ふんでノート ~ちいきづくり・まちづくりと日本語教育

ちいきづくり・まちづくりと日本語教育をつなぐことを,「場づくり・人づくり」から進めていきたいと思ってつらつら書くノート

分かっていることと現実の間

2024年08月16日 21時02分40秒 | 当事者
ふと思い出す。

東日本大震災のあと、仕事で名取を訪れた。1年以上経っていたかと思う。閖上地区は本当に津波の被害がひどく、甚大な被害がもたらされた。

そんな中でも活動を続けた人たちの、市民の草の根の活動の話を聞き、見学し、一緒にお昼ごはんを食べたあと、閖上に行きましょうと提案を受けた。私たちの生活があった場所が今どうなっているかその目で見てくださいと。

そのとき、一緒にご飯を食べていた女性が私も一緒に行っていいですかと。家族が住んでいたらしい、その地区にはどうしてもそのことが受け入れられず、一度も足を運べなかったんだと。わかっているけど、行けなかった。でも、今日みたいな機会だったら行けるかもしれない…と。

普通の街並みが徐々に変わり、本当に何もない景色に変わる。現地に着いたけど、本当に何もない。小高い山に神社の残りがあり、登ってみたけど、見渡す限りに本当に何もない。

その人は着いて、車を降りて、周りを見渡して…あまりの変わりように涙が止まらなくなっていた。

私には何もかける言葉がないし、何ができるわけでもなく。でも、帰りしに行けて良かったと。いつか行かなきゃと。いつか、いつか。それが今日だったんですね。何か機会がないとどうしても行けなくて…


分かってることと、本当に知ることと、そこには大きな違いがあるなということで思い出した。


事実は単なる事実ではないんやな。

今日はぐさっと…ね。


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