ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

フェルメール 「真珠の首飾りの女」

2017年05月03日 |  ∟ドイツの美術館

 ※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (6) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (58)

 NYのフリック・コレクション、最期の作品がヨハネス・フェルメール(1632-1675)の 「<婦人と召使>」(1667-68年頃)だった。
 その作品では、モデルの女性の衣装に謎が残り、それを解くヒントが彼の 「真珠の首飾りの女」辺りにあるのではないかと書いた。

 そのフェルメールの 「真珠の首飾りの女」(1664年頃/55×45cm)が今回の作品。

 本作の主要なモチーフとなっているのが真珠。
 彼は「婦人と召使」や「<恋文>」(アムステルダム国立美術館蔵)、「<手紙を書く女性>」(ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)などの関連作品、そして傑作「<真珠の耳飾りの少女>」(マウリッツハイス蔵)などの多くの作品でそれを用いている。

 本作では、窓の手前に架けられた小さな鏡に向かって、その真珠の首飾りが似合うかどうか確かめているように見える。
 また、黄色いリボンを結ぼうとしているかのようにも見える。

 何れにしても、微かに頬を緩めているかに見える表情から満足しているであろうことが窺える。

 ただ、それにしては鏡の位置が高く小さ過ぎるようにも、女性が僅かだが右側にずれているようにも見え、聊か不自然さ、曖昧さを残してい、付け加えるならば、窓にもひとつの特徴が見られる、が、それはフェルメールの次稿で。

 テーブルには白粉の刷毛、小さな櫛、銀の蓋の皿のようなものが置かれ、それらのものからこの部屋が、妻のカタリナの寝室ではないか、と推測されている。

 彼が亡くなった時、手許にあった四作の内の一点とされる本作、それは、彼にとって特別な作品であったことを示唆し、モデルが、若かりし頃の妻、の可能性が高いとされる所以でもあるようだ。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1304


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