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習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『草の葉』

2025-07-09 00:41:00 | 映画
ホン・サンスの2018年作品。路地裏のとある喫茶店での会話劇。基本は2人による対話。それを盗み聴きして、パソコンに記録している。変態的行為である。話をしている方も,たいがいだけど。タイトルの草の葉って喫茶店の外の植え込みにある葉。意味深なタイトルだと思っていたが、何も考えていない。話しながらエキサイトして大声になる。喫茶店なのに、それはないだろうと思う。人の心に土足で平気に踏み込む。こいつらは何な . . . 本文を読む
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『この夏の星を見る』

2025-07-05 05:47:00 | 映画
2020年、コロナ始まりの年。あの夏、大切なものを失った高校生たちの戦いを描く辻村深月の長編小説を映画化した。小説も難しかったが、映画はさらに難しい作業だったことだろう。これを書いた辻村深月、これを映画化した山元環。彼らの熱い想いがしっかり届く作品に仕上がっている。あの年、誰もがもうこの世界は終わってしまうのではないか、と思った。そんな不安な想いを抱いて過ごした日々。だけど、あの年かけがえのない青 . . . 本文を読む
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『YOUNG & FINE』

2025-07-03 20:54:00 | 映画
山本直樹のこの作品、実は今回が2度目の映画化になる。あまり知られていないが、前作は素晴らしい映画だった。80年代を舞台にして海辺の田舎町。冴えない高校生。やる気のない毎日。だけど恋人はいる。ラグビー部で汗をかいている。一応高校生活をエンジョイしている。そこに産休補助で若い女教師がやって来た。しかも彼女は彼の家の離れで下宿する。今見たらこんな陳腐な話の何に心惹かれたのだろうか。少しエッチな映画でエロ . . . 本文を読む
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『となりの宇宙人』

2025-07-03 19:23:00 | 映画
宇野祥平映画初主演作(たぶん)。おめでとう! 川谷拓三の初主演作でとてもくだらない映画『河内のオッサンの唄』に匹敵する快挙。ここまでつまらない映画をこの21世紀に作れるなんてこれはこれで凄いことだ。小関裕次郎一般映画デビュー作。いまおかしんじが脚本を書いた。とことんくだらない脱力系コメディ。バカバカしい限りの映画。半村良の短編小説の映画化だけど原作なんてどうでもいい。読んでないからわからないけど、 . . . 本文を読む
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『フォーチュンクッキー』

2025-07-03 14:13:00 | 映画
こんな小さなインディペンデント映画が公開される。ババク・ジャラリ監督作品。モノクロでスタンダードの91分。ジャームッシュやカウリスマキを思わせる映画だなんて言われると是非見なくっちゃ、と思う。確かにこの寡黙な映画はジャームッシュやカウリスマキを思わさせる。アフガニスタン人かと言われると、アフガン人だと訂正する。そんな彼女の日々が描かれる。ジムやアキというより、このそっけなさは早川千絵の『ルノワール . . . 本文を読む
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『陽のかけら』

2025-07-01 00:31:00 | 映画
たった21分の短篇ドキュメンタリー映画。河瀨直美がプロデュースしている。なら映画祭がらみの作品なのだろう。こんな小さな映画がAmazonプライム・ビデオでは配信されている。限界集落で生きる人たちの姿を描く。ここにアメリカから移住してきた家族が最初に登場する。幼いふたりの子供と身重の母、そして父。奈良県天理市、長滝。母親は「ここには山がある」と言う。古川葵監督作品。ここで暮らす人たち。描かれるのは子 . . . 本文を読む
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『F1 エフワン』

2025-06-29 16:45:00 | 映画
『トップガン マーベリック』のジョセフ・コシンスキー監督がトム・クルーズではなく今度はブラッド・ピットと組んで挑んだ。『マーベリック』同様、これは高齢者が頑張る映画である。トムもブラピももう還暦世代だからそういうことになる。以前ロッキーが、(というかスタローンだけど)この手の世代交代映画を作っていた。イーストウッドだってやっていた。だけど今はトム、ブラピがする。ただ、彼らはスタローンとは違う。無理 . . . 本文を読む
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『罪人たち』

