時の過ぎるのは今更ながらに早い。
この春からブログをはじめたが、その心境を、“ 桜が盛んだった3月の末に職を離れ、浪人生活の開放感と迷子になったような、寄る辺ないふわふわとした気持ちの狭間にいる ” (2009/05/03)と書いた。
両親をはじめ多くの人が設えてくれた道を、真っ直ぐに歩こうと思えば歩けたものを、何を好んで肩を怒らせながら折れて曲がって歩いたのか。
そんな来し方だが、若い頃に読んだA・J・クローニンの「青春の生きかた」(三笠書房刊)の主人公を思い出し、彼に比べ「何ほどの努力をしたのだ」と嘆きながらも今となればそれも愛おしい。
立身出世にはとんと縁がなく、大志を果たすため身を粉にする訳でもなく、平々凡々の勤め人の生活だった。
その分相応のささやかではあるが幸せな人生を支えたくれたのは、勿論、妻。何度か会社を辞めると駄々もこねたが、その度に諌め励まし支えふたりの子供を育ててくれた。
そんな妻へのご褒美に日曜の昼、「この秋、ハーグのマウリッツハイス(写真上)に行こう」と誘うと、「あなたが行きたいだけでしょ」とにべもない返事が返ってきた。
そのうえに、「どうせ決めちゃってるんでしょうけど、テートブリテンとマルモッタンだけは外さないで」の声が重なる。
折から、長崎の原爆犠牲者への追悼の模様がテレビから流れていた。
私達の歴史とほぼ重なる「平和の時間」が、多くの犠牲者から贈られた大切なものなのだと改めて思いながら、「なんやロンドン(写真下)とパリ?おのぼりさんみたいやなあ」と、些か憮然とマイレージを交換するため航空会社のホームページにアクセスした。
あたかも今日、64回目の終戦の記念日。
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