この記録には小田原から箱根のログが含まれないので、実際には距離166km、獲得標高3691m。残念ですが富士山の標高に届かず・・。
■ 伊豆イチ ■
新型コロナ騒動で土日の不要不急の外出自粛要請が出ている週末、人込みを割ければ問題無いと勝手に解釈して自転車でお出かけ。今回の目的地は伊豆半島。
自転車乗りは「〇〇一周」というイベントが大好きです。東京湾を一周する「ワンイチ」、琵琶湖を一種する「ビワイチ」、淡路島を一周する「アワイチ」などなど、どれも200Kmオーバーのロングライドで、これらを走り切れたらロードバイク初心者の卒業の証とされています。
ところが、数ある「〇〇イチ」の中でも一際ハードな存在が有ります。それは伊豆半島を一周する「伊豆イチ」。小田原起点で箱根越えだと、距離260Kmオーバー、獲得標高4,000mオーバー。これを一日で走り切れたらロードバイク上級者。皆さん、東京ー直江津ワンデイライドよりは確実にキツイと書かれています。確かに獲得標高が2倍に近い。
速い人でも14時間程度は掛かるので、夜間ライドが必須になります。街燈の無い断崖絶壁の上の道路を夜間走行ってどんだけ・・・・。
■ 下見のポタリング ■
昨年、勝手企画で房総グランフォンドにチャレンジしましたが、走行距離 191km、獲得標高 3825m、走行時間 9:47という結果でした。
勝手に「房総グランフォンド2019」・・・千葉で獲得標高3800M?
この時は直江津ライドの直後で走り込みが出来ていましたが、今年は100Km以上のライドはほとんどやっていません。多分、今、伊豆イチにチャレンジしたら玉砕は確実。そこで、今回は南伊豆で一泊して、写真を撮りながら、春を楽しむユルユル・ポタリングで下見に徹する事に。
コロナ騒動の最中、民宿はどこもガラガラの様で、予約は簡単に取れました。「海女と漁師の宿」というキャッチコピーに引かれて、下田と石廊崎の中間辺りの宿を予約。17:00までにチェックインして下さいと書いてあるので、色々観光しても余裕でしょう。
■ 右回りか、左回りか、それが問題だ・・・ ■
伊豆イチで先ず皆さん悩まれるのは、「右回り」にするか、「左回り」にするかという点。通常、半島一周のコースとしては海側を走行する「右回り」が景色を堪能するには都合が良い。
ただ、伊豆イチの場合は、西伊豆に相当な「坂」が集中するらしいので、疲労が溜まった脚で西伊豆を走破するのはツライというのが定説。脚がフレッシュの内に箱根と西伊豆を片付けて、後半に東伊豆を持って来る方が楽みたいです。石廊崎周辺の南伊豆周辺は補給ポイントも無いらしいので、この辺りで披露で動けなくなるのは相当にヤバイらしい。
後半に東伊豆を持って来れば、最悪は電車でリタイアする事も可能ですが、西伊豆は電車が通っていないのも危険ポイントです。自力リカバーしか許されません。
そこで、今回は脚がフレッシュな1日目に箱根と西伊豆をチャチャっと片付ける事にします。
■ 乙女ギア投入!! ■
過酷なロングライドになるので、自転車はエンデュランスに特化したNEILPRYDEのZEPHERを選択。先日、フロントシングルにしてしまったので軽いギアーに不安が有ります。38T-27Tって、ノーマルクランクのインナー縛りと同等ですから、少なくともコンパクトクランク並のギアー比は確保したい。そこでリアを32Tに変更します。これでコンパクトの34T-29Tより少し軽い感じになります。
コンポはカンパニョーロのコーラスですが、コーラス11速は29Tが最大ギア。そこで新型の11速ケンタウルの12-32Tを買おうと思ったのですがショップに在庫が有りません。そこで、アルテグラの11-32Tをチョイス。Rolfにシマノのフリーが付いているので、久々のシマニョーロです。11速のコンポはカンパとシマノでスプロケはほぼ互換性が有りますから。チェーンはシマノなので、リアの変速性能としてはシマノのスプロケの方が相性が良い位です。それにアルテグラのスプロケはケンタウルより安くて軽い。
クランクがROTORで、チェーリングがRACEFACEという組み合わせ。先日までフル・カンパだったのに、随分とキメラな自転車になってしまいました。
■ 乙女ギアの効果を確認すべく箱根は旧道をチョイス ■
実は事前にルートを確認しようとしてルートラボにアクセスしたら、サービスが終了していました。ショック!!
