夜明け前
僕の家の
雨戸をたたく
ものがいる
布団をかぶった
夢の中から
有明湾のシジミのように
薄目をあけて
聞いている
彼は
夜明けとともに
去っていく
もう一人の
僕だ
僕は急に
駆け出し
つまり自分を
揺すぶることがある
硬くなってしまった
貝殻の中に
永遠に眠ってしまう
僕を飼っているからだ
そいつは
舌のように柔らかで
一言でいうと
水の底で
悲しい
僕の家の
雨戸をたたく
ものがいる
布団をかぶった
夢の中から
有明湾のシジミのように
薄目をあけて
聞いている
彼は
夜明けとともに
去っていく
もう一人の
僕だ
僕は急に
駆け出し
つまり自分を
揺すぶることがある
硬くなってしまった
貝殻の中に
永遠に眠ってしまう
僕を飼っているからだ
そいつは
舌のように柔らかで
一言でいうと
水の底で
悲しい