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映画・演劇のレビュー

1,2月の新作DVDを5本

2018-02-09 23:03:05 | 映画

1,2月の新作DVDを5本

『新感染』が見たかったので、レンタルしたが、同時にあと4本映画を借りなくてはならない(新作5本で1000円のサービスを利用)ので、仕方なく選んだ4本の簡単な感想。もちろんいずれも見たかった映画で、最新リリース娯楽映画なのだけど。(時間がないから、体力が要るアート系映画は避けた)

 

『ベイビードライバー』

こういう娯楽活劇が楽しい。特別凄い映画ではないけど、見ている間は十二分に楽しめる。それだけにこれは世間からちょっと過大評価を受けているのではないか、とも思う。カーアクション映画としても、強盗団による犯罪映画としても、音楽映画としてもいい。もちろんその融合で、とてもスタイリッシュなおしゃれ映画で、楽しませてくれるのだが、それだけ。

僕はそれだけで十分だけど、みんなはそれだけの映画だとは思わなかったようだ。音楽とのシンクロは凄いし、まるでショーのように強盗を見せる。華麗なドライブ・テクで逃げる。テンポのいいお話にも、しっかり乗せられる。ラブストーリーにもなるし、てんこ盛り。

 

『ソウルステーション バンデミック』

『新感染』と同時リリースされたので一緒にレンタルしてきて、連続で見た。同じ話の連作になっているのだが、微妙にシンクロしないところもある。こちらが先で「新感染」がその後日譚という順序だが、映画のテイストはかなり違うので別物と思ったほうがいい。アニメであるこちらのほうが、リアルで、実写のあちらのほうが荒唐無稽の娯楽活劇。こちらはどちらかというと社会派映画。テンションも低いし、暗い。

ソウルの浮浪者たちの話になっている。社会的弱者を主人公にして、彼らがまず、感染する。ソウル駅周辺を舞台にして、一夜のドラマとしてお話が展開するのだが、これだけの大事になっているのに、政府の反応や、対応が描かれない。今目の前に見えているところだけから描くのが作り手の視点だからこうなるのだろうが、それにしても、深夜のソウル駅はこんなに寂しいところなのか。東京が舞台なら、もっとパニックがエスカレートし、収拾が付かない事態になるはずだ。

 

『東京喰種』

少し期待していたので、ショックは大きい。ここまでつまらない映画になっているなんて驚きだ。蒼井優はなんでこんな映画に出たのだろうか。さすがの彼女でもあの役はムリ。映画の最初、掴みの部分なのだが、あれだけのシーンで作品全体を彼女なら担えると踏んだのか。でも、それは演出の力がなくては不可能だ。(同じくらいのショートリリーフなのに『岸辺の旅』の彼女がよかったのとは、話が違う)。小さな話になるのは、構わない。原作をそのまましなくても構わない。だが、東京という街の魅力を恐怖とともにリアルに描かなくてはこの映画に意味はない。その点では『ソウルステーション』のほうがずっといい。あれでソウルを描いたか、と言われると、あれだって少し残念なのだけど、この映画と比較すると雲泥の差。同じように闇の世界を描きながら、この映画にないものをちゃんとあちらは描けている。

 

『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーク』

これも少し期待した。日本のアニメを題材にしたイタリア映画。鋼鉄ジークが大好きな女の子と、鋼鉄ジークのような超人になってしまう男の恋物語。一応ヒーロー物の体裁を保つけど、普通のヒーロー物ではない。主人公は正義のために戦うのではない。なんとなく凄い力を手にしてしまって、それを持てあましながら、ギャング団と戦うことになる程度。ちょっと『レオン』みたいな感じだけど、そんないいものではない。話が小さくまとまる(わけでもないけど)のも、アメリカのスーパーヒーロー物とは一線を画するけど、それが反対になんだかしょぼいと思わせるのはなんだかなぁ、である。

 


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