるんでしょうけどね。

そこが親のつらいところで、子どもは勝手に大きくなって勝手に離れていってしまうんでしょうから。いくら手塩にかけて育てたって、そんなものなんでしょう。まあ、その辺はよくわかりませんが・・・

あと、「学校」ってこういうものなんだろうなあと・・・思いました。
学ぶ喜びを感じられると言うか・・・学びたいという欲求に正面から答えてあげなければならないところとでもいいましょうか・・・
どんな人でも、その気持ちがあれば、誰でもうけられるのが学校の教育じゃなくちゃいけないのでしょうね。

男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく

2008年12月01日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく

松竹

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1978年 21作

自分の行きたい道を結婚によって断念してしまう・・・
寅さんは自分だったら踊りを続けさせるのに・・・と思うのですが・・・

本当に結婚が原因で踊りをやめるしかないということなら、それは男のエゴというものではないかと思うのです。

1978年の作品です。結婚して専業主婦なんていうのが普通に女の幸せ像だったのでしょうか。

下町の太陽では団地に住んで専業主婦みたいのがうらやましがられていて、その中で、倍賞千恵子さんが、それが本当の幸せなの?と思うところがありましたが、そんな疑問を投げかけつつ・・・・

でも、ななこさんはダンスを捨てました。

部隊の袖で私やめたくないといったのが本音でしょう。その彼女の思いをうけとめてあげられない男って・・・何なんでしょうか。

でも、それはあくまで、結婚が障害になっているのであればの話です。

ななこさんも何度か言ってました。体力の限界です。
年をとるともう若い時のようには動けなくなります。そして、自分がやりたくても、出来なくなってしまう・・・まだお客さんがついてくれていればいいけど、気がついたら、舞台にすら上がれないなんてこともあるかもしれません。

それと、いわゆる「普通の生活」こそが人間の幸せなんじゃないのかということ。妹の赤ちゃんのあやし道具をまじまじ見つめます。さくらをうらやましいといいます。

わが道を行く・・・奈々子さんはわが道を選びました。どっちが後悔する道なのかはわかりませんが・・・

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奈々さんは最初は自分の生きてきた道を捨ててまで結婚することはできないと思っていました。

しかし、年をとって若い人には色々とかなわないことも出てきます。体力的にもきついわけです。夢中で踊ってきたけれど、ふと気がつくと同じくらいの年の娘はみんな結婚して子どももいます。家に帰って一人というのも寂しい。夢中でやってきたけれど、自分の人生はこれでよかったのか・・・という思いもよぎるわけですね。

まだやめたくない!そして自分の生きてきた道はこれでよかったと歌うわけです。どんな気持ちだったでしょう。

まあ、それも自分の選んだ道です。幸せになることを祈らずに入られません。でも、寅さんの言うように、踊れなくなって後悔しないかなあ・・・というのもありますが・・・
寅さんは、踊って輝いている奈々さんにほれました。だから、奈々さんに踊りがあることが前提みたいなもので、踊り続けて輝く続けてほしい・・・それを見守っていたいと言う思いなんでしょうね。

だからふられたからとかよりも、踊りを捨てたことがショックだったのかもしれません。それで彼女を攻めることもできないし・・・結婚する相手を攻めることもできないし・・・

寅さんはかなしいねえ・・・

2008-02-05

男はつらいよ 寅次郎子守唄

2008年11月18日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 寅次郎子守唄

松竹

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1974年 第14作

寅さんとはなさんの恋物語というよりは、完全にあのひげ青年の物語ですね。寅さんはなぜあの青年に告白しろと言ったのでしょうか・・・やっぱりあの青年が本気で好きなんだなあ・・・と思ったからなんだろうけど・・・その結果寅さんは3枚目になってしまうわけですが・・・寅さんの心のうちがわかりません。好きなんだけど、あの青年のが真剣に考えていて、寅さんの好きは、憧れみたいなもので、本当の好きじゃなかったのかもしれませんね。だから譲った・・・譲ったのか?本当はふられると思っていた感じもありますし・・・

寅さんは男には強気でも、女にはすごく弱気なんですね。
結局、これまで見てきた中で、自分の気持ちを正面から言ったことなんて無かったんじゃないのかなあ・・・さくらには素直にいえるのに・・・

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なんかあれですね。最初から最後まであの看護婦さんと寅さんって直接はつながってないですね。2人きりで話したシーンも記憶にない。多分なかったんじゃないかな?

