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早場米が既に刈り取られ、ハゼ干ししてあった。
昔はごくごく普通の秋の田園風景だったけど、今はコンバインで刈り入れ、即、精米で、こんな風景は田舎でもあまり見ることが出来ない。
懐かしさも交って ノスタルジーを感じる景色に思わずシャッターを押したけど、彼方に見える江津道路が邪魔になるかな？
新谷→山之内線にある有機野菜のハウス。
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夢かぁ・・・
最近 カウンターに仲間が増えた。
県のUターン者移住政策の一環で、農業で生計を立てる人を募集していたらしい。
それに応募されて、農業大学校で専業農業のノウハウを半年間にわたって勉強された、H村さんだ。
H村さんは、４歳まで江津で過ごされて、その後家族で東京に行き、サラリーマン生活を終えて こちらに引き揚げてきたらしい。団塊の走り。
今回一緒に農業を勉強した人が１１人いて、みなそれぞれ有機栽培の勉強に励み 無事研修期間を終えた。ピーオーネの人や、葉物の人、H村さんはトマト生産農家になるらしい。
ハウスを４棟建てる計画していて、５ヘクタールの土地の確保に必至。荒れ果て田圃があっても 環境的によくないとか、田圃に使うのならいいけど、畑には貸さないとか、様々な壁にぶち当たっているらしい。
しかし有機栽培の野菜には、哲学がある。トマトで江津をいや、日本を変えると燃えている。
意気込みも熱意もすごい、同世代ながら応援したくなる。
話はちょっと脱線するけど、この仕事を始めた頃、私は勝手に「私には老後なないっ！とにかくそういうことにする。」って決めていたのだ。
貯蓄だの、保険だの、利殖だの、そういうこと考えてチマチマ生活するのが厭で厭でね。尤も生きていくのがいっぱいでそいう余裕がなかったのもあるけど・・
何とかなるだろう、と老後の生活設計なんて全然ナシ、木馬を売れば普通のサラリーマンの退職金くらいにはなる。そういう調子でだらだらと息してきた。でもそうは問屋が卸さない、バブルがはじけて土地価格もドーンと下がり、今更あわててもねぇ・・後の祭り。
話は戻るけど、今回第二の人生か、第三の人生かわからないが、H村さんが、こちらで有機栽培農家をするに当り、当然ながら、都会生まれの都会育ちの奥さんは大反対で、「なら あなた一人でどうぞ。」と単身でこちらに帰ってきているとか。
「３０年以上も夫婦していて、こんなにわからず屋とは思わなかった。」と笑っていたけど、それでもねぇ 両方の言い分もわかる。
しかし私は少しだけうらやましい。
人生の厳しさを、散々見聞きして生きてきたであろう人の口から飛びだした言葉、「一口齧っただけで、トマト本来の味がする有機トマトを消費者に届けたい。それが夢です。」
私はハッとした。重く、美しい、言葉に響いたのだ。H村さんが、浮ついたところのない、見るからに質実でカラリと言っていた夢という言葉に・・
「たとえうまくいかなくても後悔はしない、ただ木馬にコーヒーが飲みにこれなくなるのは残念だけど。」
（私は少し足元をすくわれた気がした。私にはない 老後の夢など・・）
いいぞ！いいぞ！素敵！立派！
前途多難を思わせるけど、でもきっと大丈夫、トマトにかける熱い思い、有機栽培の哲学を熱く語れる限り、うまく乗り切れると思う。
トラブルだってきっと夢のメリハリにしてしまうだろう。
ビニールハウスが出来たら 写真撮りに行きますね。
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