またしても写真のような本を買ってしまった。世界の大鑑巨砲。軍艦の中でも戦艦が花形だった時代を綴った本である。
戦艦のスペックや戦歴は結構知っているが、設計の原案やその発案者などを取り上げた本書の内容は興味深い。史上最大の戦艦大和は有名だが、それをはるかに凌ぐ怪物戦艦を発想していた人が海軍にいたとは知らなかった。
大和を凌ぐといえば、超大和型とか言われる51サンチ砲6門搭載の戦艦がよく知られているが、この話はそれではない。大和の前、長門の時代に発想された化け物である。
当時戦艦の排水量(重さ)は3万5千トンくらい。世界最大級で4万5千〜5万トン。それが大和は基準排水量で6万4千トン、満載では7万2809トンにもなる。実際、大和を凌ぐ戦艦は現代に到るまで存在しない。空前絶後と言われる所以である。
ところがこの化け物戦艦、何と排水量が50万トンもあり、口径こそ41サンチながら(大和は46サンチ)主砲を100門も搭載している(大和は9門)。まさにやりすぎ戦艦といえよう。映画さらば宇宙戦艦ヤマトで崩壊した都市帝国の中から飛び出してきた超巨大戦艦。ああいう代物である。
荒唐無稽に過ぎ、実現の可能性がない計画であったかも知れないが、こういうものを海軍で発想していたというのは面白い。まだ読破していないので、これからどんな話が出てくるのか、楽しみな本である。