ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ルノワール ‐ コートールド美術研究所(6)

2015年01月09日 |  ∟イギリスの美術館

 僅か十数室ほどの展示室の小さなギャラリー、コートールド美術研究所。
 マネ(1832-1883/フランス)に始まりドガ(1834-1917/フランス)まで、印象派の秀作を投稿してきたが、今回はその最終回。

 印象派で特に名が知られているのが巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919/フランス)。
 セザンヌ(1839-1906/フランス/後期印象派)やドガとは違い、労働者階級に生まれた彼は社会的な向上心が強く、パトロンや愛好家の獲得に長け、自身の様式的特色を残し乍らも巧みに彼らの好みや意向に合わせたとされている。

 女性的ともされる流動的で奔放な筆勢、明るく多彩な色使い、ふくよかで官能的な裸婦の表現、揺らめく木漏れ日による人物や風景への効果を表現したことでも知られている。

 その彼の絵は、初期の重要な代表作とされる「桟敷席」。

 本作に描かれるのは、当時の女性らが最も華やかに映える場所のひとつであった劇場の桟敷席、正面に対して一段高く設けられた左右の席での男女の姿。

 美術書には、“ 白黒を色彩の基調としながらも柔和で瑞々しい筆触は、初期の表現様式が表れている ” とある。

 また、“ 背後でオペラグラスを手にする男は、舞台そっちのけで他の桟敷席の女性を眺めてい、当時における日常を活写している ” ともされているよう。
 女性にもてる男性は根がまめとされているようだが、いやはや昔も今もちっとも変わらないようだ。

 ナショナル・ギャラリーのレストランで少し遅めのランチ。
 白ワインを聞こし召しほろ酔い機嫌で小春日和のロンドンの街を散策。
 テムズ川畔のロンドン大学、その構成カレッジのひとつコートールド美術研究所のギャラリーを訪ね、名作にあらためて酔ったという訳である。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.918

 ※ 前号、コートールド美術研究所(5)へは、<コチラ>から入れます。


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