ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

(11)「母なる証明」をDVDで見る。

2010年09月01日 | 映画の事
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 «母なる証明» 

(監督) ポン・ジュノ
(キャスト) キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジェムン、
       チョン・ミソン
 
 演出の巧みさにほれぼれだと あの辛口映画評論の、中野翠が絶賛していた「母なる証明」レンタルして見てみた。

うん、うん、確かに・・・

<物語>
漢方薬店で働く母は、早くに夫を亡くして以来、子供の心を持ったまま純粋無垢に育った一人息子トジュンと静かに暮らしていた。ある日、街で女子高生が惨殺される事件が起こり、トジュンが第一容疑者になってしまう。事件の解決を急ぐ警察は、乏しい物証にも関わらずトジュンを犯人と決めつける。無能な弁護人も頼りにならない中、母は自分の手で真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとするのだが…。(goo映画より)

映画の冒頭で、枯れた草原の中で茫然とした表情の母親がひとりふらふらと踊っていて、これはなに?
母親は泣いているのか笑っているのか、その映像は、見ているうちに物語の中で繋がっていく。
そしてこのマザ―ダンスが、終焉も見られる。見事な映像で・・・凄い!!

最初は殺人推理ゲームを見ているようにグイグイ引き込まれていく、そのうち人の心の闇をザクリとえぐり出してくるヒューマン・サスペンス・ミステリーとして作られている映画なのだということが分かる。

青年トジュン(ウォンビン)は悪友にだまされても素直に信じてしまう純粋無垢な心を持つ。母(キム・ヘジャ)は、そのひとり息子が心配で可愛くてしかたがない。
そんな息子が女子高生殺害の容疑者として逮捕されてしまった。無実を信じる母。だが、刑事や弁護士は彼女の訴えに耳を貸そうとしない。おざなりな捜査に怒った母は、真犯人を探すことを決意。殺された女子高生周辺の聞き込みを始めるのだが…。
母親役キム・ヘジャの演技が圧巻だ。独り芝居みたい。真犯人探しに奔走する執念には鬼気迫るものがある。

そしてこの物語が本当に怖いのは、母親は息子の無実を証明するために奔走するうち「ある事実」に直面する。
それによって母親も罪を犯してしまうという予想外のストーリーになってしまうのだ。その事実とは??

ネタばれになりますのでこれ以上書けませんが、母親は忘却のツボに自ら鍼を打ち、(そうそうこの母親は、漢方薬店で働きながら、免許はないのだけど、鍼をサービスで打ってあげている。)すべてを忘れて踊るしかなかった。息子の事も、自分の罪も記憶の中から消し去って、これからも息子を護って生きていくしかない。

それがラストのマザーダンス。

とても心にザクッとくる映画でした。

晴れ 35℃ どうしていつまでも暑いのでしょうね。