習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『2ガンズ』

2014-06-15 20:33:12 | 映画
こういう何も考えなくても大丈夫そうなアクション映画が見たかった。特に疲れた体を癒すのにはこういうのが最適なのだ。平日の夜、風呂上りに見る映画は、気合の入ったアート映画ではなく、ハリウッドの単純アクションしか受け付けない。劇場で見る映画だって、最近は面倒そうなものを避ける傾向がある。自分にゆとりのない人間はどうしてもそうなる。 なんだか、悲しいなぁ。ツタヤには、まだ見ていない、でも、必ず面白い . . . 本文を読む
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『悪夢ちゃん The 夢ovie 』

2014-06-10 22:01:44 | 映画
 まるで期待していなかったのに、これがなかなか面白い。よくあるTVドラマの劇場版なのだが、自分たちがそのことをちゃんと理解して、そういう安易に見える企画に対しての自戒を込めて取り組んでいる。(まぁ、そんな大袈裟なことではないけど)  身の程を知った映画なのだ。でも、卑屈ではない。ちゃんとここに描かれる小さな作品世界を大事にして、その枠の中で、映画を楽しむ。まるでTVサイズの映画なのだが、オリジナ . . . 本文を読む
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村山 早紀『ルリユール』

2014-06-10 22:01:00 | その他
 本の修復をする魔女のお話。そんな魔女に弟子入りする少女。坂の途中にある洋館。黒猫工房では、不思議なことが起きる。誰にでも行ける場所ではない。たまたまそこに辿りつける人だけが、彼女に会える。そして、大切な思い出の本を再生してもらえられる。  こういうファンタジーは苦手だな、と思いつつも、読む本がなくてたまたま手にしたこれを、えいやぁ、と読むことにした。最初はよくある児童文学みたいで、大丈夫かな、 . . . 本文を読む
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演劇集団邂逅『飛鳥幻想 (天智・天武 最期の会話)』

2014-06-10 22:00:11 | 演劇
 彼女たちは、こういうミュージカルがしたかったのだ。ようやくその願いが叶った。もちろん、今までも手探りで、その可能性にチャレンジしてきた。さまざまなスタイルで挑戦してきた。その都度、その頑張りには拍手を送ってきた。でも、何かが足りない。よく、頑張っているけど、でも、物足りない。  でも、ようやく今回はそうは思わない。大丈夫だ。これで十分に目的は達せられた。ふたりの男の、出会いと別れを、壮大なスケ . . . 本文を読む
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『瀬戸内海賊物語』

2014-06-10 21:59:18 | 映画
 こんなチャーミングなファンタジー映画が地方発で作られる。なんだかそれだけで、ワクワクする。映画はスケールの大きな冒険ものである。予算は決して潤沢ではないけど、それを補って余りある。  村上海賊の残した宝物を探して4人の少年少女が旅に出る。これはちょっとした『グーニーズ』なのだ。子供たちがとてもいい。ヒロインである男の子のような少女、柴田杏花を見ているだけで、幸せな気分にさせられる。2人の男の子 . . . 本文を読む
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『キカイダー REBOOT』

2014-06-10 21:58:29 | 映画
人間そっくりに作られたアンドロイド。人型ロボット、ジローとマリー。この2体のお話からスタートする。『キカイダー』の映画化なのだが、これをどんなふうに展開させていくのか、興味深々だった。スタートは悪くないのだが、その後の展開がなんだかなぁ、のストーリーで、本格的SF巨編を期待したのに、いつもの子供向けレベルの毛が生えた程度の作品に落ち着く。  予算的にはハリウッドには及ばなくても、ストーリーの面 . . . 本文を読む
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桂望実『我慢ならない女』

2014-06-09 21:33:35 | その他
 小説家になるために身を削るようにして生きてきた女が、新人賞に引っ掛かり、なんとか、デビューする。だが、そこが到達点では当然ない。スタートですらないほどだ。作家としての免許のようなものを手にしても、仕事はない。必死に書いた小説は歯牙にもかけられない。編集者は忙しいから、読みもしない。でも、石にかじりついても書くしかない。  なんとも壮絶な生きざまが描かれる。しかも、彼女はベストセラー作家にもなる . . . 本文を読む
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『六月燈の三姉妹』

