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映画・演劇のレビュー

真梨幸子『教祖の作りかた』

2024-07-21 07:13:00 | その他

これはホラーではないが、なかなか怖い作品である。そして先が読めない展開。あちらこちらと話がとんでいく(視点が変わる)展開もいい。母親の話から息子の話に。さらには母親の高校時代のクラスメイトたちへと。

 
まず1章から2章まで。よくわからない状況がテンポよく描かれて先が気になってどんどん読める。ただ終盤になると話に収拾がつかなくて錯綜してくる。しかもあまりたくさんの人が死にすぎて嘘くさくなってしまうし、ラストは無理矢理みたいでつまらない。最初のあの異様な緊張が持続しないのが残念だ。
 
息子による税金滞納から逃れるために税金逃れのためにわけのわからない新興宗教を引き受ける話から始まる。息子は引きこもりのYouTuberで部屋から出ないで暮らしている。だがゲーム解説でかなりのお金を稼いでいた。だが、税金滞納(未納)で税務署から1000万を請求される。両親は寝耳に水。そんなまさかの展開から始まって、どんどん話が広がっていく。

だがあまりに登場人物が増えすぎて、しかも身内ばかりだし、その結果お互いの関係性が安易な展開になる。ベースとなる過去のバラバラ殺人事件との関連も無理があるし、リアルじゃなくなるのだ。新興宗教の話や監禁、というあの頃にあったことが今再び起きて大量殺人へと流れ込む展開が、こんなに上手くはつながっていくはずはない。というか、つながってないし、お話も収拾がつかないまま終わった気がする。

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