久しぶりに本を読んだ。
川村元気『世界から猫が消えたなら』
表紙の、子猫のつぶらな瞳に魅せられて購入してしまった、というのが正直なところ。
医師から脳腫瘍で余命いくばくもないことを宣告された主人公の「僕」。そんな「僕」のもと悪魔が現れ、この世から一つモノを消すことで、1日寿命を延ばすことができることを告げられ、悪魔と取引することに。ケイタイを消し、映画を消し、時計を消し・・・。「僕」はキャベツという名の猫を飼っていた。死んだ母の思い出につながる、大事な相棒の猫だ。ところが、悪魔が次に消すことを指定したのは猫だった・・・。
「僕」にそっくりな、アロハシャツをきた悪魔(「アクマ」とカタカナ表記したほうがぴったりくるような、ユニークな存在)が登場するという、少々奇想天外な部分もありはするが、昔の恋人とのやりとり、母との温かな思い出、こじれてしまっている父親との関係、そういうものが交錯し合って緩やかな雰囲気を漂わせた小説だ。
小説を読みながら、何度か涙を流した。面白いのだけれど泣けてくる。
大切なものは失ってから気づくもの。
それはよくわかっている。わかっているのだけれど、日々の暮らしの中で大切なものはいつも後回しにされてしまう。
けれども大切なものを見失わないように、日々生きていきたいということを考えさせられた。
「僕」は最後にその「大切なもの」に会いに行こうとする。会っておかねば、「死んでも死にきれぬ」心情になるのだろうな、きっと。
心の温もる小説に、久しぶりに出会った気がする。
本もジャケ買いすることありますよね。
たいがいハズレは無いと思います (^^
面白そうなストーリーですね。
でも、何度も涙を流された・・・
読んでみたいです。
心に留めておきますね。
本当に久しぶりに読んだ本でしたが、なかなか感動的な小説でした。
読みやすかったこともあり、一気に読んでしまいました。
ジャケ買い成功でした(^^)