習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

極東退屈道場『ネクストバッターズサークル』

2008-09-28 22:43:52 | 演劇
 とてもわかりやすい芝居だった。わかりやすすぎて、不思議な気分だ。林慎一郎さんがこんなにも捻りのない芝居を作るなんてことは今まで1度としてなかったはずだ。単純すぎて拍子抜けした、というのではない。それどころかここまで単純な話をこんなにもスリリングに描いた手腕には脱帽する。おもしろいのだ。当然ながら。  だが、なぜここまでわかりやすい芝居を作ろうと彼がしたのか、それが気になって仕方ない。思わず終演 . . . 本文を読む
コメント

青年団『火宅か修羅か』

2008-09-28 22:19:40 | 演劇
 2組のグループが湘南の古い旅館のロビーで集う。ひとつは、この旅館にずっと住んでいる作家と、彼の再婚相手となる女性、そして、彼の3人の娘たち。もうひとつは、高校のボート部のOBたち。彼らはここで今夜同窓会を開く。この2組のお話を中心にして展開されていく。そこに、もう一組。なんだか訳ありふうの男女も登場する。  この作品も、いつもの平田オリザさんの芝居と同じだ。公共の場所を舞台にして、そこで彼らが . . . 本文を読む
コメント

『おろち』

2008-09-28 21:39:42 | 映画
 楳図かずおの傑作漫画を高橋洋脚本、鶴田法男監督で描く期待のホラー映画。こういう企画がどこから生まれてくるのか、なんだか不思議だが、生まれたのだから、見ねばなるまい。ということで、見てしまった。  昨今の日本映画は漫画の映画化が大手を振っているが、人気コミックの安易な映画化ではなく、こういう古典を今更やるなんて、どういう経緯から生じるのだろうか。ということで、見てしまった。  「見てしまった」 . . . 本文を読む
コメント

THEATER BLUME(テアターブルーメ)『BALANCE』

2008-09-28 20:54:32 | 演劇
 こういう長編のダンス作品はとても難しい。ダンスは、芝居と違ってストーリーを持たない。だが長編を支えるためには幾分かのストーリーラインがなくては持たない。それは維新派を見ても同じように思う。せいぜい20分くらいの短篇としてなら成立するが、それ以上のものはどうしても単調になりがちだ。  それでも長編として表現する場合にはなんらかの仕掛けが必要だ。その一番単純な方法がストーリーなのである。流れいく意 . . . 本文を読む
コメント