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3つの短編からなる「パンの巻」があまりに素晴らしすぎて、もし、こちら(玉子の巻)も、同等に凄かったならどうしようか、とドキドキしたのだが、(もちろんそれを期待もした)さすがにそうじゃなくて、こちらは、ふつうに安心して見ていられる作品だった。こちらは台本は長尾ジョージ。演出はもちろん久保田浩。まぁそれはそれでよかった。
もちろん、それって、この作品が悪いと言うことでは当然ない。それどころかとてもよくできた作品だ。そして、こういうウェルメイドな作品を見るとほっとするのだ。要するに、普通に面白く見られる芝居だった、ということだ。
別々のいくつかのお話が同時進行する。それらがラストではきれいに一つに収まる。よく出来たお話だ。それを90分にちゃんと収め、きちんと見せた。
でも、それ以上でも以下でもない。ドラマに深みや感動に至るようなものはない。あっさりしていて、あぁ、楽しかったと満足させてくれる。よく出来たシチュエーションコメディなのだ。予定調和の域は出ないけど、それはそれで大事だ。
2本を見て、今回の遊気舎はこの集団の持てる力を最大限に発揮した小品集だったなという感想を持った。大作ではなくこういう肩の力の抜けた作品を、さりげなく提示できるところがベテラン集団の余裕なのだろう。