労働者が、若々しいです。はつらつとしているというか・・・青春を謳歌している感じがします。今の若者はどこか疲れている。時代が違うんでしょう。今は、肉体的にも精神的にも疲れ果てていて、支えあう仲間もいないって感じですもんね。なにより、労働者になることも大変です。(2008-01-23)


男はつらいよ 私の寅さん

2008年11月17日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 私の寅さん

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いやあ・・・寅さんは見るたびに印象がかわっていきます。
多分、一通り見て、寅さんと言う人物をよく知ったからなのかもしれませんが・・・

テレビ版の縁側のシーンの、どこかで見たことあると思っていましたが、ここで使ったんですね。
寅さんと、キリギリスさんが言葉もなく何となく外を眺めているシーンは名シーンです。
寅さんの気持ちを知ったお見舞いのシーンで、キリギリスさんがうつむいていましたが、あそこのシーンもなんか美しいです。
キリギリスさんは、寅さんの気持ちはうれしいと言ってました。あの場面でうつむきながら何を考えていたのでしょうか・・・

男はつらいよという題名でありながら、実は、女はつらいよというテーマもあるんですね。寅さんと同じようにいろんなかたちで女性の皆さんもつらい思いをしています。

前に見たときはチャップリンが云々書きましたが、今回は何も感じませんでした。というか、寅さんの動きよりも、キリギリスさん方の思想に一生懸命絵を描いている姿のほうを見てましたから。寅さんがそばにいるというのがすごき心を楽しませてくれているんだろうとも思うし、そんなうきうきした気持ちで書いた作品はどんな絵になるのだろうと・・・おもいながら、何となくほほえましかったです。

岸恵子さんって、きれいですねえ・・・細い感じが何となくいいなあ・・・

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1973年 第12作

寅さんの前に・・・
たまたま昨日、豊臣秀吉の朝鮮出兵・・・侵略戦争を日本の記念館などがどのように描いているか・・・という話しを聞いたばかりだったので、とらやの人たちが熊本に行って加藤清正のアナウンスが流れた時になんて偶然!と思ったわけです。
熊本では英雄的な存在で、内政などでも、成果を残しているようですが、朝鮮への侵略の尖兵として、残虐の限りを尽くしたとして、朝鮮では評判が悪いのがこの人だということでした。評判がいいとかでなくて、憎まれているというのが正しいのかな?
それで、むかしから、「ぼした祭り」というのがあって、「ぼしたぼした」と掛け声をかける祭りで、それは朝鮮を滅ぼした・・からとった祭りだそうです。今はその名前も掛け声もなくなったようですが・・・

・・・というわけで、お話以外でも楽しめました。

それで、本題に入ります。
このころの寅さんは運気は上昇しているのか、ストレートにふられることがなくて、どこか含みを残すというか、もう一歩!あと一センチ!みたいのが多いですね。

今回も、ずっと友達でいたかったのに・・・こまるのよ・・・という言葉は、直接寅さんを恋愛の対象と見ていなかったという宣言ではあっても、そのバランスがどっちに崩れたかはハッキリとはさせていません。いや、ハッキリとさせていないというよりは、それが崩れて、一人の男として見るようになったのよ・・・という宣言でもあるわけだから、脈ありだったのに・・・寅さんは旅に出ました。「寅さん・・・ばかね・・・」ということなんですけどね。

土手で絵を描いているところを覗き込んでいる寅さんはチャップリンを意識していることがよくわかります。

(2008-01-21)


男はつらいよ 純情篇

2008年11月16日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 純情篇

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前みたときは評価が低かったんですねえ・・・・
今回は面白かったですよ。
なんか、寅さんと自分を重ねたから前見たときはあんなこといわれたら・・・というのもあったと思うのですが、今回は、寅さんのことを冷静に見られた分、まわりがよく見えました。

