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映画・演劇のレビュー

『悪夢ちゃん The 夢ovie 』

2014-06-10 22:01:44 | 映画
 まるで期待していなかったのに、これがなかなか面白い。よくあるTVドラマの劇場版なのだが、自分たちがそのことをちゃんと理解して、そういう安易に見える企画に対しての自戒を込めて取り組んでいる。(まぁ、そんな大袈裟なことではないけど)

 身の程を知った映画なのだ。でも、卑屈ではない。ちゃんとここに描かれる小さな作品世界を大事にして、その枠の中で、映画を楽しむ。まるでTVサイズの映画なのだが、オリジナルのよさをちゃんと踏まえてそこを生かした上で、映画館で楽しめる作品に仕上げようとした。

 北川景子の大仰な演技も、周囲の同じような大仰なキャラクターもばかばかしさをちゃんと楽しんでいる。そして、彼女のクラスの優しい子供たち。悪夢ちゃんを受け入れ、彼女の悪夢を恐れない。ヒロインの悪夢ちゃんの地味なキャラクターがいい。彼女の見た悪夢(予知夢)が、ことの発端だ。(というか、いつも、そこから話が始まるのだが)

 映画は、彼女たちのクラスに転校生がやってくることから始まる。彼は何者なのか。彼はクラスの女の子たちをたぶらかして、悪に染める。では、彼は悪者なのか、というとそうではない。やがて、彼の中にある悪夢とみんなが対峙していくさまが描かれる。

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や、『羊たちの沈黙』のような設定を駆使して、なんだか好き放題している。小日向文世の博士はクリストファー・ロイドそのまま。行き先が未来や過去ではなく、悪夢の中(でも、それも予知夢だから、未来だけど)、というのが違うだけ。


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