ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

身の上話・・佐藤正午著(光文社)を読む。9/2日読了

2009年09月09日 | 本の事
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  「この本はね、すでに売れ口決まっているんだけ、早く読みんさい。」
まだ読んでる最中に、新聞読んでいたら、そんなもん読む暇があったら本読め、テレビみてたら本読めと、愚かなトンボが偉そうにせかせる。
そんなわけで斜め読みした本ですが、たいして面白くないなぁ、軽い本だなぁと思いながら、なんとなく入りこんでしまう、そんな本です。(装丁が面白いから 写真をクリックしてみてくださいね。)
ブックレビューが続いていますが、読んだ端から忘れてしまいますので、記録に留どめておかなくちゃです。勘弁して読んでくださいね。

 で、物語はというと・・
主人公は、海に近い地方の街の書店に勤めるミチル。
商店街の宝石店の息子と交際すると同時に、月に一度、出張してくる大手出版社の販売部に勤める男と交際している。
そしてあるとき、彼が東京に帰る際、バスターミナルまで見送りに出たミチルは、歯医者と同僚の宝くじを買ってきますねといったまま 空港へ向かうバスに衝動的に乗ってしまい、東京へと向かっていた……。
一時の衝動をきっかけとして思わぬ方向へ転換していくミチルの物語を、彼女の夫と名乗る人物が語るところから物語は始まる。

最初は平凡に過ぎなかったミチルのキャラクターは、わけわからないうちに どんどん立体的になり、さらには彼女を取り巻く人々の意外な一面なども、あらわになってくる。
人生はまさしく一寸先は闇だということ。そして、その闇を手探りで考えながら進みゆくことの苦さと、まれに、奇跡のように目の前に現れる至福。(宝くじが当たるのですが・・)
そういうことの繰り返しが、人生そのものだという普遍的な事実を、極端な状況を設定したうえで作者は、エンタテインメント性を加えて提示しているように思える。
ありえないかのように見えて、それでももしかしたら身近なところにもそんな話はあるかもしれないと感じさせるリアリティに、思わず読みながら 溜息。

身の上話でありながらこれはミステリー。
凶器がフライパンというところも、なんか普通っぽいしね。
読みながら語り手の夫はいつどこで知合うのか、最後のどんでん返しが意外に面白い。

ところで この主人公宝くじが当たるんです。
友達のも含めてバラで買った宝くじの数十枚の中の一枚が、なんと・・ 
二〇〇〇〇〇〇〇〇円当たるのです。それをネコばばする、とうか、自分のが当たったように細工してしまう、のだけど。
怖かったでしょうね。読みながら震えました。

ううむ、あなたならどうする?というシチュエーション。
私ならどうするだろう、しばし考えさせて下さい。

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