夕子さんは、寅さんって面白い人ねという感覚だったんですが、恋煩いが治ったときの寅さんの姿をみて、「はっ」としたんですね。(その表情がいい!)自分が寅さんを考えているようには寅さんは考えていてくれていない。そこで、どうしようと一生懸命考えたのが、あの川原でのやり取りなんですね。

毎回恋がテーマなのはあたりまえですが、前回(自分が見たと言う意味です)のリンドウの話の人間の根源は家族ではないかと言うテーマと同じように、今回も、最後に寅さんが言った、「故郷ってやつは!故郷ってやつは!」っていうのが、テーマですね。

故郷を出た人間にとって、いつでも帰れる・・・甘えられる場所があるということが、必死でその場所でくらいついて生きていくことを弱めてしまうのかもしれません。でも、さくらさんの「いつでも帰ってきてね」という言葉を聞いて思ったのですが、一人で生きていかなければならない寅にとって、故郷があると言うことは、一人ぼっちじゃない。と思わせてくれる、心の支えになるのではないかとも思ったわけです。

寅さんは、故郷ってやつはなんだといいたかったのでしょうか。
気になるところです。

若尾文子さんって、きれいですね。なんかで見たことが・・・と思ったら、氷点の夏枝役をした人でした。つんとした上品な感じがにあう人です。この夕子さんはそういう意味ではつかみズライと言うか、上品だからいいとこの奥さんかと思いきや、売れない作家の嫁だと言うし・・・少し影がありそうに見せておいて、そんな深いところの影でもなさそうと言うか・・・・夕子さんをどういう人にしようかはもしかしたら迷ったのかもしれませんね。影がありすぎると、男はつらいよには合わない感じになっちゃうしね。

でも、若尾文子さんは、絶対裏がある、影がある役のが似合ってる気がします。
若尾さんの他の作品もみてみていです。

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なんかいやだねえ・・・

それとなくあきらめてもらおうと言った女の言葉がなんか嫌だねえ・・・

でも、寅さんの行動を見れば、女が嫌がるのもなんとなくわかるなあ・・・

寅さんが好きになるのもわからない・・・

あまり面白くなかったです。

(2008/1/12)

男はつらいよ 寅次郎恋歌

2008年11月15日 | 男はつらいよ・山田洋次
男はつらいよ 寅次郎恋歌

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リンドウの話がひとつのテーマです。人間にとって、家族の平凡な暮らしが実は根源的で、それこそが一番の幸せなんじゃないだろうか・・・ということなんですけど・・・

博さんのお母さんの葬式のときの家族のやり取りはやっぱり涙が出てしまいますが、博さんの言うように、若いころの夢を実現できなかったお母さんは「不幸」なのかということなんですが・・・映画全体の流れでみていけば、そのお母さんの言った最後の言葉は、本心だったに違いないと。おもうのですが、どうなのでしょうか。

子どもへ愛をそそいだ日々、家族で暮らした日々を思い返したときに出た言葉なんじゃないでしょうか。

一箇所にしばりつけられている人にはうらやましい旅の生活ですが、旅をしている人がそういう人たちをみたときに、それこそが人間の営みだと寂しくなる。人間は一人では生きて行けないという話がありました。人間は社会をつくって生きていくことが根源的なわけで、旅をしている社会から離れたところにいる人は、自由と言えば、聞こえは良いけれど・・・ただ単なるはみだし者でしかないのかもしれません。社会の構成員になれない寂しさ・・・自分を否定されたようなものかもしれません。

だから、その寂しさをわかってもらいたかったときに、「うらやましい」と言われてしまった寅さんですが・・・社会の構成員になろうかな・・・と思って迷っていた自分に後押ししてもらおうとしていたんだろうに、それを許してもらえなかったと言うか・・・

寅さんは旅の人。自分たちとは違いますよ。という・・・結果的にはそういう宣言になっていたのではないでしょうか。

さくらの「うらやましい」というのは、それとは違います。
入れ替わって、いつも自分が心配しているように、おにいちゃんに自分を心配させたい。これは、リンドウの咲く田舎の家で一緒にきょうだいでご飯を食べている。寅をその一員に入れた発言ですから、心がこもっています。そのように愛されている寅もまた幸せなんですねえ・・・

