こいつはとても難物だ。まぁ、いつもdracomは一筋縄ではいかないのが常なので、心して懸からなくてはならないのだが、それにしてもここまでやられたら、どこから書いたらいいのか、よくわからなくなる。
まず、前回『もれうた』で示されたオーバーボイスというスタイルは踏襲され、さらに徹底されていく。そのことで、芝居は今まで以上にストーリーから遠いものになるし、それ以前の問題として、彼らが感情を表に出さ . . . 本文を読む
あっ、と驚く2時間22分だった。事前の様々な情報、憶測を蹴散らかしてしまう堂々たる作品だ。ラストまで、一気に見せてくれる。だが、そこまで至ってもほとんど何も起こらない。何も分からないまま映画は幕を閉じる。なのに全編を張り詰めた緊張感が漂い、見終えた後満足感に包まれている。
ここに描かれるパラレルワールドは僕たちのもう一つの現実だろうと思う。漠然とした予感だけでドラマをどんどん進めて行く。あり . . . 本文を読む