ふんでノート ~ちいきづくり・まちづくりと日本語教育

ちいきづくり・まちづくりと日本語教育をつなぐことを,「場づくり・人づくり」から進めていきたいと思ってつらつら書くノート

不在と存在

2008年04月21日 21時32分24秒 | いろいろ
宮地尚子さんの『トラウマの医療人類学』の中から。

「不在によって存在にあり方があぶりだされる、ということがある。本来そこにあるはずのものが、そこに見当たらないことほど、雄弁に存在のありようを示す方法はない。けれども、そこに何かがあるはずだということに気付かない人たちの中では、その不在はまったくの無に帰されてしまう。そこには新たな暴力が発生する。この暴力はあふれすぎるほどあふれている。その暴力が蔓延することを、今か今かと待っている人たちもいる。存在を不在に追いやり、自分たちの罪をも存在から不在に追いやりたい人たち。アーレントの言う「忘却の穴」は確実にある。」

「質問は難しい。ポジティブなことを聞こうとすると、まるで傷の深さをわかってないようだし、かといってつらかったことや苦しかったことを聞けば、傷を逆なでするような気がしてしまう。どちらにしろ、長い前置きで質問を正当化したくなってしまう。」

主張すること、説明することが大事なのは分かるし、それを良しとする風潮も確かに理解できなくはないんだけど。それだけではないということやんね。

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名前

2008年04月14日 20時10分40秒 | いろいろ
4月13日の新聞記事(読売か朝日...切り抜いたらどっちか分からんくなってしまった...)に「移民」「外国人」「生活者としての外国人」などなど、呼び名についての議論が載ってた。

めっちゃ簡単に概略だけ書くと、移民ではなく「外国人」「外国人労働者」「生活者としての外国人労働者」という名前を付与することで、生活の拠点が日本ではないかのような印象を与えることができるということ。腹をくくって受け入れを考えるのではなく、何か起こった時、あるいは何も起こらないようにするための対応を考えていこうという方針が見て取れる。

そりゃ、もちろん、誰もがみんな、これからもずっと日本にいるわけじゃないけど。そういった海外から日本への移動、日本から海外への移動がどうしておこるのか、本人の意志や希望、将来設計だけではなく、大きくは日本の政策、ミクロには本当に何気ない人々の視線、態度なんかが絡まりあっているのかということも視野に入れて考えないといけないんやろうな。

でも、こういった議論の時に周りがどう呼ぶかということが取り上げられても、その人たちが自分たちをどう呼ぶか、どう呼ばれたいかってことを考えないといけないんだろうな。ナショナリズムを喚起されるような形で「日本人」として括られることと、そして、その括り方がされる時の文脈。「日本(人)はここがおかしい」なんて形でメディアで取り上げられることはあっても、その位置は全然揺るがされない。でも、「外国人」や「外国人労働者」「ニューカマー」や「オールドカマー」などと括られる時には、くくられ方が当事者の実感とはずれるような気がするし、支援の対象、管理の対象、排除の対象としてしか喚起されないような気がする。その非対称性を変えていかないといけないんやろうな。

そのために、いきなり大きく変えることは何もできないけど、地域の地道な活動で何ができるか、何がつながりうるかやね。

コメント (2)
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デビュー

2008年04月14日 17時32分12秒 | もろもろのこと
木曜日、彼女の家の収納スペースの天井から雨が降ったみたいに水漏れ。焦るよなぁ。水漏れの元が上にすんでる人だったから、こっちとしてはどうしようもないし。しかも、水漏れしたのが夜中の1時。えらい大騒ぎでした。

金曜日、心斎橋でShake Forward2008というイベントへ。これはいろんなルーツを持つ人たちで結成された5つのグループがHip hopをとおしていろいろなメッセージを伝えるんだけど。良かった。恥ずかしながら、ヒップホップはそんなに詳しく知らないんやけど、音楽的にもすごく良かったし、メッセージもすごく良かった。ちなみに出ていたグループはLOS KALIBRES、KP、BLENDZ、AINU REBELS、TENSAIS MC's(2人だけやったけど)の5つ。ヒップホップをとおして、きれいごとではなく、自分たちのおかれている状況や思いをあつくあつく音楽にのせて伝えていく。

これまでぼくは民族的なこと、レイシズムなんかはまじめに勉強することは、まじめに伝えていくことが大事だと思ってたけど。この「まじめに」ってのがくせ者で。何も「まじめに」やる方法は話をしたり勉強をしたりするだけじゃないんだということを肌で感じました。もちろん、Hip Hopが全てではないだろうけど、でも、これまでに前の世代、上の世代が取り組んできても乗り越えられなかった壁を軽く超えていくような感覚さえ持ったなぁ。だからといって、前の世代、上の世代がやってきたことは決して無駄ではないし、それがあったからこそ、Hip Hopが生まれたんだろうと思うけど。自分の頭の堅さ、知ってる世界の狭さを改めて感じたなぁ。こういう方法、こんな場のつくり方があったのかと。もう驚き方がおっちゃんです(笑)。

グループの合間に出演者といろいろ話ができたのも良かった。KP、BLENDZの人とは結構話ができたし、絶対、うちでも呼ぶぞ。ちなみにKPのうちの一人がずっと関わってきた人とは、うちも昔から知り合いで。セミナーで呼んだり、関東に行く時にはふらふらっと訪ねたり。すごく縁を感じた。LOS KALIBRES、AINU REBELSの人とも少し話ができたし、一緒に行った同僚も話を結構してたみたいで。この縁を次につなげたいな。

ここで「よし、ぼくもHip-Hopするぞ」ってすっと思えないってのは、やっぱ、おっちゃんなんやろなぁ(笑)。そういや、Hip Hopって「チェケラッチョ!」ってイメージやったのに、一回も聞かんかったな(苦笑)
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ちから

2008年04月11日 22時37分47秒 | 人づくり・場づくり
今日、中国帰国者の人が3人来ました。学部の時に勉強した中国語、かなりあやしかったけど、ちょっとだけ通じました。もっとちゃんと勉強しておけば良かったという気持ちもちょっとあったけど、それよりもこれからちゃんとやろうって気になりました。

1月に来日したらしいけど、ほとんど日本語が話せない。普段は家の中にこもりっきりらしい。言葉が話せないところからきているのか、とても控え目な印象。言葉だけからきているのではないかもしれないけど、でも、言葉から来ている部分も大きいんやろうな。今『識字をとおして人はつながる』という本を読んでいるんやけど、人が言葉を獲得して社会の中でうまく機能するようになる(機能的識字)ことも、もちろん大事だけど。言葉を取り戻していく中で自分を取り戻していく、社会にいろいろと発信していくのってすごく大事だなということを肌で感じました。

夜間中学にも行ってみるって話だったけど、今日会った人たちとは、これからもいろいろ話したいなと思いました。
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源泉徴収

2008年04月10日 07時07分42秒 | いろいろ
留学生、研究者などは日本で源泉徴収が必要ないって知らなかった。租税条約で必要ないということをある冊子で知り、税務署に確認したところ、やっぱりいらないって。しかも、過去のものも還付で戻ってくるらしい。

確定申告でだいたい戻ってくるから、それでええのかなと思ってたけど、最初から取る必要がないんやね。

まだまだ知らないことがたくさんや。
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4月

2008年04月08日 15時20分54秒 | いろいろ
しばらく大変な状況だったんだけど、それも落ち着きました。異動もあったし、いろいろと。自分もこれからどうなるんやろかってところまで追いつめられたりしたけど、なんとか踏ん張ったということやろか。

とにかく、また4月からがんばろうと。そんな感じです。

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