代替えのサービスは色々有る様ですが、有料のSTRAVAを使ってみる事に。ただ・・・使い方が全然分かりません。マイクロソフトのEdgeでは、地図がフリーズしてしまう(googleならば問題無いと後に判明)ので、携帯でどうにか事前のルートを作成しました。
宿に17:00着で168Km程度走りますから、小田原には始発で行った方が良さそうです。朝5時ちょっと過ぎに浦安を出発して、小田急でのんびり小田原に到着したのが7時30分過ぎ。
駅前で自転車を組み立ててストラバを起動して「開始」ボタンを押しますが・・・・「GPSが見つかりません」の表示が・・・。ビルの陰だからかな?と思い移動しますが、やはりGPSが見つからない。初めてのSTRAVAでワクワクしていたのに、ここで意気消沈。(箱根に付いた時にスマホのGPS機能を切っている事に気付きました。STRAVAのログはここからです)
仕方無く、箱根を目指します。事前ルートは国道1号線で引きましたが、乙女ギア32Tの効果を確かめるべく、旧道をチョイス。お泊りグッズと、カメラとGoPro、充電セットなど、大型サドルバックとトップチューブバック装着で旅自転車仕様。ウエアも早春用と夏用を準備しています。まあ、ゆっくりポタリングですから、トレーニングの為の多少の重しを付けて走った方が面白い。西伊豆の無補給地帯を考慮してダブルボトルで総重量は7Kgアップといった所でしょうか。
ではイザ出発!!
小田原代の桜は満開でした
箱根旧道、例の17%越えと言われるカーブ内側も32Tでシッティングでスイスイ。
いつもながら芦ノ湖は風が強い。ところで、旧道を1時間程度で登って来ましたが・・・・脚が既に終わっています。やはり荷物満載で旧道を選択したのは間違いだったのか・・・。
国道一号の三島側の下りは大嫌いです。だって、スピードがメチャクチャ出ちゃうから。路肩が荒れているので、車道側を走行すると、自動車と同じペースが要求されます。やはり50km/h以上のスピードは、サドルバックを付けていると不安定です。バックが揺れ始めると自転車の挙動が不安定に。さらに、三島側の下りは、所々、コンクリートの擁壁が出て来て、車線が狭くなります。そんな所で横をトラックがすり抜けて行った時なんて、初心者ならパニックブレーキを引いちゃうかも知れません。下ハン持つのも。
ブレーキ引くのも辛くなったので、三島の街が一望出来る絶景ポイントで小休止。これから行く伊豆半島の山々が遠望出来ます。
混雑する国道1号を離れて沼津市街を走ります。先々週も来たよな・・・沼津。
桜が満開です。こういうの見ると「バンカイ!!」って言っちゃうの私だけ?(ブリーチ・ネタです)
狩野川の放水路。山をぶち抜いています。増水から沼津市街を守る為でしょう。こういう土木工事ってタギリます。男の魂が。
またまた見えて来ました、淡島観光ホテル。『ラブライブ・サンシャイン』の聖地が近い!!今回は1期は全部観ていますし、2期も半ばまで観ているので、感慨ひとしお。
アクアのメンバーが根城にしていたカフェ「松月」
内浦漁協、アルバイトしてましたよね。
千歌ちゃんの家の間のビーチ。前回はこっち向きのカットを撮っていなかったので。
一応「安田旅館」もパチリ。
「ダイアさんと呼ばないで」の回に登場した三津(ミト)マリンパーク。ここ幼稚園の時に遠足で来た!!
オオー、あの丘の上に見えるのは「浦の星女学院」で間違い無し。実際には沼津市立・長井崎中学校です。
ここまで結構な激坂を登ります。本来ならグランドの向こうに富士山が見えますが、本日は春霞で見えません
校門・・・オオオー、そのまんまだ・・・・!!
ディスクホイール仕様のイタチャリの男子二人組、縫いぐるみ撮影中のファン一人とも遭遇しました。沼津、愛されてるなーーー。
西浦を過ぎて山道が多くなります。ミカン畑のトロッコを発見。地区予選の後の移動で乗ってたやつですよね!!
とまあ、伊豆イチのはずが、すっかり『ラブライブ・サンシャイン』の聖地巡礼となってしまいました。
■ 西伊豆「坂道無間地獄」にはまる・・・・ ■
西浦を過ぎると登りが始まります。西伊豆「坂道無間地獄」の始まりです。
海の透明度が高いのに西伊豆の魅力。
「大潮崎(おおせざき)」です。実は砂洲で、先端には池が有ります。
結構な登り坂です。斜度は10%を超えてる?これ、ヒルクライムだよね・・・。
「大潮崎」を見下ろす高さまで登って来ました。
「ヒメシャガ」の群落です
海があんな下に見えます
戸田(へだ)を見下ろす「煌きの丘」という絶景ポイント。これ、丘じゃないから、千葉県ならば「〇〇山」って立派な名前が付くから!!
