幸福学専門30年 筬島正夫が語る本当の幸せ


自著『第3の幸せ』【60ページ無料プレゼント中】         

新美南吉の「ごんぎつね」を絵本にした黒井健

2009-08-28 | 因果の道理
有名な新美南吉さんの童話「ごんぎつね」
何度読んでも、じんわりと心に染み入るお話です。

その「ごんぎつね」の絵本で代表的なのが
絵本作家・黒井健さんによるものです。



黒井健さんが「ごんぎつね」の絵本を書くことになった
いきさつを最近知りました。

※元記事はコチラ
 クマのプーさん ブログ:☆黒井健さんと「ごんぎつね」

 http://blog.livedoor.jp/amaki_fan/archives/51522015.html"target="_blank"


黒井健さんは、1年に19冊もの絵本を書くようになっても
本屋さんへ行って自分の絵が描いてある本を探したが見あたり
ませんでした。

そんな日々が続いた36才のころ、新美南吉の「ごんぎつね」の
話がありました。
この時「今度こそ、自分の感じたとおりに描こう」と思い、
初めて作者の生まれ育った場所を訪ねたのです。
初めての本を書くための取材でした。


黒井健さんは、その時のことをこう語っています。

 それまで描いていた明るいトーンの絵柄とはまったく違った、
 どちらかというとトーンの低い色合いで描きあげた。
 直感のままに描いた。
 出来上がると自分で「いい絵だなあ」と心からそう思えた。
 書店に並んだ「ごんぎつね」は、みるみるうちに売れて行った。
 「自分が思うとおりに描けばいい」ということを教えてくれた。

 この「ごんぎつね」はぼくにとって一番大切な本です。
 それは、なんの思惑ももたずに描いた初めての本だったからです。

伝えようと純粋に思って、
わかってほしいと、
素直に思えた作品
なのです。



参考資料:『子どもの頃、本当はこんなことを考えていた』(PHP研究所出版)



伝えようと純粋に思い
わかってほしいと心から思う

とても大切なことですよね。
その心が作者の生まれ育った場所にまで足を運ばせたの
でしょう。

記事に三通りあると教えてもらったことがあります。

1:頭で書いた記事
2:耳で書いた記事
3:足で書いた記事


《頭で書いた記事》とは、事件があったのを聞いて、
まあ、こんな感じだろうと想像で書いた記事。
これでは正しく伝わらないし、読ませる記事にはならない
でしょう。

《耳で書いた記事》とは、事件の関係者に電話をして
その取材をもとに書いた記事。
頭で書いた記事よりはずっといいでしょうが、顔を合わせず
に書いたもの、現場にいかずに済ませたものですから、
自ずとリアリティや、行間に漂うものが感じられなくなって
しまいがちですよね。

《足で書いた記事》とは、実際に、現場に足を運び、生の声を
拾い、目で見、肌で感じて書いた記事。
これが一番よい記事であることは当然といえるでしょう。


仏教も、骨折って聞け、と言われます。
それは「苦労して聞くものが仏法だよ」ということです。

ですから「足で聞け」とか「出て聞け」とも言われます。
楽して分かることが仏法に教えられているのではないの
ですから。


「遠きは近き道理、近きは遠き道理なり。
 灯台もと暗しとて仏法を不断聴聞申す身は、
 御用を厚く蒙りて、『いつものこと』と思い、
 法義におろそかなり。
 遠く候人は、仏法を聞きたく、大切に求むる心あるなり。
 仏法は大切に求むるより聞くものなり」        

                (蓮如上人『御一代記聞書』)

仏法は"心掛けが一番大事"と蓮如上人が言われているのですね。
「遠きは近き道理」とは、仏法を重く、真剣に聞く人は救われるのが
速いということです。
「近きは遠き道理」とは、「またあの話か」とノンキに聞法していては
助かるのが遅れるぞと警鐘されているのです。

地理的な遠近よりも心が問題です。
遠くても真剣な心で求めている人もあれば、近くてご縁が多くても、
「他にやることがないから」と、軽い心で聞き流している人もあります。
お金もヒマもあり、楽に聞いているか。
それとも、困難を乗り越え、苦労して参詣しているか。
仏法はあくまでも"大切に求むる心"から聞かせていただくものなの
ですね。

仏教には一番大事な人生の目的が教えられているのですから。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。