
アダム・サンドラー主演のSF映画。Netflixの配信映画。最初はほぼひとり芝居が延々と続く。木星まで170日の旅をして目的地である折り返し点まで来た頃が舞台となる。宇宙船内にたったひとりの孤独。さらには地球からの妻の通信が途絶え不安が高まる。そんなある日、彼は船内でエイリアン(宇宙人)と遭遇する。アダムは彼をハヌーシュと名付ける。
この映画はそいつが凶暴で襲ってくるといういつものパターンではない。エイリアンは見た目は蜘蛛かタコみたいな生物だけど、彼は地球の言語を操り、とても冷静に考えて行動する。高い教養と文明を持つ。
なんとこれは内省的な映画。彼がアダムにさまざまなことを教える。途中からは師匠みたいになる。地球に残して来た妻から離婚を求められる。妊娠しているにも関わらず。家庭を顧みず、仕事だけを中心にして生きてきた代償。なんかこんなSF映画って、何? ヒューマン映画だったりする。
地味な映画だけど、イザベラ・ロッセリーニ、キャリー・マリガン、レナ・オリンという錚々たるメンバーが脇を固める。
なんだかよくわからないラストまで。ゆったりとしたタッチで静かなドラマが描かれる。これは孤独と不安から不眠症に陥ったアダムの見た心地よい悪夢と考えるのが妥当であろう。なんとも不思議な映画である。