戸田の店でお弁当を買って港で食べる事に・・・って、トビが頭上を旋回し始めました。慌てて屋根の下に避難。ヤツラは容赦無く弁当を襲って来ますから。
戸田の名物はタカアシガニ。駿河湾の深海で獲れます。カニ料理屋が並びますが、先を急ぐのでパス。
天気が良ければ湾口に富士山が見える絶景ポントだけど・・・霞で見えない。
山桜が満開です。柔らかな新緑と相まって、山はパステルカラー
又もや「丘」と言う名の「山」です・・・・
「土肥」を見下ろす「恋人岬」。このオブジェ・・・なんか変。
日が沈み始めました。もう丘とか岬とか、お腹一杯だからね・・・・。変な彫刻が並んでるし・・・幻覚か・・・・?
■ 宿まで辿りつけるのか、本気で心配になって来た ■
多分、この辺りまで来たと思う。ここから本格的は「ヒルクライム」が始まりました。もう脚が攣りっぱなしです・・・。時間は17時30分を過ぎました。宿には19時頃に到着予定と連絡を入れます。
太陽は水面に没しつつあります。途中、サイコンの電池が切れたので、残りの距離が分かりません。STRAVAが記録を続けているので、ルートが間違っていない事だけ分かります。
この小さな温泉街が最後に見たまとまった集落でした・・・・
32Tでダンシングでしか登れません。シッティングだと脚がすぐに攣ってしまう・・・。
ようやく「南伊豆市」に入ります。辺りは相当に暗くなって来ました(写真では分かりませんが)。実は途中、眼鏡を落としてしまい・・・サングラスで夜間走行に突入という事態に。
この地図、所どころ、道が掛けているのだけれど・・・・不安が高まります・・・
なんか、丘っぽい所で最後の残光を観ました・・・・。
■ 南伊豆の夜は、サファリパークだった・・・・ ■
石廊崎まで残り8kmという標識が出て来ました。19時30分までに宿に辿り着く為に。最期の力を振り絞ります。山、山、山で下りで回復しても、登りで脚が攣る。騙し騙し、そのままペダルを回し続けます。
先程、道端でイノシシとサルを観ました。まだ、日が残っている頃です。イノシシをこんんあに近くで見たのは初めてです。ブフゥーという鼻息が聞こえる距離です。
真っ暗になってからは、道端で茂みがガサっと揺れたり、その後にブフゥーという鼻息が聞こえたり、まち相なくヤツラが沢山居ます・・・・。
イタチが目の前を横切りました。ちょっと離れた所をハクビシンが悠々と歩いています。タヌキ発見!!
・・・・おいおい、南伊豆の夜って、まるで「サファリパーク」じゃないか・・・。普通なら真っ暗な山奥のナイトライドって、人ならざる物が見えそうで怖いのですが、今回は野生動物が怖くて、霊的な何かを気にする余裕が有りません。トンネルに入るとホットするって何・・・。
そんなこんなで真っ暗な中、石廊崎の分岐を通過。道が下り基調になったので、脚もだいぶ回復します。宿までの距離も分からずに、ただ19時30分を過ぎそうなので、ブンブン脚を回します。
ここら辺かなとSTRAVAを確認したら・・・・500m程、通り過ぎていまいした。宿に付いたのは19時45分。予定を3時間近くオーバーしています。
先にお風呂に入らせて頂き、新鮮な魚の夕飯をたっぷりと頂きました。生き返るとはまさにこの事。
伊豆半島、少し小さな房総半島とナメてました・・・・
全部、ヒルクライムじゃねえか!!!
坂の無間地獄を観ました・・・・
荷物、捨てたくなりました・・・。
そうですか「雲見温泉」という所ですか。ひなびた風情があって良い所だとは思ったのですが、ここら辺に宿を取っておけば温泉にも入れて幸せだった。この先は「悪夢」を見ました。
夕日を背景にした彫刻の数々、幻覚では無かったのですね。もう、何岬だか、何が丘だかゴチャゴチャで分かりません。ただ、予約した宿に早く辿り着かないとご迷惑が掛かるので、その責務を果たす為だけにペダルを回しました。
逆に、宿を取っていなければ、雲見温泉のどこかに転がり込んでたでしょう。だって、この先、。明らかに人が住んでいそうに在りませんでしたから・・・。
あの道を自転車ですか…これってサイクリストの何%位がクリアできるものなのでしょうか….
猿は,波勝崎のサル園が閉鎖になったのでそれであふれてきているのかも知れませんね.
あ,途中の彫刻は幻覚ではありません笑