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習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『私がやりました』

2025-07-17 19:02:00 | 映画
毎年続々と新作が公開されるフランソワ・オゾン。先日も新作『秋が来るとき』が公開されたばかりだ。ただ気がついたときには公開が終わっていて見逃してしまった。残念だけど、今は配信を待つしかない。ということで、これは一昨年の(2023年11月公開)作品である。彼はあらゆるジャンルに挑戦して自家薬籠中のものにする。今回はクライム・ミステリーで、なんとコメディ作品である。1935年を舞台にしてクラシックな意匠 . . . 本文を読む
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『大仏廻国』

2025-07-17 15:45:00 | 映画
こんなバカバカしい映画を作ったのは誰だ?と呆れるけど、ついつい見てしまった。Amazonで配信されていたから怖いもの見たさから手を出してしまったのだ。60分だし、つまらなかったら途中で止めればいい。ということで見始めたけど、ついつい最後まで見てしまった。くだらないと言ってもいい。だけどかなり本気で作ってある。今から84年前に実在した特撮映画である円谷英二の師匠、枝正義郎監督作品『大仏廻国・中京編』 . . . 本文を読む
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『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』

2025-07-17 06:13:00 | 映画
第2回ホラー映画大賞を受賞した短編を自ら劇場用長編にリメイクして商業映画デビューした近藤亮太監督作品。キングオブホラー清水崇が総合プロデュースした。彼の肝煎り作品。だから期待した。素人による拙い映画であってもいいと思う。可能性を買う。今まで見たことのない世界をそこに提示してくれたならそれだけで充分だと思う。きっと清水崇もそう思ったはず。期待は半分叶えられ、残り半分はガッカリさせられた。あまりにお話 . . . 本文を読む
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『Flow』

2025-07-17 05:19:00 | 映画
ラトビアのギンツ・バルディオロス監督作品のアニメーション映画。アカデミー賞受賞作。これは圧巻である。水の中に沈む世界を背景にして、1匹の猫が見た光景が描かれる。全編台詞なし。当たり前だ。主人公は猫だし、登場するのは森の動物たちだけ。人間の姿は一切ない。だけどかつて人がいたという形跡だけは残っている。よくあるパターンである動物たちを擬人化してお話を展開させる、というようなことはない。説明もない。もち . . . 本文を読む
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『消防士 2001年、闘いの真実』

2025-07-15 20:49:00 | 映画
『友へ、チング』(懐かしい!)のカク・キョンテク監督作品。テンポよく見せる彼らの日常描写がいい。そこで描かれる消防士たちの姿が気持ちいい。お話はラストの惨劇に向けてカウントダウンしていくのだが、それさえ日常の延長に思える。過酷な現場を描くのではなく、大変だけど、使命感を抱いて仕事に向かう彼らの姿を描く。だからこれは2001年に実際に起きた火災惨事事件を描くノンフィクションではない。事実に基づくフィ . . . 本文を読む
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『逆火』

2025-07-15 20:34:00 | 映画
北村有起哉主演映画。バイプレイヤーとしてさまざまな映画に出てきたが、主演は(たぶん)『終末の探偵』に続いてこれが2本目になる。内田英治監督作品。今回もオリジナル脚本で『雨に叫べば』に続く映画界を舞台にした作品。こういう企画をちゃんと通して映画にするって凄い。だけど作品自体は今回もまた納得いかないものになった。何故身近である(自分たちの世界である)映画界を描くバックステージものに執着するのか、それな . . . 本文を読む
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『顔を捨てた男』

2025-07-15 18:08:00 | 映画
A24制作の作品。なんか納得いかない作品。これが何をしたいのか、わからない。芥川龍之介の『鼻』なのか、と思ったけど、ルッキズムについての考察というわけではない。見た目の問題ではない。醜い顔から男前になったけど、元の顔がよかった、とかいう話にはならない。周りはみんな優しい。だから幸せになる。なのに彼は壊れていく。そんな不条理を突き詰めることなくあっさり終わる。だいたい新しい顔を手にして、だけど以前の . . . 本文を読む
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『山田くんとLv999の恋をする』

2025-07-14 17:13:00 | 映画
こういうアイドル映画が量産されるのは安易に低予算でそれなりに稼ぐことができるからであろう。だけどそこから思いもしない傑作が生まれることもある。今回のこの作品、実はあまり期待することなく見始めたのだが、あまりに安易な定番の展開に啞然とする。お話にはびっくりするくらいにまるで新しい仕掛けはない。ネトゲーを介するドラマだけでは新機軸にはならないし、高校生と女子大生の恋なんてのも。全くのありきたり。塩対応 . . . 本文を読む
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『アミューズメントパーク』