2014-06-09 21:24:07 | 映画
 この映画もまた、物足りない。とても期待したのだ。なんだかワクワクする映画だ、と思った。今ではあまりお目にかかれない家族劇で、そかも佐々部清監督の新作。なのだが、前作『東京難民』に引き続き、残念な作品になった。狙いはわからないでもないのだが、台本はつまらなさすぎた。鹿児島のさびれた商店街のなかにある「とらや」という和菓子屋を舞台にして、そこの美人三姉妹のお話だ。次女が東京から出戻ってきている。長女 . . . 本文を読む
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真山仁『そして星の輝く夜がくる』

2014-06-09 21:14:46 | その他
 震災後の被災地に自分から望んで神戸から(彼もまた阪神大震災の被災者だ。妻子を亡くしている)やってきた教師が、そこでの子供たち、大人たちとの関係の中から、自分にしか出来ないことを通して、彼らに生きる勇気を与える。そんな風に書くとなんだか臭そうなヒューマンドキュメントみたいだが、これがとてもいい。6つの短編連作になっている。  そこに描かれるさまざまな問題が切実で、被災して心が折れてしまいそうにな . . . 本文を読む
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A級MissingLink『あの町から遠く離れて』

2014-06-09 21:10:18 | 演劇
トライアウトの作品から大幅な変更はない。骨格は同じで、細部を丁寧に作り上げる。今回の作品には最初からぶれがない。それはいいことでもあるし、少しつまらないことでもある。なんだか複雑なところだ。土橋さんが取材し、書き進めるうちにどんどん違う方向にずれてきて、その結果トライアウトとは似ても似つかぬものとなる、というパターンをほんの少し期待したからだ。 先日たまたま劇場で条あけみさんと一緒になったと . . . 本文を読む
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『インサイド・ルーウィン・デイヴィス  名もなき男の歌』

2014-06-07 21:53:03 | 映画
 61年ニューヨークを舞台にして、あるミュージシャンの1週間を描く。音楽で生きていければいいのだが、願いはかなわない。行くあてもなく彷徨う。NYからシカゴのライブハウスに行くけど、そこでも希望は見いだせない。雪の中、ヒッチハイクして戻ってくるシーンのわびしさ。  これはボブ・ディランが登場して、フォ-クソングが市民権を得る以前のお話。才能はあるけど、売れないミュージシャンの日々が淡々としたタッチ . . . 本文を読む
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いろんな映画や、小説のこと。

2014-06-07 21:19:24 | 映画
 いろんな映画や小説を読んでいるけど、時間がないから、ここにそのひとつずつに触れて書くゆとりがない。なんだか、残念だ。ニキータ・ミハルコフの3部作完結編である『遥かなる勝利へ』も3週間も前に見たのだ。なのに、書いてない。  長野まゆみの団地をテーマにしたノンフィクションタッチの小説(というより、エッセイだが)『団地で暮らそう』も読んだし。これなんか、60年代から70年代に一世を風靡した「団地」の . . . 本文を読む
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コトリ会議『おなかごしのリリ』

2014-06-07 21:17:23 | 演劇
6人の死者たちが命を棄てたことで、自由になったはずなのに、結局は何も変わらない現実を生きていくことになる。冒頭で描かれる延々と続く「しりとり」のように、作品自体もそんな堂々巡りが描かれる。彼らの抱える不安を描く。彼らはまるで生きていたころの延長でしかない死後の世界では満足出来ず、今度は宇宙に逃げようとする。どこまで逃げても結局は同じなのに、である。 ガスによる集団自殺。死んでしまった後の彼ら . . . 本文を読む
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コトリ会議『はなの台ふき』

2014-06-07 21:16:43 | 演劇
最初はうつ病の話のようなのなのだが、それが家族の問題にすり替わり、それは宗教の話になり、宇宙の話へと移行し、気がつくとなんだかわからないような壮大なドラマにもなるのだ。話はどんどん横滑りしていき、スライドしていき、原形を留めない。  人は多かれ少なかれみんな病を抱えて生きている。それと向き合い、ギリギリでなんとか自分を保っているのだ。今回のコトリ会議は2本立。しかも、長編で2本。これは2つの壊 . . . 本文を読む
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きづがわ『真珠の首飾り』

2014-06-07 21:15:56 | 演劇
 昨年の12月公演で見たこの作品を、半年のインターバルで再演する。林田さんとしては遺恨の残る出来になったからだろう。作品自体の完成度は高かった。だが、細部の詰めが時間の関係で難しく、結果的に詰めの甘さが露呈する惜しい作品になってしまった、と思ったのではないか。僕たち観客以上に(そんなのは当然だが)作り手は細部の仕上がりが気になる。特に本当ならもっとちゃんと出来たはずなのに、やり残した部分の残る大作 . . . 本文を読む
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