MotoGP 第17戦 バレンシアGP プレビュー
■開催日:2009年11月6日(金)1日目フリー走行、7日(土)予選、8日(日)決勝
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット
CIRCUIT DATA
■開設:1999年
■コース長:4.005km
■サーキットレコードラップ:1分32秒582(2008年:C・ストーナー)
■サーキットベストラップ:1分31秒002(2006年:V・ロッシ)
■2008年の優勝者:
[MotoGP] C.ストーナー(ドゥカティ) 46:46.114
[250cc] M.シモンセリ(ジレラ) 43:29.003
[125cc] S.コルシ(アプリリア) 40:45.715
■リカルド・トルモサーキット
グランドスタンドからコース全体が見渡せるスタジアム状のサーキット。
タイトな低速コーナーが連続するテクニカルな反時計回りのコースで、ピックアップ特性のよいエンジンと旋回性に優れたマシンが求められる。
ロスしたタイムをばん回する区間や抜きどころが少ないので、スターティング・グリッドを争う予選がとても重要になる。
■特徴
バレンシアサーキットは、1999年に完成し、2002年からは毎年最終戦に定着している。
コースの特徴は、スタジアム的なスタイルで、グランドスタンドからはコース全体が見渡せるようになっている。
そのグランドスタンドの観客収容能力は、15万人もあり、毎年10万人以上の観客が訪れ非常に盛り上がる事で有名だ。
コースはアップダウンがほとんど無く、1周4,005mで、870mのストレートと右5、左9の低中高速のコーナーが組み合わされている。
全体として低速コーナーが多い為、MotoGPでの平均速度は158km/hと、GPコースでは3番目の低速サーキット。
テクニカルなレイアウトで、ライダーにとっては忙しく気が抜けないコースとなっている。
■パッシングポイント
1、2コーナーの進入。
8コーナーの進入。
非常にパッシングポイントが少ないので、予選順位が重要で、スタート後の1、2コーナーでのポジション争いが激しくなる。
■タイヤ
タイヤの左右温度差が大きくなるコースである。
右コーナーが少なく、この時期は気温も低く、右側に熱が入りにくい。
しかし、レースは30周と周回数が多く、コーナーの割合が多いので、左側は耐久性が厳しくなる。
旋回性と加減速がポイントとなり、フロントとリアのバランス、そしてエッジグリップ、トラクションと、それらの耐久性が重要。
ブリジストン持ち込みタイヤ
リア : ミディアムとハード(左右非対称スペック)
フロント : ソフトとミディアム
■その他
昨年は、ストーナーがポールポジションから優勝。
予選2番手のペドロサ選手が2位になっている。
ロッシは3位だったが、予選は10番手と低迷していた。
バレンシアはロッシにとって鬼門で、2006年のチャンピオンの掛かった最終戦では転倒し、13位となりチャンピオンをヘイデンに奪われた。
2007年のバレンシアでもリタイアしており、2004年に勝ったのを最後に勝利から遠ざかっている。
2006年には、ドゥカティのジベルナウが怪我の為欠場し、代役出場したT.ベイリスがGP初優勝あげている。
その時の2位はドゥカティのカピロッシだった。
今回は、ワイルドカードライダーとして、来年ヤマハテック3からフル参戦する、B.スピーズ選手がヤマハレーシングチームから出場。
スピーズは、昨年インディアナポリスGPで、スズキからワイルドカード出場して6位に入賞した実績を持つ。
プラマック・ドカティのカネパは、怪我からの回復が進んでおらず欠場することになった。
セパンに引き続き、代わりにエスパルガロが出走する。
■バレンシア観光情報
バレンシアは、スペインの東部に位置し、マドリードとバルセロナに次ぐ、人口75万人のスペイン第3の都市である。
気候は温暖で、地中海の沿岸らしく穏やか。
道幅の広い大通りに囲まれた旧市街は、入り組んだ狭い小路と教会や民家、宮殿、市場などが、人々の生活とともにひしめいている。
毎年3月19日までの1週間、市内の主要な交差点に特大の張り子人形を並べて火をつける火祭りは有名。
陶器やオレンジ、米の産地としても知られている。
この米と良質の水を使ったスペインの名物料理、パエリアはバレンシアが本場。鰻料理もこの地方の名物料理である。
