ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

マティス 「エジプトのカーテンがある室内」

2016年12月07日 |  ∟アメリカの美術館

 ※ ワシントンDC/フリップスコレクション(12) ‐ DC&NYの美術館にみる泰西名画選(12)

 フリップスコレクション、かの<ゲルニカ>を描いた<ピカソ>(1881-1973/スペイン)の 「青い部屋」、ブラック(1882-1963/フランス)の 「丸いテーブル」なども所蔵しているが、このキュビズムをはじめとする20世紀芸術というスタイル、僕(やつがれ)には聊か手に余る。

 とはいえ<ゴッホ>(1853-1890)や<ゴーギャン>( 1848-1903)など、後期印象派の影響を受けたとされるアンリ・マティス(1869-1954/フランス/フォーヴィスム・野獣派)は、是非とも取り上げておきたい。

 で、自然をこよなく愛し、緑あふれる世界を描き続け、色彩の魔術師とも謳われたそのマティスの 「エジプトのカーテンがある室内」(1948年)が今回の作品。

 ところで、マティス自身は、フォーヴィスムと呼ばれ見なされることをひどく嫌い、その活動は1905年からの3年ほどの間だけだったとされているようだ。

 それ以降は、比較的静かで心地の良い作品を描くようになったとされるマティス、線の単純化、色彩の純化を追求した結果 「切り絵」に到達したとも言われている。

 作品に戻ろう、御年79歳の手になる本作、大胆な構図と色使い、取り分け黒のカーテンのデザインは、6年後に死を迎えるまで、“ 彼の心を占めた切り絵の源のひとつだった ” とされているのだそうだ。

 椰子の枝を越して差し込む陽光、窓際の小卓の白い皿に盛られた黄色い果物、画面の三分の一を占めるエキゾチックなカーテン、純化された色彩から南仏の明るさが画面一杯に広がり、見る者までも明るくさせる、そんな、作品だと思いませんか?
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1225


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