友人の妹、あかねは‥21才‥イタリア料理を習うために、ミラノに来た。
長期滞在だ。すこし落ち着いたとき、大家がちかくの人達を集めて歓迎会を
開いてくれた。
ご馳走を食べたあと、歓談になった。
隣人たちは、彼女にしきりに感心していた。
「遠いイタリアまでよく親御さんは送り出したもんだ。」
「もう大人ですからね。だけど泥棒だけは気をつけろと」
とあかねが答えると、ひとしきり泥棒談議になった。
「そういえば、この前路上駐車していたら、ハンドルをぬすまれたわ」
「最近、空き巣が流行っているから、玄関を釘で打ち付けちゃったわ」
するといままで、黙っていた大家がおもむろに口を開いた。
「あかねさん、でもすべてのイタリア人が泥棒って訳ではありませんよ」
あかねは思った。わたしはなんて失礼のことを言ってしまったんだろう。
自分を受け入れてくれたこの親切の人達のなかで、よりによってこの国の
恥部を口にしてしまうなんて。
.....と後悔の念にさいなまれたあかねの顔から血の気が失せた瞬間、
さっきのご主人が言った。
「しかし、すべての泥棒はイタリア人ですよ。」
長期滞在だ。すこし落ち着いたとき、大家がちかくの人達を集めて歓迎会を
開いてくれた。
ご馳走を食べたあと、歓談になった。
隣人たちは、彼女にしきりに感心していた。
「遠いイタリアまでよく親御さんは送り出したもんだ。」
「もう大人ですからね。だけど泥棒だけは気をつけろと」
とあかねが答えると、ひとしきり泥棒談議になった。
「そういえば、この前路上駐車していたら、ハンドルをぬすまれたわ」
「最近、空き巣が流行っているから、玄関を釘で打ち付けちゃったわ」
するといままで、黙っていた大家がおもむろに口を開いた。
「あかねさん、でもすべてのイタリア人が泥棒って訳ではありませんよ」
あかねは思った。わたしはなんて失礼のことを言ってしまったんだろう。
自分を受け入れてくれたこの親切の人達のなかで、よりによってこの国の
恥部を口にしてしまうなんて。
.....と後悔の念にさいなまれたあかねの顔から血の気が失せた瞬間、
さっきのご主人が言った。
「しかし、すべての泥棒はイタリア人ですよ。」
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