火祭り(ファジャ、Fallas)
中世から続くバレンシアの伝統行事で、スペインに春の訪れを告げる祭り。
毎年3月12日から19日まで行われる。
ファジャと呼ばれる紙と木材だけで作られた高さ20mほどの様々な人形が300体ほど町中に飾られ、最終日19日のサン・ホセの日に一斉にそれが焼かれる。
毎年投票で1位になったファジャの一部は火祭り博物館に殿堂入りする。
セビリヤの春祭り(Feria de Sevilla) 、牛追いで有名なパンプロナのサン・フェルミン祭り(Fiesta de San Fermín de Pamplona) と共にスペイン三大祭りの一つ。
カテドラル(Seu de València)
13世紀中頃から14世紀末にかけて建設されたゴシック様式の大聖堂。
後に改修された部分にはバロックやロマネスクなどの様式によるものもある。
キリストの最後の晩餐で使用した聖杯は必見。
ミゲレテの塔(El Micalet)
カテドラルの角に建つ八角形の塔。
旧市街には高い建物が少ないため、塔の上に登るとバレンシア市内を見渡すことができる。
ラ・ロンハ(Llotja de la Seda)
15世紀末にゴシック様式で建設された「絹の交易所」。世界遺産(文化遺産)に登録されている。
日曜日には 古切手、古コイン市がたつ。
中央市場
バレンシアの台所。果物1つから 量り売り。
国立陶器博物館(Museo Nacional de Ceramica)
パテルナ、マニセス、アルコラなどのバレンシアの3大陶器のほか、スペイン内外の陶磁器を鑑賞できる。
ドス・アグアス候爵の館を利用した博物館なので、展示品以外にも建物の彫刻や絵タイルなどといったものも見どころ。
火祭り博物館(Museo Fallero)
3月の火祭りのために作った人形のうち、審査で1位を獲得したものだけ燃やさずにこの博物館で展示している。
芸術科学都市(Ciutat de les Arts i les Ciències)
バレンシア州が今、一番力を入れている観光施設。
芸術と科学に関する複合施設。
5つの現代建築によって構成され、どれもヨーロッパ最大級の規模。
現在 IMAXシアタ-、科学博物館、水族館がオ-プンしている。
水族館は ヨ-ロッパ最大級。海底レストランもあり、人気スポット。


■天気
■タイムスケジュール(日本時間)
Friday, 06 November
125 FP1 20:40 - 21:40
MotoGP FP1 21:55 - 22:55
250 FP1 23:10 - Sat-00:10
Saturday, 07 November
125 FP2 17:00 - 17:40
MotoGP FP2 17:55 - 18:55
250 FP2 19:10 - 20:10
125 QP 21:00 - 21:40
MotoGP QP 21:55 - 22:55
250 QP 23:10 - 23:55
Sunday, 08 November
125 WUP 16:40 - 17:00
250 WUP 17:10 - 17:30
MotoGP WUP 17:40 - 18:00
125 RAC 19:00
250 RAC 20:15
MotoGP RAC 22:00
Local Time Zone: GMT +1 hours
■TVオンエア情報

G+SPORTS & NEWS
予選
11月8日(日) 12:30~13:45
決勝
11月8日(日) 18:45~23:30[生放送]
11月10日(火) 17:00~21:15
11月17日(火) 17:00~21:15
※放送日時、内容は変更になる場合があります。最新の情報は、各放送局にお問い合わせください
昨年のリザルト
1 : Casey STONER
2 : Dani PEDROSA
3 : Valentino ROSSI
4 : Andrea DOVIZIOSO
5 : Nicky HAYDEN
6 : Colin EDWARDS
7 : Shinya NAKANO
8 : Jorge LORENZO
9 : Loris CAPIROSSI
10 : Alex DE ANGELIS
11 : James TOSELAND
12 : Sylvain GUINTOLI
COMMENT
YAMAHA
V・ロッシ
「タイトルを決定してから最終戦を迎えられるのはとてもハッピー!