2025-07-14 07:27:00 | 映画
ジョージ・A・ロメロの1973年作品。長らく未公開だったが2021年にようやく日本でも公開されたらしい。知らなかった。まぁ54分の中編作品だからなかなか劇場公開は難しいだろう。明るいホラーの先駆か。明るいって言うのは昼間の遊園地が舞台だからだけど、お話は(もちろん)まるで明るくはない。老人がひとりで遊園地を彷徨い歩き、酷い目に遭う話。「老人を労りましょう」っていう宣伝?こういう映画を敢えて作ったの . . . 本文を読む
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『ゴーストキラー』

2025-07-14 05:08:00 | 映画
次回の朝ドラでの主演が決定し、クランクインもしている、先日の『夏の砂の上』でも大健闘していた高石あかり。これは彼女の初単独主演作。『ベイビーわるきゅーれ』シリーズを経て、得意のアクション映画でまず主演作を手にした。監督は同シリーズのアクション監督だった園村健介。自由にのびのびとホームグランドでこれまでの時間の総決算を成し遂げる。アクション映画から新しい地平に羽ばたくための前哨戦。巻き込まれ型ヒーロ . . . 本文を読む
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『スーパーマン』

2025-07-11 16:43:00 | 映画
ついに公開されたジェームズ・ガンが監督する待望の『スーパーマン』の新作。なんと日米同時公開らしい。だから今朝見た僕は1番乗りだ。これはこれまでのスーパーマン映画とは一線を画す。なんと彼が犯罪者の汚名を着せられるのだから。まさかの画期的な設定。国境侵犯の罪に問われ、裁判に呼ばれるとか、あり得ない話が展開する。正義の味方であるけど、政治に巻き込まれて、大変。さらにはカイジュウが出てきて戦うって、あんた . . . 本文を読む
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『アダミアニ 祈りの谷』

2025-07-10 20:36:00 | 映画
政治的背景の説明はなしでただ彼女たちの姿を描く。彼らはここで穏やかに暮らしているように見える。観光客を誘致してここを宣伝してもらうためにゲストハウスを営む。チェチェン紛争でテロリストの巣窟だと言われた村。自然が美しく人々は静かに暮らしている。ここは今は素敵な場所だと伝えるためにみんなは努力している。だけど戦争の傷跡は癒えない。ジョージアの辺境、パンキシ渓谷で暮らすキスト人。イスラム教徒とキリスト教 . . . 本文を読む
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『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』

2025-07-10 03:55:00 | 映画
リュ・スンワン監督、ファン・ジョンミン主演による『ベテラン』の続編がGWの劇場公開から、早くも配信で公開スタートした。凄まじいアクションとまさかの展開で息つく暇もない。ここまでやるか、と呆れるくらいに手が込んだ仕掛けが施されている。前作からもう10年になるけど、チームは健在、というか、まるで昨日の続きみたいにそこにいる。(まぁ僕はこの春に前作を見たばかりだから、記憶に新しいのかもしれないけど)今回 . . . 本文を読む
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『夏の砂の上』

2025-07-09 15:31:00 | 映画
松田正隆の戯曲の映画化。同じ演劇人である玉田真也が脚本監督した。オダギリジョーのプロデュース作品。もちろん彼が主演する。昔、オリジナルの芝居を見ている。平田オリザ演出による初演である。松田正隆らしい素晴らしい作品だった、気がする。(詳しいことは忘れている)だけど、今回映画になったこの作品を見て何も感じなかった。何が面白いのかもわからない。感性が鈍ってしまったのか。なんだか自分が怖い。お話が上滑りし . . . 本文を読む
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『ババンババンバンバンパイア』

2025-07-09 11:32:00 | 映画
2月公開予定だったけど、吉沢亮の事件から公開が延期になっていたこの映画がようやく7月4日から公開された。『国宝』の大ヒットを受けて、続くように公開されることは朗報か? 吉沢亮本人は『国宝』の後、念願のコメディ作品としてこのバカバカしい内容の映画を選び、撮影に挑んだはずだ。はっちゃけた作品であの勘違い女、原菜乃華をパートナー(恋敵?)にして史上最大の恋愛バトルに立ち向かうのだが。監督は『一度死んでみ . . . 本文を読む
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