このお話は、どこにむかっていくのでしょうか? 最後まで騙されたような気分にさせられる。でも、なんだか、それが心地よい。なんとも、不思議な作品だ。作、演出の中嶋さんは、こういう共同体をどう運営していくかに興味がある。とても、際どい。なんとか、かんとかで、今は成立しているけど、騙し騙しで、心もとない。昔ながらの暖簾を守ることが大事、だということを描くのではない。あのラストはそれを裏切る。じゃぁ、何な . . . 本文を読む
自慢じゃないけど、もう20年以上クロムを見ている。デビュー作は見逃したが、2作目の『キエテナクナレ』から、大阪での芝居はほぼ、すべて見た。東京に行ってからは、ダメだが、大阪での上演はほぼ、全部見ている。筋金入りのクロムフリークだ。と、こう書くのは恥ずかしいし、情けない。まるで、ちゃんと芝居を見れてないし、好きだけど、いつも、青木さんからおいてけぼりを食らう。ついていけないのではない。そのあまりに . . . 本文を読む
エイチエムピー・シアターカンパニーが、一昨年に引き続いて、再び『更地』に挑戦する。しかも、今回は2週間で17ステージのロングランを敢行する。(今も、上演中だ)なぜ、今、更地なのか。そこが一番気になったところだ。そんなこと、直接笠井さんに聞けばいいのだが、でも、そこは自分で考える方が楽しい。答えはきっと作品にある。そんなこんなで、見に行った。
まず、そのアプローチが前回とは、まるで違う。演出 . . . 本文を読む
「スクエア傑作リバイバル」と銘打たれた本作品は、スクエアの中心メンバーである4人だけで演じられる2時間20分に及ぶ作品。この内容でこの長さは異常だ。それだけのサービス精神がここには溢れている、ということなのだ。後半劇中劇として『日影の軍団』を延々として見せていく。これでもか、これでもかと、渾身の快進撃だ。このシーンで、芝居の上演時間はどんどん長くなる。しかし、この一見無意味にも見える劇中劇がこの . . . 本文を読む
たった3日間の出来事だ。しかし、その3日が一編の小説になる。まるで、自分もまた、彼女と一緒にそこに行った気分にさせられる。これは衝撃的な体験だ。被災地の牧場に牛の世話に行く。彼らは被爆しているから、出荷できない。本来なら処分される。だが、人間のせいで、何の罪もない牛を殺すには忍びない。せめて、寿命まで生かせてあげたいと望んだ団体がボランティアでこの施設を立ち上げた。政府からの援助があるわけではな . . . 本文を読む