プレッシャーはもう無いので、僕だけでなくてチームのみんなも楽しんでレースに臨むことができるよ。
ここまで本当に素晴らしいシーズンで、いよいよあと一戦だけというところまできた。
そしてそれが終わればもう、2010年に向けての仕事が始まるんだ。
バレンシアではあまりいい成績がなくて、逆に何度か失敗もしているけれど、今年はすべてがとても順調で、マシンもどのコースでもよく走ってくれるので今年こそはと期待している。
ここは雰囲気が最高だから、シーズンの締めくくりにはもってこいの場所!
僕らはとにかくベストを尽くし、ここでもう一度いいレースをお見せしてシーズンを終えたいと思っている。
そして月曜日にはもう、新型M1のテストが始まる。
今からとても楽しみだよ!」
D・ブリビオ、ロッシ・チーム監督
「ついに最終戦がやってきた。
チームとしての仕事を完成し、タイトルを決定してこのレースを迎えることができるのは素晴らしい気分だ。
セパンでの出来事は誰にとっても忘れがたいもの。
チームのみんなと、そしてもちろん、頂点を追求することを決してあきらめようとしないバレンティーノとの努力が実を結び、あのような素晴らしい瞬間を迎えることができたと思う。
さらにこの最終戦を好成績で締めくくるために、今回も今まで通りにベストを尽くすつもりだ。
そして次の月曜日からは、早くも2010シーズンに向けての2日間のテストを予定している。」
J・ロレンソ
「バレンシアは最終戦として最高の舞台だと思うんだ!
地元だから大勢のファンが応援してくれるからね!
ここではまだ優勝したことがないし、ヤマハとの相性も最高というわけではないことはわかっているけれど、今回はそれを覆してできる限り良い形でシーズンを締めくくりたいと思っているよ。
この2戦は、ちょっと苦労しちゃったから余計にね!
それにランキング2位を獲得するためにはあともう1ポイントが必要なんだ。
それを何とか、表彰台あるいは優勝で決めたいんだ。
それがこのバレンシアでの目標だね。
このコースでのベストレースは2005年の2位。
でも一番の思い出はやっぱり、2006年にここでチャンピオンを決定したことかな。
2009年はここまで僕にとってもヤマハにとっても素晴らしいシーズン。
このホームレースでファンのみんなと喜びを分かち合いたい。」
D・ロマニョーリ、ロレンゾ・チーム監督
「最終戦に向けての準備は整った。
チャンピオンシップのウイナーはすでに決まったが、我々の仕事はまだ終わっていない。
少なくともあと1ポイントがどうしても必要なのだ。
それが実現して初めてホルヘのランキング2位が決定する。
理論上、それは難しいことではないが、レースではどんなことも起り得る。
だからいつも通りにベストを尽くし、最高の形、つまり表彰台に上ってシーズンを締めくくりたい。
スペインでのレースはホルヘに更なるモチベーションを与えることになるだろう。
ホルヘはここでもう一度、モトGPファンのために見事なショーを披露してくれると確信している。
今までと同じようにね!」
HONDA
ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング4位)
「バレンシアのグランプリは毎年楽しみにしている。
今年もそれは変わらないし、地元ファンの期待に応えたい。
バレンシアはタイトなコーナーが続く独特なレイアウトだが、好きなコース。
とにかく、どこを走っていてもファンの熱烈な声援を感じとることができるし、大きな力になる。
過去、バレンシアではいいレースをしてきたし、今年もいい形でシーズンを終えたい。
この季節のバレンシアは雨が降ることも多い。
しかし、前回のマレーシアでは、初めてウエットレースで表彰台に立てたし、今大会に向けて大きな自信になった。
とにかく開幕が楽しみだ。」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング5位)
「バレンシアGPの盛り上がりのすごさにはいつも圧倒される。
とにかく最終戦にふさわしいすばらしい大会だ。
バレンシアは、タイトでスローコーナーが多く、決して得意ではないが、シーズン終盤にかけて調子が上がっているので楽しみにしている。
前回のマレーシアは、転ばなかったらいい結果を残せたと思うし、本当に残念なレースだった。
今回は自分のために、そしてチームのためにも、結果につなげたい。
昨年は4位といい結果を残せた。
今年もこれが最終戦なのでいいレースをしたい。」
アレックス・デ・アンジェリス(MotoGP ランキング9位)