それに比べて・・・おれなんか・・・・へへへ


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1971年 第8作

寅さんのめちゃくちゃぶりが抑えられて、しんみりさせてくれます。

お母さんの葬儀のときの博さんの家族の会話。
お父さんの女中みたいな人生が幸せだったのか。お兄さんは、死ぬ間際に「思い残すことはない」と言って死んだことに救いを求めようとしますが、博さんは、「死ぬ間際まで嘘をついたんだな・・・」とつぶやきます。兄弟たちは、「何を根拠に嘘だと言うのか!?」と言った時の博さんの返しが痛烈です。「もし仮に嘘でなかったら、そんな人生を本当に幸せだと思って死んだとしたなら、そのほうがもっとかわいそうだ」と言うんです。深い話しです。
お父さんの心にもぐさりと突き刺さったことでしょう。

博のお父さんの夕暮れ、農家のあぜ道を歩き・・・庭一面にリンドウ・・・家の中をのぞくと明かりの下で親子が食事を囲んでいる風景・・・そこに人間の本質がある・・・みたいな話しがテーマになっています。

そして、寅さんは、それを実現してくれる格好のターゲットを見つけるわけです。寅さんはりんどうを買ってその人に渡します。寅さんにとっては、母親と子ども、りんどうがそろって、あとは自分がもうひとつ足りない空間に収まれば・・・と思ったのかもしれません。いや、でも、自分がどうとかよりも、彼女にそういう幸せな人生を送ってほしいという願望がりんどうに込められていたような気がします。そこに自分がいなくてもいいから・・と言った感じで・・・

彼女の力になれることはないか・・・ない。
そして、自分のたびのことを「うらやましい」と言う彼女になんとも悲しい顔をするんです。自分をわかってくれないと思ったわけではないでしょうけど・・・

あ、そこで思ったんですけど、死んだ博のお母さんは幸せじゃなかったわけではなくて、その生活自体に幸せを見出していたのではないか。確かに船にのって外国にも行けなかったし、都会の暮らしもできなかったけれど、それで自分がしたかったことができなかったからって不幸と言うのは単純なことで、その、だんなとの関係や子どもとの関係の中で、彼女なりの幸せを見つけたのかもしれません。それが死ぬ間際の「思い残すことはない」という言葉になったのかもしれません。

そうか・・・深い話しです。

おいちゃんやおばちゃん、ひろしやさくらやこの女の人、たこ社長、ごぜんさまは幸せかどうか。最初の旅芸人、寅さんは幸せかどうか。
どっちの生き方が幸せでどっちが不幸なんてものはないのかもしれません。周りから見てどうという評価もあるかもしれませんが、そんな基準は本当はなくて、自分がどう一生懸命生きたかだし、自分が幸せだったかどうかは自分自身の基準の判断でしかないわけですね。

そこで思い出したのは子どもに「寅さんのようになっちゃうよ」という親のせりふ。ちゃんとこういうふくせんがはってあったんですね。

寅さんとさくらの最後の会話が泣けますね。
お兄ちゃんと入れ替わって旅にでて、「さくらは今頃どうしてるかな」と心配させたい。というんです。すばらしい。お兄ちゃんをいつも心配しているさくらさんのせりふですからね。泣けますね。

2008/1/17

霧の旗

2008年10月31日 | 男はつらいよ・山田洋次
霧の旗

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容赦ない女です。

この女の人にとっては、真犯人が誰かは、兄が死んだ時点で意味のないものになっていました。ただ、無実の罪で獄中で死んだ兄がいて、弁護士さんがその気になれば助けられたかもしれない・・・有罪になったとしても、その努力をするだけでも良かったんだと思います。
それをしなかった・・・お金が払えないと言う理由で弁護を引き受けなかった・・・ということで、復讐の矛先がそこに集中してしまっただけです。だって、実際に犯人扱いしたのは弁護士さんじゃありませんからね。
この人にだけ復讐をしようというのもちょっとかわいそう・・・でも、きょうだいを殺された当事者としては、そうなっちゃうのも・・・仕方が無いのかなあ・・・

