
ストレートなタイトルだ。壮絶なドラマが想像出来る。食との戦い。ダイエットを巡る母と娘の物語。万引き過食嘔吐を繰り返して、警察に捕まり、前科が付く。仕事をクビになり、家庭崩壊。
そんな女性を主人公にして、彼女の完治までの長い日々を描く。幼い頃、母親の愛を受けたくて無理していた。母は綺麗な人で彼女の憧れ。だけど母の期待には応えられない自分に苦しみ、やがて摂食障害になる。母を避けて、逃げる。
母から離れ大人になり結婚して幸せな家庭を築く。可愛い娘と優しい夫。だけど過食嘔吐が再び起きる。万引きして食べる。吐く。そして捕まり、やがて警察に、裁判、実刑、刑務所に。仕事を失い離婚してひとりになる。
ここまでが前半戦である。この後に再生までの日々が続く。同じような病気を抱えた少女との出会いから彼女を助けることで自分自身の問題と向き合い、ふたりでそれと立ち向かっていく、なんていう、まさかの展開になる。そこまでするのか、と少し驚く。これは決して小さなお話ではなく、自分との戦い。彼女が抱えた問題はある種普遍的な親子の問題かもしれない。
ラストのハッピーエンドだって、これは特別なことではない。誰もが傷つきここに至る。いくつもそんな戦いの日々を乗り越えて今がある。