2025-06-29 06:17:00 | 映画
アメリカで大ヒットしている作品だけど、日本ではこんな地味な公開のされ方をしているのは仕方ない。これはなかなか宣伝が難しい映画だ。社会派映画ではなく、娯楽映画だけど、大作なのにマニアック。スクリーンは少ないがミニシアターからIMAXでも公開されている。それにしても、ホラー・アクション・スリラーって何? なんともポイントが絞りきれない映画だ。だからドキドキするし、刺激的な作品になった。舞台は1930年 . . . 本文を読む
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『でっちあげ』

2025-06-28 11:05:00 | 映画
最初の部分のあまりのおぞましさに震えた。こんな教師がいたなら、怖い。これはホラー映画だ、と思う。サブタイトルに『殺人教師と呼ばれた男』(映画にはこんなサブタイトルはついてない。宣伝用のタイトルである)とあるから、ここまでは現実ではないことはわかっている。だけどこういう奴がいたら怖いし、ないとは言い切れない。『呼ばれた』だけで、彼が殺人教師というわけではない。福岡で23年前に起きた事件。これは実話を . . . 本文を読む
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『突然、君がいなくなって』

2025-06-28 07:40:00 | 映画
たった80分の映画である。脚本、監督はルーナ・ルーナソン。アイスランド映画。彼女の映画は初めて見る。取り上げるのは身近な人の死。大切な恋人が事故で亡くした。彼とは昨日まで一緒にいた。彼はつき合っていた遠距離恋愛の彼女と別れて、自分と正式に付き合うことにした。だから故郷の彼女に別れを言うために今朝車に乗って出て行った。その途上でトンネル事故に遭い亡くなった。レイキャビクの夏の長い一日。ふたりで夕暮れ . . . 本文を読む
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『ルノワール』

2025-06-27 05:34:00 | 映画
『PLAN75』の早川千絵監督の新作は80年代後半(バブル期)を舞台にして11歳の少女を描く青春映画。ここまで徹底して彼女目線を貫いたって凄い。わからないことも,そのまま。説明描写はない。幻想と現実がごっちゃになって差異はない。えっ?と思うシーンが連発。わけがわからないシーンもそのまんま見せる。彼女が想い感じたことを映像化する。普通なら父親(リリーフランキー)や母親(石田ひかり)の心情を説明的に描 . . . 本文を読む
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『川沿いのホテル』

2025-06-25 20:21:00 | 映画
ホン・サンスの2018年作品。タイトルの漢江沿いにあるホテルからほとんど出ない。主人公であるふたりのそれぞれの部屋、1Fの喫茶室。ホテルの外、漢江。近所の食堂。登場人物め6人だけ。老詩人と彼のふたりの息子。傷心の女性と彼女の先輩女性。ホテルの従業員。シンプルの極みのような映画。かなり高い評価を受けているみたいだが、僕は乗れなかった。あまりに安易な展開でついていけない。さすがにこれはやり過ぎ。モノク . . . 本文を読む
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『28年後』

2025-06-25 16:54:00 | 映画
ダニー・ボイル監督の『28日後』の続編である。『28週後』(これはダニー・ボイル作品ではない)のさらなる続編でもある。今回再びダニー・ボイルが監督を手掛ける。単純なホラー映画ではない。コロナ禍以後という時間の中で作られたサバイバル映画であり、ひとりの少年の成長を描く。これもまた、『メガロポリス』同様、ある種の寓話である。感染によって封鎖されたイギリス。感染者だけが棲む本島から離れた狭い孤島で暮らす . . . 本文を読む
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『メガロポリス』

2025-06-25 16:47:00 | 映画
フランシス・フォード・コッポラ86歳。180億の自費を注ぎ込んだ、きっと最後の映画。もう体力的にも、気力だってないだろう。もちろんお金もない。この映画が大ヒットして資金が回収されたり、利益をあげることが出来るならいいけど、たぶんそんなことは望めない。これまでだって何度となく、破産している。今回もたぶん。だけど彼は挑戦をやめない。彼をそこまで「追い詰める」ものは何なのか。いや、それは彼が「追いかける . . . 本文を読む
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『トークトゥミー』

2025-06-24 07:58:00 | 映画
これは気合いの入ったホラー映画だ。昨日もう凄いホラーはすべて見た、とか調子のいいことを書いたけど、もちろんそんなわけはない。これから作られる膨大な数のホラー映画にはあらゆる可能性がある。これはそんなことを指し示す1篇である。オーストラリア映画だ。サンダンスでも評判になったみたいだ。A24もそうだが、ホラーの新しい波がそこまで来ている。コックリさんタイプの映画だが、死者に取り憑かれ体を乗っ取られる話 . . . 本文を読む
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