でも、悲しいのは、兄の死とともに、彼女の人生も死んでしまったのでしょうか・・・復讐のためにうそをついて、憎しみの相手に身体を預けて・・・そこまでして復讐は果たされましたが、それによって、彼女は何を得たのでしょうか・・・

倍賞千恵子さん。さくらさんのイメージが強いですけど、観てる間はさくらさんのことはぜんぜん思い浮かびませんでした。完璧です。


テレビドラマ版「男はつらいよ

2008年09月15日 | 男はつらいよ・山田洋次
テレビドラマ版「男はつらいよ」

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テレビ版の男はつらいよを観ました。
第1話と最終話が収録されていて、その間を写真と解説で補ってくれているので、つながりを持ちながら最終話もみることができました。

先生のうなぎの話なんかは映画でもやっていたので、なんとなくイメージもつかめたし。

最終回の縁側での冬子さんとの会話が切なくて・・・泣けました。冬子さんが寅さんをじっと見るんですよ。そして一言・・・「ごめんなさい・・・」。寅さんの柔らかい口調がすごく哀愁を漂わせて、いいシーンです。

寅さんがハブにかまれて死ぬシーンは、源ちゃん・・・ゆうじろうさんだかなんだか・・・が、さくらの家に着いたときに真っ先に死んだ報告をしなくちゃいけないだろうに・・・物語でひっぱっていくというところがちょっと納得いかないけれど、それはともかく、その話をきいたあともさくらさんは、お兄ちゃんはまだ生きている!と思っているわけです。寅さんの死を受け入れられなくて・・・その辺の演技がいいです。そして、夜中・・・眠れずに布団からおきてボーっとしていると、お兄ちゃんが帰ってきた!!やっぱり生きていた!!・・・と思ったら幻で・・・追いかけても追いかけても、お兄ちゃんにあえなくて・・・そのときのさくらが寅さんを追いかけている姿は子どものときの記憶でもあるのかもしれません。そして、さくらは、そこでやっと、お兄ちゃんの死を受け入れました。博さんの胸の中で号泣するさくらさんに涙・・・涙・・・です。

第1話のときの喫茶店のシーンは、2人の会話がよく聞こえませんでした。音楽がうるさくて。
第1話のいいところは、仲間をとら屋に引き入れて宴会をしていた寅さんにさくらが「出てって!」とおこるんですけど、そのあと出て行って、翌日かえってきて、また旅に出るってところでさくらが「ごめんなさい」というところが泣けます。

テレビ版もいい話でした。

母べえ

2008年08月19日 | 男はつらいよ・山田洋次
母べえ 豪華版 〔3枚組 初回限定生産〕

松竹

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映画の本編も感動ですが・・・
このDVDセットに入っている特典ディスク1の方をみました。

ひとつは、撮影の様子をインタビューも交えて見せてくれるのですが・・・その撮影のシーンでもなんとなくジーンときちゃって・・・
あと、山田組の人たちの映画づくりの情熱というか、こだわりもよくわかります。山田洋次さんのイメージとか、思いとかを映像にどう表現するか、山田さん一人ではできない作業ですね。

照明の担当の人が、自然な光といっても、ドキュメントではないので、いい意味でウソの演出で自然さを出す・・・みたいなことを言ってました。
山田洋次さんの映画というのは、リアルさ、自然さがいいところですけど、それはドキュメントではなくて、やっぱりつくり込んでで洗練させた自然さであり、リアルさだと思います。

一つ一つのセリフも、聞こえにくいセリフがなくて、きちんと耳がとらえるセリフになっている気がします。本当の意味でリアルさを出すのであれば、・・・実際の生活の中でもそうですが、聞きとれなかったり、余計な言葉が出るわけですが、だからといってそのままやっちゃったらただのドキュメント映画です。

時代も違うし、時代も違うし、役者が演技してるウソの家族だし、映画のウソをみる側にいかにしてウソに見えないで本当に見せるかですからね。
そういう点での映画作りの努力ってすごいと思います。

