乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

7月2日の自然観察交流会~寄り道も、みんなですれば・・・~

2016年07月02日 | 乙女高原観察交流会
※井上さんのレポートです。



7月の観察交流会は2日に行われた。今回の参加者はいつもより多く、7名であった。道の駅から2台の車に分乗して、杣口林道を登って行った。林道沿いではまだウツギの白い花がたくさん咲いていた。途中、ナツツバキの花が咲いているところで、車を停めて観察する。ナツツバキは特徴的な斑の木肌と白い花がたくさん咲いていた。



その近くには穂状の実がたくさん垂れ下がったクマシデの木もあった。周囲を観察すると、トチノキの葉に毛虫がいる。これは何だろうと問うと、植原さんがすぐイモムシ図鑑を出して、「クスサン」の幼虫だろうと同定した。



また、別の人が蛇を発見し、皆で見にいくと、道路下ののり面の小さい灌木の上に「ヤマカガシ」がとぐろを巻いてじっと動かない。なぜこんな所にというような場所である。よく見るとお腹が少し膨れているようだ。何かを呑み込んで消化中だったのか・・・。



その近くのカツラの葉にもクスサンがたくさんいた。よく見ると、何かに食べられた跡なのか毛の部分だけ残っているものもあった。また、頭の尖った変わった形の虫もいて、また、植原さんの昆虫図鑑で、「テングアワブキ」とわかった。「・・トンボ」を発見した。道の下にはオヒョウの木の少し変わった形の葉を見ることもできた。この場所だけでも、大勢の目でいろいろなものを発見できて、とても面白かった。名残りおしいものの車に乗り込み、乙女高原へ。

 到着したのは10時20分、気温23度。この日、甲府は猛暑日だったそうだが、高原はさわやかで、カッコウやホトトギスなどの声が初夏を感じさせる。森の中に入ってマルハナバチの女王の巣穴作りを追う人もいる。ロッジ前の駐車場ではミスジチョウが地面をなめるような行動が見られた。草原の入り口のイタドリの所ではマメコガネが金属的な色に光ってきれいだった。またドロハマキチョッキリ、ヒゲナガオトシブミ、ルリオトシブミなどが、揺籃(おとしぶみ)づくりを頑張っている様子が見られた。



草原のあちこちにあるイタドリなどでオトシブミの仕事の痕跡が見られた。森のコースから展望台へ向かう。 夏の案内に備えて山本さんはマークをつけていく。他のメンバーはその後をあれこれ見ながら進んだ。ウラジャノメ、巨大化したエイザンスミレやアケボノスミレの葉などを見た。



この時期は春と夏の境で花は少ないが、ヤマオダマキ、ニガナ、アヤメ、キンポウゲ、ノアザミ、ヤマハタザオなどが見られた。展望台では富士山が雲の上に見えていた。シャクトリムシ状の虫がいて、これはヒョウモンエダシャクの幼虫だとイモムシ図鑑ですぐ調べてもらう。



草原のコースを下っていくと、ヒヨドリバナやチダケサシ、キンバイソウなど咲き始めているものもあった。鹿柵の効果か、草本類が元気のような気がした。ノアザミの花にとまったウラギンヒョウモン、高いモミの枝先で鳴いているホオジロなどを観察しながらロッジ前に戻る。ロッジ前のイタドリの所でまた虫を発見。白い体で背中にはタワーのような形の黒い模様がある。ヒメシロコブゾウムシというそうだ。本当に東京タワーかエッフェル塔のように見える模様だった。ここで昼食タイムにする。

 午後、ツツジのコース、以前の鹿柵のあたりをまわる。トラマルハナバチが、アヤメの花に来ていて、次々にアヤメを回って蜜集めをしていて、アヤメとマルハナバチの関係がよくわかった。モズの鳴き声もする。再び森の中に入って、ブナじいさんの所に向かう途中、山本さんが、クモキリソウが咲いているのを発見。花はどうなっているのかなど地面に近づいて観察する。もう咲き終わっていたがエゾスズランもあった。ブナじいさんの近くでもランの仲間らしいものを見つける。まだ咲いてはいなかったが、ランに詳しい山本さんがオオバノトンボソウと教えてくれる。そして森のコースを下っていくと、触角の形や模様が特徴的なかっこいい虫を発見。植原さんがオオトラフコガネと教えてくれる。



この日は本当にいろいろな虫に出会えた。 
最後に皆で一言ずつ感想を言い合った。皆、虫の目になって、普段なら気づかないようないろいろな虫を発見、観察できてとてもおもしろかった、昆虫図鑑やイモムシ図鑑を買ってもっと虫を知りたいなどの声が多かった。多くの目でいろいろなものを観察することができて、充実した観察会であった。
コメント
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