昨日といひ 今日と暮らして あすか川
流れてはやき 月日なりけり (古今和歌集/春道別樹)
年のはてによめるとして、“ 昨日はといい、今日はといって暮らしてまた明日になって・・・、川の流れのように早い月日だったなあ ” と、平安歌人の春道別樹(はるみちのつらき)は詠んでいますが、ほんと、過ぎて仕舞えば早いものですね。
斑呆け酔狂、昨夕食の名も覚束かない有様ですが、それでも顧みればいろんなことがあった一年でした。
熊本地震や豪雨をはじめ自然の猛威になすすべもなく立ち竦み、連日の酷暑のなか障害者施設での殺戮に身の毛もよだつ思いも。
天皇陛下が退位のご意向を示唆されたのもリオ五輪で日本選手が頑張ったのも、その夏の暑い日のことでした。
また、東京の新・旧知事や新市場や五輪関係のことが、飽きることなく報じられた(る)のも、関西で暮らす僕(やつがれ)にとっては正直言ってうんざりでした。
米国の新大統領誕生や韓国の大統領の取り込まれには笑ってしまいましたが、頻発する無差別テロ、市井につつましく暮らす人々が難民となって苦しむ報道に胸が痛みました。
省みて酔狂、若い頃のように嬉しいこと、楽しいことがある訳じゃありませんが、今年は入院することもなく、ただ平々凡々に過ごせたのは、仕合せと言えば仕合せだったでしょうか。
明日からの日々が、穏やかで明るく、愛と希望に満たされるように願うばかりです。
で、この日の一枚となれば、やはり、東山魁夷の 「年暮る」(山種美術館蔵/昭63年初夏、京都市美術館「東山魁夷展」図録から)でしょうか、小編、<再登場>です。
小編にアクセス頂き、ありがとうございました。 よい年をお迎え下さい。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1237