CGにしたって、いいCGだねっていわれるよりCGであることに気付かない方がうれしいって言ってましたしね。

もう一つは父べえの詞の話です。最後のシーンでいつも大泣きしちゃいますが、あれは野上照代さんのお父さんの本当の詞を山田さんが抜き出してまとめたそうです。
そういうこともあって、深い感動になるんですね。



ディスク2は、NHKのドキュメントと、記者会見や試写会、製作発表会での出演者の話です。

ドキュメントは前に友達に見せてもらったことがあります。

出演者の話はおもしろいです。建前の部分もありますけど、それだけでなく、質問も、あなたはどう思いますか?みたいな質問もあって、結構その人の考え方が出てきます。

壇れいさんの「強い人とは?」という質問の答えは、この人、しっかりしてる人だなあ・・・って思えるし、「祈りのような」というのを連発してましたが、壇さんの映画のイメージがこの一言にこめられています。それで、その言葉を選んだ壇さんに意志を感じます。

浅野さんも、「成長できた」と自分でいえるところが良いです。

ベルリンでの話は、山田洋次さんの気持ちが結構ストレートにあらわれている気がします。多分、質問もストレートだからなんでしょう。同時に、それを横で聞いている吉永さんの真剣なまなざしも素敵です。

山田洋次さんが戦闘シーンを撮らない理由もここではっきりと話してます。戦争映画はもっと描かれなければいけないとも言ってます。

野上さんが、「ドイツ文学者の父が映画というかたちでドイツに来ることができて喜んでいると思います」と言いながらグッとなるところも良かったです。

ダウンタウンヒーローズ

2008年06月27日 | 男はつらいよ・山田洋次
ダウンタウンヒーローズ

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青春です。

お互い好き合っているのに結ばれない・・・なんか、切ないなあ・・みていてこっちも苦しくなってきます。

戦後まもなくの時代ですが、学校が生き生きしてて、学生もすごいエネルギーにあふれてて、正義感の塊で。恋も純粋で。友情もまっすぐで仲間意識の強さを感じて。
先生も個性的で信念を持っていて、学生に対して正面から向き合っていたように見えます。その場所は外の世界とは違う独特な隔離された場所ではあるけれど、ひとつの社会をつくっていてルールがあって・・・金も食べものもなくても、そこの中で生き生き生活してるのがうらやましい感じがしました。

社会全体のもつエネルギーってあったのかもしれません。

フリーダムじゃない。リバティーだ!というところも良かったですね。自由はかちとるものです。

薬師丸さんの清楚な感じはいいですね。でも、石田エリさんの不幸な感じもすごく良かったです。
やなぎばさんは今まで見た中で一番良かったです。
おみさんもいい役です。


学校III

2008年06月02日 | 男はつらいよ・山田洋次
学校III

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この学校は、ほかの学校とちょっと違う感じがします。

リストラにあった中高年の人たちが、新しい仕事に就くために一から学ぶわけですが、今までのプライドもあるし、違う職種だったりしてそういうところでも戸惑いもあるでしょう。若いうちなら順応する力もあるかもしれませんが、そう簡単に頭も動いてくれない。

でも、生きていくために、職に就くために一生懸命勉強して、就職します。就職した先でも偏見の目で見られるのかもしれません。

主人公は、息子が自閉症で、旦那に先立たれ、それでリストラされて、やっと就職が決まったと思ったら、乳がんであることがわかり・・・

せっかく勉強したことが無駄じゃんって思ってしまいそうですが、いや、無駄なものなんてないはず・・・ですよね。

この主人公は不幸なのでしょうか。不幸・・・に見える。でも、外から見て不幸だとしても・・・「不幸」の判定が下ったとして、それがなんだ!?ってことでしょう。一生懸命生きている事が大事で・・・いろんな壁があって、苦労も多かったかもしれないけれど、それを乗り越えてきたからこそ強くすばらしい人間になれるのだと思います。

主人公もそうだけど、その子どもは不幸なのかな?一見「哀れ」だけど・・・自分の中ではやっぱり「哀れ」と思ってしまうところがあるけれど、お母さんはそう思っていないと思います。本人も・・・そうだと思うんだけど、でも、苦しんでるかもしれない。おばさんが持ちかけた見合い話で、「その手の子には慣れてます」みたいな言い方をしていたけど、そういう意識って、自分にだってあると思うんです。・・・話がずれてますね。で、幸せって何だということですが・・・

