パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

夏の旅〜シン・ゴジラ鑑賞

2016年08月20日 | 本・マンガ・テレビ・映画
8月19日(金)晴れ

娘の住む街に着いたその晩、何か食べに行こうと出かけるもお盆帰省客か金曜だからか、どこもいっぱい。
娘が「最初にこの街に面接に来た時行ったお店行こうか。」と、赤提灯に連れて行ってくれる。
おじいさんと、若い女の子二人でやってる小さな焼き鳥屋。
なかなか渋いお店であった。
翌日は、草取りで疲労困憊して二度も昼寝をした。
そして、夜帰宅した娘が「シンゴジラ見にいこう!」と言いだす。
レイトショー1300円なり。ま、いいでしょう。
何と!支配人が乗り古した軽自動車を譲ってくれるとのことで、車で帰宅。
娘のおぼつかない運転で映画館へレッツゴー!

チョー話題作の「シン・ゴジラ」
普段、あまりこういう系に興味のないワタクシであるが、ちょっとおもしろそうと思い娘の誘いに乗った。
二度、昼寝をしたとはいえ、慣れない肉体労働の疲れがどっと出て、途中何度も寝そうになる。
いや、映画はとてもおもしろく、息もつかせぬ場面の連続なのであるが、それ以上に草取りはワタクシにダメージを与えたってわけだ。
ゴジラより強い草取り。
それから、もう少し勉強してからでないと、ワタクシ、全く予備知識もなく入ったうえに、生来の知識不足もたたり、官僚とか役職とかがいまひとつピンとこない。
あとねぇ〜言っていいっすか?
最初、一番最初にゴジラが登場した時、「え?これがゴジラ?」ってちょっと笑いそうになった。
これが特撮ってこと?
もちっとCGで、なんとかなったんじゃないの?って思うワタクシはド素人ですからお許しを。
ゴジラって、造りもんっていうか人造物じゃなくて、生命体なんでしょ?
だったらもう少し生き物感があってもよかろうに、と思ったわけですよ、ワタクシ。
まあ、その後、進化して、よく見るゴジラの形になったら、目も慣れたのか最初の衝撃は消えましたけどね。
ド素人を盾に、感想を羅列。
長谷川博己がカッコ良かった。
前評判で「石原さとみが大統領特使でクォーターってどうなの?」みたいなツイート見たけど、いやいやアリでしょと思ったよ。
あまり彼女のこと、どうこう思ったことはなかったけど、女性の少ないこの映画で、かなりの大健闘とワタクシは思いましたね。
英語のしゃべり方も良かったし。
我が娘も「やっぱイーオンのCMやってるからかな」とヘンな感心のしかたしてました。
で、大きな話の流れとして、初めは政治家とか官僚とかにうんざりさせといて・・・そこからの・・・
日本人らしい仕事っぷり・・・からの、政治家もやる時はやる・・・
その裏に絡むアメリカ、とか、核とか。
(ここらへんを書くと夫が「オレが見るまでネタばらすなよ!と怒るのでこのへんで)
というストーリー展開も、ワタクシ好み。
おもしろかったね〜と言いながら、また娘のおぼつかない運転でドライブしながら帰る。
帰り着かない・・・
道に迷って、どんどんどんどん静かな暗いほうへと迷い込む。
母「ちょっと止まって地図見よう!」
娘「そうだね!でも、昔、ママって『道は繋がってるぅ〜〜』って走り続けてたよね。」
うっ・・・道は繋がってるけど、ここでは止めとこう、こんな夜中、知らない街では・・・
何とか無事に帰り着きました。良かった良かった。
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街結君と太郎君⑯

