実は1ヶ月くらい前に見た映画なのだ。公開されてすぐに見に行った。でも、あまり面白くなかったからここには書かなかったのだ。だけど、たまたま今、時間があるし、書くネタもないし、ということで、この映画のことを思い出した、というわけだ。かなり期待したからかもしれないけど、見た時の脱力感はすごかった。きっとめちゃくちゃ書きそうで怯んだこともある。まぁ、今なら少しは冷静に書けそうだ。
妄想女子を主人公にした映画なのだが、予告編はあんなに面白そうだったのに、実際の映画はまるで弾まない。コメディエンヌでもある綾瀬はるかをキャスティングした時点でこの映画は成功したはずだ、と思った僕が甘かった。台本の不備、演出の甘さが、彼女をしても補えない。そんなのは当然だが、それにしても、せっかくのキャスティングが生きないのがつらい。斎藤工の王子様ぶりも板に付いていてなかなかよろしいにも関わらず、こうなるのが悔しい。
相手の心が見えてしまうという高台家の人たちの特徴が、生かされていない。彼らの秘密が綾瀬にばれてしまったあとのひねりが必要なのに、それがない。話の展開のさせ方がまずいのである。本来ならそこからどう見せるのかが勝負なのに、そこがばれたらもうそれだけで映画自体まで減速する。いくらなんでもそれはないわぁ、と思う。彼らの秘密なんて、最初からわかっていた話で、予告編の時点でバレバレなのだ。だから、ばれたあと、どうするのか、そこが作者の腕も見せどころとなるはず。
彼女の一発大逆転(心が見える相手と、どう接して、何が可能となるか)をちゃんと台本が用意しなければ、詐欺だ。なのに、それが出来なかった。これでは頑張る綾瀬はるかがかわいそうだ。
こういう映画もあるのか、とがっかりした。これでは、いくら今や無敵の「少女マンガ」の映画化とはいえ、ヒットは望めない。(当然のように客の入りはよくなかったようだ。)