※ ドイツ/ドレスデン国立美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(2)
中欧絵画名作選とはまた大仰な題を付けたものだ、と我乍ら思わないでもない
ドイツに加えてウィーンの好きな美術館の、それも好きな絵だけを採り上げるための言い訳に、と思っただけのこと、さして意味がある理由(わけ)ではない。
ドレスデン国立美術館のアルテ・マイスター絵画館に入る前に、少しこの街のことを知っておきたい。
ところで、国立美術館のアルテ・マイスターと投稿したのは他でもない、同美術館には旧バイエルン公国の首府<ミュンヘンの美術館>と同じようにノイエ・マイスター絵画館がある。
前書きが長くなったが、ドレスデン、ドイツ連邦共和国の東南部、ザクセン州の州都でありエルベ川の谷間に位置、人口は約50万、ドイツ有数の大都市である。
旅の案内誌 「地球の歩き方」に、“ かつて 『百塔の都』 とうたわれ、16世紀にザクセン公国の首府として繁栄した ” とある。
だが、“ バロック様式の壮麗な宮殿や教会、貴族の館が建ち並び、『エルベ川のフィレンツェ』 とも称えられた美しい街は、第二次大戦の空襲で一夜にして破壊された ” とも。
しかし、“ 瓦礫の山だったオペラハウスや教会は、東西統一後、見事に蘇った ” という。
それらのことは、名作巡りの箸休めに追いおいご紹介したい。
エルベ川畔に建つホテル、ウェスティン・ベルビュー(上段/左)から川畔の公園(上段/中)を抜けるとアウグストゥス橋(中段/左)、その橋には新旧の市街を結ぶトラム・路面電車(中段/中)が走る。
ちなみにイタリアの景観画家ベルナルド・ベロット(1721-1780)は、公園からの眺めを 「アウグスト橋下流のエルベ川右岸から見たドレスデン」(上段/右)としてキャンバスに切り取っている。
その橋を渡るとそこは敷石の旧市街地区(中段/右)、中世に一気にタイムスリップしたかのよう。
旧市街地区の一角に、ザクセン公国の栄華を今に残すツヴィンガー宮殿(下段/左)があって、なかのひとつがアルテ・マイスター絵画館(下段/中)。
これから、カタリナ が “ 旅のメモ帳に残した独り言 ” を交え乍ら、そこに架る名作を訪ねる旅を始める。
明治の文豪森鴎外はこの街を、“ 王都の中央にてエルベ河を横切る鉄橋の上より望めば、シュロス(城)、ガッセ(通り)に跨りたる王宮の窓、こよひは殊更にひかりかがやきたり ” と、「舞姫」「うたかたの記」とともにドイツ留学中の三部作とされる 「文づかひ」のなかに書いたとか。(池内紀著:ドイツ町から町へ/中公新書)
実際、薄暮から夜にかけて、ホテルの部屋からエルベ川越しに望む旧市街(下段/右)は、絵に描いたように美しく煌めいて見えた。
例によって拙い写真ばかりだが、連載を通じてこの街の雰囲気を聊かなりとも感じて頂けたら幸い。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1094
※ 「中欧の美術館を訪ねて」へは、<コチラ>からも入れます。
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