子どもへの接し方がいいです。交通事故にあった後の病院で、「あんた、ハンサムね」とかさらっと自然な愛情表現がなんかぐっとくるし、聞いてるか聞いてないかわからないのにちゃんとまっすぐにきちんと話をするし・・・「同じ目線で」というのがとても大切なんだろうと思いました。でも、同じ目線でというのは、それを心がけているうちは同じ目線ではないんだろうと思います。意識をしなくなって初めて同じ目線なんでしょう。それができているところがいいです。

子どもを恥じるというのがまったくない。

心配になるのは、お母さんが死んだらどうなるかです。そうなったときに・・・そういう境遇になった人すべてが路頭に迷うことなく生きていけるような社会であればいいのだけれど・・・

今の社会は人間に対して優しい社会ではない。人間がつくっている社会なのに・・・その生きづらい社会の枠で以下に生きるかということではなくて、生きづらかったらその社会の枠のほうを変えちゃえばいいわけだけれど・・・

また変な話になってきました。

あとは大人の恋愛です。抱き合ったところはなけました。苦労してる二人だからこそ泣けちゃうわけですが、でも、別れた前の奥さんが自殺未遂したのを聞いて、身を引くというのは・・・奥さんは旦那を愛していると思ったからなのでしょうか。ただ、奥さんが「哀れ」だからということではないでしょう。そこはなかなか素人にはわからないところです。でも、奥さんが、グラスについた口紅を拭いたところは、いいですね。別れた旦那に会いに行くために化粧をしたということなんだと思うのですが・・・ただ単に水商売で化粧が濃くて、それでグラスについてちょっと恥ずかしくなって・・・ということではないと思うんだけど・・・

旦那がまだ好きなら、ケータイなんか出なきゃいいのに。そこがプライドなんだろうか・・・それはそれで悲しい・・・

虹をつかむ男 南国奮斗篇

2008年05月12日 | 男はつらいよ・山田洋次
虹をつかむ男 南国奮斗篇

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人を好きになるっていいことなんだけど、全てがうまくいくわけではなくて・・・

タイミングのずれですれ違いのまま長い月日が流れて・・・気がついたらこんな年齢に・・・ああ・・・いまさら悔やんでも仕方がないのです。

西田さんの役の・・・名前は・・・忘れましたが、かっちゃんとかいわれてたかな?好きな女性が男と出て行ってしまったことを憎く思っちゃうわけですが、自分~告白も何もしないで、勝手に憎んでそれで、そのひとのことをひきずって、再会しても、未練たらしく追いかけてるのを情けない男だと言いますが・・・
そうですね。情けないですね。馬鹿ですね。でも、そんな人だから、好感が持てるんですけどね。
ちょっと浮かれていい思いしたからって、それは、外での出来事だったんですね。その人の家庭に入り込もうとしたら、そこは彼女の築き上げられた生活があって、よそ者が入り込む余地はありませんでした。

そして、満男君のほう、満男じゃないか。
若者らしくがむしゃらに、愛を告白して・・・その時の感情だけで突っ走れるのも若者の特権だけれど、愛を貫き通すには、現実の社会でどのように生きていくか。その人と一緒に生きていくためには何が必要かを真剣に考えなければならないわけで、自分に足りないものが何か・・・人を愛することで、仕事に対して真剣に取り組むようになるなんてすばらしいことですね。

このころの山田洋次さんの作品は、男はつらいよの満男にしたって、この主人公にしても、「息子」の主人公にしても、「最近の若い子は・・」って言われちゃうふらふらしているような若者が出てきますが、自分の思い通りにいかない、社会の中で定着できないであがいている姿を描いているように感じます。未熟なまま社会に放り出されて・・・って感じの描き方です。でもその時は、働く意味を見いだして成長できたりしたわけですが・・・

今は、いくら働く意欲があっても定職につけない世の中ですからね。大変な世の中になってしまったもんです。
今の社会を、若者のあがきを、山田洋次さんがどう描くか。やっぱりそういうのをつくってほしいなあ・・・