
このタイトルに心惹かれて読み始めたのだが、まるでつまらない。5つの短編連作。小、中学校を舞台にしたファンタジータッチの作品。
『学校の怪談』レベルの作品で、これでは子ども向けの安易な作品と受け止められても仕方ない。だいたい児童文学ならもっとレベルが高いし。秘密の部屋、人からエネルギーを吸い取る木、除霊師とか、妖精。ないわあ。
僕も勝手に、学校を舞台にして、かつて子どもだった大人が再び学校という迷路に迷い込む話を想像して楽しみにしたのだが、見事に裏切られた。リアルな話ではなく、仕掛けが安っぽい。
ただ最後の校長の話は(少しだけど)他よりは面白かったから途中で止めなくてよかったかも。つまらない教師に辟易して、じゃあ自分が理想の教師になってやると思ったはずなのに、気がつくと自分もかつての彼が嫌ったような教師になって、まもなく定年を迎えようとしている。そんな男を描く。
理想と現実の狭間で夢を失ってくだらない大人になってしまう。よくある話だけど、他の4つのバカバカしいエピソードよりはまし。