ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ヤン・ブリューゲル&ルーベンス 「パンとシュリンクス」

2017年11月06日 |  ∟ドイツの美術館

 ドイツ カッセル/ヴィルヘルムスヘーエ城・古典絵画館編 (8) 中欧美術館絵画名作選 (111)

 花のブリューゲルと呼ばれたヤン・ブリューゲル(父)(1568-1625)とバロック期を代表するフランドルの画家ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640 )、しばしば共同で描いたことで知られている。

 そのふたりの共同作品 「パンとシュリンクス」(1617-19年/40×61cm)が今回の作品。

 主題は、牧神、牧羊神とされ山羊の脚と小さな角をもつパンが、狩猟・貞潔の女神アルテミスの侍女でニンフのシュリンクスに恋をしたことから始まるギリシャ神話の一章。

 女性にだらしないパンは、狩りで見かけたシュリンクスを追いかける。
 必死で逃げるシュリンクス、ラドン川岸まで逃げたもののその川を渡れないと絶望、水中のニンフたちに 「葦に変身させて」と頼み、パンの手から逃れることができた。

 捕まえ損ねたパンは、風にそよいで鳴る葦の葉から思いつき、葦笛を作りシュリンクス、いわゆる簫(笙)の笛と名付けたという。

 ちなみにパンは、しばしば牧歌詩人たちに崇拝された神として扱われるが、パニック・ Panic の語源に由来するよう、時には恐神として扱われている。

 二人は共作の中で最も傑出した作品とされる 「<楽園のアダムとイブ>」(1615年頃/マウリッツハイス美術館蔵)を描いてい、そこではルーベンスが人物を、ブリューゲルが得意としていた動物を描いている。
 本作でもルーベンスの<豊潤な肉体表現>を、ヤン・ブリューゲルが葦原と花や水鳥などで補い、臨場感溢れる作品に仕上げている。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1429

 


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