「今年はシーズンを通して低速コーナーの安定性に苦しんできたので、バレンシアは、厳しいレースになることが予想される。
ここは、ハイスピード区間がなく、タイトなコーナーが続く。
今年に限らず、過去の大会でも、バレンシアではグリップの問題に苦しんできた。
しかし、06年には250ccで優勝することができたし、この数年は、このサーキットを攻略してきたという実感がある。
今大会は、このチームでMotoGPクラスを走る最後のレースになる。
悔いのないよう、そして総合7位を目標にベストを尽くしたい。」
トニー・エリアス(MotoGP ランキング10位)
「オーストラリアとマレーシアの2連戦は、完ぺきなレースはできなかったが、最終戦に向けて大きな手応えをつかめた。
今年はシーズンを通してリアのグリップに苦しんできた。
タイトなコーナーが連続するバレンシアは、これまでのデータでは苦しい戦いが予想される。
しかし、自分にとってバレンシアはホームGPであり、ファンの声援に応えられるようベストを尽くしたい。
シーズン最後のレース。
バレンシアはいつも最高の雰囲気。
日曜日にみんなが喜んでくれるようなレースにしたい。」
ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP ランキング12位)
「前回のマレーシアで転倒していなければ、今大会は、最高のモチベーションで挑めるレースだった。
それだけに今回は、マレーシアの雪辱を期す戦いになる。
そしてレースが終わったときに、自分にとって、チームにとって、みんなが喜べるリザルトでシーズンを終えたい。
250ccクラスでは、過去いいレースをしてきた。
今年は、そんな結果になることを期待しているし、トップグループで戦いたい。」
ガボール・タルマクシ(MotoGP ランキング17位)
「バレンシアは得意なサーキット。
昨年もすばらしいリザルトを残すことができた。
今大会は今年最後のレースなので、ベストリザルトで一年をしめくくりたい。」
250cc
青山博一(250cc ランキング1位)
「もう何度も聞かれているが、タイトルがかかっている最終戦も、これまで同様、優勝を狙って戦いたい。
チャンピオンシップはシモンセリとの戦いになっているが、ポイント差を計算せず、全力で戦いたい。
前回のマレーシアは、久しぶりに優勝できたので、とてもうれしかった。
バレンシアは大好きなサーキットなので、250cc最後のレースを優勝で飾れるようにがんばりたい。」
ラファエレ・デ・ロサ(250cc ランキング7位)
「250cc最後のレースになるので、納得のいくレースにしたい。
目標は2つ。1つは、250cc最後のシーズンで、ルーキー・オブ・ザ・イヤーのタイトルを獲得すること。
ポイント差は接近しているし、このタイトルを取ることに集中したい。
もう1つは250cc最後のレース。
250ccには1年間しか乗れなかったが、自分にとってのベストレースにしたい。」
ヘクトル・ファウベル(250cc ランキング9位)
「今回はホームGPであり、最終戦なので、ベストを尽くしたい。
チャンピオンシップも総合5位のパシーニとは23点差だが、それからは数点差の接戦になっているので、できるだけポジションを上げたい。
バレンシアGPの開幕に向けていくつかのイベントにも参加してモチベーションは高い。
2ストローク250cc最後のレース。
とにかく、ファンの期待に応えられるようベストを尽くす。」
ラタパーク・ウィライロー(250cc ランキング13位)
「マレーシアGPから今大会までの間、ケガをしている背中の治療を行い、状態はかなりよくなってきた。
今大会は今年最後のレースで、2ストローク250ccクラスのラストランになるので、いいレースにしたい。
250ccクラスがなくなるのは残念だが、それだけに悔いのないレースにしたい。」
富沢祥也(250cc ランキング18位)
「シーズン最後のレースで250cc最後のレースになるので、悔いのないようにベストを尽くしたい。
今年は、本当に多くのことを学べた。
失敗も多かったが、最終戦では、今年の成果を発揮できるような戦いにしたい。」
青山周平(250cc ランキング20位)
「バレンシアは嫌いなサーキットではないが、セッティングを出すのが難しいコース。
前回のマレーシアとはかなり違ったセットアップが要求されるし、金曜日、土曜日の走行でしっかりとバイクを仕上げたい。
前回のマレーシアは、このチームのベストリザルトとなる10位でフィニッシュできた。
今回は、目標のシングルを狙ってベストを尽くしたい。」