2016年08月20日 | 野望
晩ご飯は、トンカツだった。
ばあちゃんは、「ずっと一人暮らしだからねえ。男の子二人の食べる量って想像がつかん。」と言いながら
これでもかこれでもかとカツを揚げ続け、オレたちはそれをガツガツ食べた。
あいだで、近所の人たちが入れ代わり立ち代わりやってくる。
「孫が来てるんだってねえ。」といいながら上がり込んでくる。
天ぷらやら、白和えやらちゃぶ台に皿が増えていく。
そして、揚げたてのトンカツを新聞紙にくるんでばあちゃんが持ってくる。
物々交換の図だ。
太郎が「あ、昼間はありがとうございました。
あの野菜、何て名前でしたっけ?」と、3番目にきたおばあさんに聞く。
「フダンソウよ。明日ばあちゃんに酢味噌で食べさせてもらいなさい。
いや、ワケモンはマヨネーズの方が良かかねえ。」
オレなんて、昼間会ったじいさんもばあさんも、みんな同じ顔に見えてるっていうのに、太郎は顔どころか、名前まで覚えてる。
言葉だって、方言がきつくて、しゃべってる内容の半分くらいしか理解できない時があるのに
太郎は「え?そうか?オレ結構わかるぜ。ニュアンスニュアンス。」
9時になるとばあちゃんは「早寝早起き。早起きは三文の得。」と立ち上がり「あんたたちも早く寝なさいよ。」と寝室へ入っていった。
子どもじゃないんだから9時なんてまだ昼間だぜ。
オレたちは、テレビを見たり、寒いのに夜空を見に外へ出たりした。
太郎は相変わらずハイテンションに「すっげーーーー。なんなんだこの空。ここは北極か?
オーロラも出るんじゃないか?天の川も見えるんだろうなあ。
星ってこんなに見えるんだなあ。」と感激しきり。
「かあちゃんにも」と言いかけて口をつぐむ。
あの夜以降、太郎とは、千春さんと荒木さんのことについて何も話してない。
ただ、荷物をとりに一回うちへ帰った時に、置き手紙をして、
スマートに寄ってしばらく休むって話はしてきたって言ってた。
イマドキ太郎は携帯を持っていない。
オレの携帯には、ママ猿から「ケンちゃんママとは話をしたから、ケンちゃんが落ち着くまでそっちにいなさい。
帰りは5日の便を予約してあるけど、おばあちゃんに言えば、航空券の変更はどうにでもなるから。」というメールが届いていた。
落ち着くってどういうことだろう。
太郎が、千春さんと荒木さんの恋を認めてあげるっていう心境になるってことか?
千春さんは、荒木さんと再婚したいのかな。
オレが黙り込んでる横で太郎はいきなり歌いだす。
♪流れ星流れ星~~~♪
をっ!スピッツか。
あの、恐怖ドライブの中、よく憶えたなあ。
太郎が「オレ、ずっとスマートにいるからさ、あんまり音楽は聞かなかったし、興味なかったんだけど
スピッツはいいな。
スピッツ=車酔いしないって式が成り立ったこともあるからかな。
街結は音楽聞く?」
太郎と仲良くなって、勉強したりしゃべったりする前は、オレは結構音楽にのめり込んでいた。
だからそこそこ詳しいぜと言いながら、フジファブリックやアジカンやバンプのことを教えてやった。
ばあちゃんから借りた綿入れ半纏を着て、星降る寒空の下、iPodのイヤフォンを片方ずつはめ、何時間も高校男子二人で志村の歌声を聞いていた。

翌朝、いや、またも目が覚めたら昼だった。
あわてて起きていくと、またもちゃぶ台にお昼ごはんと置き手紙。
「フラダンスに出かけます。夕方には帰る。サラダは冷蔵庫。」
大皿にホットケーキが山のように積み上げられ、トッピング用なのかチューブのホイップクリームやら
チョコレートシロップやらメイプルシロップが瓶ごとおいてある。
あ、冷蔵庫にサラダがあるんだな。
冷蔵庫の棚一段全部を占領している大鉢を引っ張りだすと、昨日もらったフダンソウで作ったサラダがこんもり盛ってある。
「ばあちゃん、洋風もいけるんだな。フラダンスならってるくらいだから気分がハワイアンだったのかなあ。」と太郎が牛のような勢いでフダンソウを食みながら言う。
「メモの字が少し怒ってないか?明日こそは早起きしないとな。」とコーヒーを入れながら太郎が言う。
太郎は、もうオレよりもばあちゃんちの台所を使いこなしている。
太郎曰く「ばあちゃんみたいな料理上手な人は、動線を大事にしてるから大体ものの置いてあるところがわかるんだ。
マスターもそうなんだ。」
気のせいか、太郎が「マスター」と口にする時、3秒くらいの空白を感じて、オレはちょっと緊張する。
どう思ってるか根掘り葉掘り聞くべきなのか。
それともそっとして、太郎がしゃべりたくなった時まで待つべきなのか。
気が短いばあちゃんが入れたコーヒーと同じ粉とは思えないほど、太郎の入れるコーヒーはおいしい。
シバが「散歩に行きますよ。」と、鼻と前足を上手に使ってガラス窓を開けて顔を差し込んでくる。
ホットケーキを食い過ぎたオレたちはまた、腹ごなしに、シバを先頭に散歩に出る。
シバは昨日とは違う方向へ歩き出し、とうとう道なき道になり、太郎が「シバ!お前、道間違ったんじゃないか?」と声をかけると
シバは「いいえ!」と言わんばかりに一言「ワン」と吠えて、どんどん先へ行く。
息を切らしてついていくと、急に視界が開けて、ばあちゃんちやら川やら見下ろせる。
「すげーな、シバ。おまえは名案内人だ!」と太郎がシバの頭をぐりぐり撫でる。
シバは得意そうに鼻を天に向ける。
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