ふんでノート ~ちいきづくり・まちづくりと日本語教育

ちいきづくり・まちづくりと日本語教育をつなぐことを,「場づくり・人づくり」から進めていきたいと思ってつらつら書くノート

抜き書き(多文化共生地域福祉への展望)

2018年02月01日 10時29分40秒 | 
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日系ブラジル人の多くは、「市場媒介型移住システム」のものにデカセギとして製造業の集積地に集住する傾向にあった。さらに制度的には定住者と位置づけられた日系ブラジル人は、先述のとおり市場原理に翻弄される「切り離し装置」としての労働者と位置づけられ、生活者として存在することが想定されないままに、市場のなかで放置され、国家の統合的な移民政策が欠如した状況におかれたままにある。

…ニューカマーである日系ブラジル人を中心とした外国人集住都市会議の取り組みの背景には、オールドカマーである在日朝鮮人への川崎市や大阪市等先進的な自治体の取り組みがある。川崎市は、国に先駆けて1972年に国民健康保険の適用を行い、1975年には児童手当と市営住宅入居資格の国籍条項を撤廃した。さらに1980年代の指紋押捺拒否運動のなかでも、指紋押捺を拒否する外国人を「警察に告発しない」という判断を明示した。

…その後、2012年には改定入管法が施行され、外国人登録法を廃止し、住員基本台帳との一元化が図られた。この改正は、移民への社会サービスの提供という側面では重要な意味をもち、評価できる。しかし「わが国の在留管理政策は、特別永住者、中長期在留者、非正規滞在者という三つのカテゴリーに分けて、それぞれ違うコントロールの仕方をするというのが特徴である」と指摘され、「中長期滞在者には徹底的な管理を行い、非正規滞在者をあぶりだしていく、という作業」が進行していることが危惧される。

…「ブラジル友の会」は、2001年から日系人の子どもたちの問題を中心に活動を展開し、子どもたちの母語であるポルトガル語教室や学習支援、進学相談活動などを行ってきた。日系ブラジル人への情報提供や多様な相談活動も行い、2009年から「美濃加茂市定住外国人自立支援センター」を運営している(2014年まで)。…しかし、センターは国の緊急雇用創出事業の補助金によって運営されていたことから、2012年度は、補助金が5分の1に減額され、毎日実施していた生活相談を週3階に減らすなど事業・活動の継続に大きな支障がでてきた。2013年度からは独自で事業を行っていたが、2014年5月にセンターは閉鎖せざるを得なくなった。
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「多文化共生地域福祉への展望」朝倉美江 高菅出版
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抜き書き(移設先の市長選 普天間の思い)

2018年02月01日 08時23分46秒 | 
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「空を気にしながら体育の授業を受けるなんてありえない」
「子どもたちのおびえている顔を見て涙が出てくる」
「事故を通じてわかった。米軍は住民を軽視する。国は米国に強く言えない。だから今も、園や小学校の上空を米軍機が飛ぶんです。」
「うちの中も移設問題で戦争さ。悲しいね。」
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「移設先の市長選 普天間の思い」朝日新聞2018.2.1朝刊
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抜き書き(「語られないもの」としての朝鮮学校)

2018年02月01日 00時43分50秒 | 
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私の妻には同じ町に住んでいて親しくしている親戚のおばあさんがいる。二世で朝鮮語はできない。このおばあさんは、最近通っていたスポーツジムを辞めなければならなかった。数年間楽しく通っていたスポーツジムだった。辞めた理由は、自分が朝鮮人であることを「知っているかもしれない人」が新しく登録したからであった。

ポストコロニアリズムは、植民地統治という抑圧の近代史が残した構造が、植民地時代が終わった後にもなお健在し、さらに影響力を行使している植民地支配の残存を探し出し、その正体を暴くことによって抵抗を試みる理論である。

被植民者は植民者の視線によってのみ自らのアイデンティティを確保することができる

自分の出自を告白しなければ気がすまないということに問題の核心がある。
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「「語られないもの」としての朝鮮学校」Song Kichan(※漢字が出ないので…)岩波書店
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