ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

エルベ川のフィレンツェ ‐ アルテ・マイスター(1)

2016年02月15日 |  ∟ドイツの美術館

 ※ ドイツ/ドレスデン国立美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(2)

 中欧絵画名作選とはまた大仰な題を付けたものだ、と我乍ら思わないでもない
 ドイツに加えてウィーンの好きな美術館の、それも好きな絵だけを採り上げるための言い訳に、と思っただけのこと、さして意味がある理由(わけ)ではない。

 ドレスデン国立美術館のアルテ・マイスター絵画館に入る前に、少しこの街のことを知っておきたい。
 ところで、国立美術館のアルテ・マイスターと投稿したのは他でもない、同美術館には旧バイエルン公国の首府<ミュンヘンの美術館>と同じようにノイエ・マイスター絵画館がある。

   

 前書きが長くなったが、ドレスデン、ドイツ連邦共和国の東南部、ザクセン州の州都でありエルベ川の谷間に位置、人口は約50万、ドイツ有数の大都市である。

 旅の案内誌 「地球の歩き方」に、“ かつて 『百塔の都』 とうたわれ、16世紀にザクセン公国の首府として繁栄した ” とある。
 だが、“ バロック様式の壮麗な宮殿や教会、貴族の館が建ち並び、『エルベ川のフィレンツェ』 とも称えられた美しい街は、第二次大戦の空襲で一夜にして破壊された ” とも。

 しかし、“ 瓦礫の山だったオペラハウスや教会は、東西統一後、見事に蘇った ” という。
 それらのことは、名作巡りの箸休めに追いおいご紹介したい。

    

 エルベ川畔に建つホテル、ウェスティン・ベルビュー(上段/左)から川畔の公園(上段/中)を抜けるとアウグストゥス橋(中段/左)、その橋には新旧の市街を結ぶトラム・路面電車(中段/中)が走る。

 ちなみにイタリアの景観画家ベルナルド・ベロット(1721-1780)は、公園からの眺めを 「アウグスト橋下流のエルベ川右岸から見たドレスデン」(上段/右)としてキャンバスに切り取っている。

 その橋を渡るとそこは敷石の旧市街地区(中段/右)、中世に一気にタイムスリップしたかのよう。
 旧市街地区の一角に、ザクセン公国の栄華を今に残すツヴィンガー宮殿(下段/左)があって、なかのひとつがアルテ・マイスター絵画館(下段/中)。
 これから、カタリナ が “ 旅のメモ帳に残した独り言 ” を交え乍ら、そこに架る名作を訪ねる旅を始める。

    

 明治の文豪森鴎外はこの街を、“ 王都の中央にてエルベ河を横切る鉄橋の上より望めば、シュロス(城)、ガッセ(通り)に跨りたる王宮の窓、こよひは殊更にひかりかがやきたり ” と、「舞姫」「うたかたの記」とともにドイツ留学中の三部作とされる 「文づかひ」のなかに書いたとか。(池内紀著:ドイツ町から町へ/中公新書)

 実際、薄暮から夜にかけて、ホテルの部屋からエルベ川越しに望む旧市街(下段/右)は、絵に描いたように美しく煌めいて見えた。
 例によって拙い写真ばかりだが、連載を通じてこの街の雰囲気を聊かなりとも感じて頂けたら幸い。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1094

  「中欧の美術館を訪ねて」へは、<コチラ>からも入れます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 古色蒼然 | トップ | クラナハ(父) ‐ アルテ・マ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

 ∟ドイツの美術館」カテゴリの最新記事