ガンプラ秘密工場(仮)

ガンプラ他、プラモデルを限られた環境下(ノンシンナー)で楽しもうというブログ
 

ガンプラ回顧録MSV編(上) カッコ良かった白い箱

2006年11月30日 | プラモやってて思うこと&ガンプラの歴史
 久しぶりの昔話です。最近は製作記事ばっかりでしたので…(汗)。今回は次の製作ネタ「HGUCザクⅠ・スナイパータイプ」と関連性のある懐かしのシリーズ「MSV(モビルスーツ・バリエーション)」についてのお話です。

 筆者がガンプラ好きになったのは、第1次ガンプラブームの途中からだったのですが、しばらくして「機動戦士ガンダム」の劇中に登場しなかった謎のモビルスーツ(以下、「MS」)のキットを目にすることになります。俗に「没メカ」「アッグシリーズ」といわれる、一連の水陸両用MSです。
 テレビで観たMSとは明らかに異質のデザインのキットは何となくニセモノ(関西では「パチモン」)のような雰囲気でしたが、箱絵の背景にアッガイやズゴックなどの先輩たちが描いてあるのが「コイツらは兄弟ですよ」という主張になっていて、「そうなんや~」と納得してしまった筆者でした。
 
 没メカといえば、こないだビデオで「ガンダム」を最初から全話観た時に、ジャブローでホワイトベースのクルーたちが正式に軍人の階級を与えられるシーンで、レビル将軍の後ろに写っているジオンMSの設計図の中に「ヅダ」によく似た機体がいるのを発見しました。出渕氏はこれを参考にしたのでしょうか?(笑)。

 アッグシリーズは1/100スケールも発売されました。しかし、子供心に「もうガンプラもネタが無くなってきたんや…。終わるんかなぁ…」と、寂しい気持ちになったものです。まさかこの後20年以上もガンプラが続くなんて思ってもいなかったですからねぇ(笑)。

 さて、ガンプラのブームを伴った商業的成功により、他のプラモデルメーカーもアニメに登場するメカを次々と発売するようになってきました。アオシマは「伝説巨神イデオン」、タカラは「太陽の牙ダグラム」、今井科学と有井製作所は「超時空要塞マクロス」をそれぞれ発売し、バンダイも「戦闘メカ ザブングル」のシリーズを展開していました(この辺の時期の感覚は記憶があいまいですので、実際とは多少、前後するかもしれません。これらガンプラ以外のキットについても、いずれまた…)。
 ガンプラブームも完全に終了したのか、近所の玩具・スポーツ用品店でも余裕でガンプラを買えるようになりました。

 小学校高学年の夏のある日(確か夏だったような…:?)のこと、学校の帰りに同級生と連れ立ってその玩具・スポーツ店に行ったところ、店の床には何やら見慣れぬプラモの箱が積んでありました。
 それは1/144の300円ガンプラよりも一回り以上大きな箱で、白地にリアルな画風の絵という、戦車のプラモデルのようなパッケージでした。箱には「MSV」の文字が印刷されていて、箱絵に描かれているのは細部の違いがありましたが、明らかにザクでした。

 「こ、これはアレじゃないか…!」筆者の脳裏に、ちょっと前に友達に見せてもらった本が浮かびました。その本はガンダムのデザイン画集で、ページが1枚ずつカード状になっていました。テレビで観たMS以外にも、「ザク・バリエーション」というデザイン画が載っていました。それ以前にフィルムブックの最初のページのピンナップに載っていたグフ系・ドム系の試作機のデザインと同じ絵柄で(それが大河原邦夫氏の絵だというのは後になって知りました)、「砂漠装甲強化型ザク」とか「水中用ザク」などがいました。B型ゲルググのバックパックは当時「オプション・バーニア」という名称でした。
 シンプルなテレビ版のMSと違う、複雑なデザインにとても魅力を感じたものでした。
 「砂漠装甲強化型ザク(のちのザク・デザートタイプ)」は「コミックボンボン」かどこかでノーマルのザクを改造した作例が載っていて、改造法も書かれていたのですが、小学生の技術で改造できるようなものではありませんでした。「エポキシパテ」なるものの存在を知ったのはその記事が最初だったと思います。

 その「ザク・バリエーション」がプラモデルになったのです! しかも「高機動型ザク」「ザク・デザートタイプ」「ザクキャノン」「水中型ザク」の4種類が同時に入荷していました。
 インターネットなんて影も形もなく、模型雑誌も小学生にはあまり知られていない時代、最新キット情報など知るはずもなく、いきなり店頭でキットを見た衝撃といったら…!!
 みんなでワイワイいいながら箱を開けて中を見ました。説明書にはたくさんの文字で機体解説が載っていて、肩アーマーのパーツなどは今までのガンプラでは見たことのないザラザラの表面(梨地)でした。あまりのカルチャーショックに、筆者は頭がクラクラしてきました。

 数日後、筆者はその4種類の中からさんざん迷ってから「高機動型ザク」を買いました。500円というキットの価格は、当時の小学生の財布にはかなりキツく、どれか一つを選ぶのが精一杯でした。
 他の友達も懐事情は似たようなもので、お互いのキットの説明書を見せ合いっこしていました。

 高機動型ザクのキットは、可動部こそ旧シリーズの「旧型ザク」のものを踏襲していましたが、よりリアルな模型としての設計思想をうかがえるものでした。
 旧シリーズでは頭部パーツに一体化されていたモノアイシールド部分が別パーツとなり、モノアイは水貼りデカールで再現するようになりました。
 模型雑誌などで「合わせ目を消す」ということがガンプラでも一般化してきたことに対応してか(筆者はこの頃模型雑誌の存在を知りませんでしたが…)、ボディの前後パーツを貼り合わせた後で腕や脚を組み込むことが出来る構造になりました。特に脚の付け根は股間ブロックが別パーツになっていました。
 また、ザクマシンガンのフォアグリップが別パーツで可動式になっていて(1/144スケールでは初)、肩付け根の前後スイング可動と合わせてマシンガンをカッコ良く両手で構えることが出来るようになりました。

 衝撃的だったのが説明書の塗装見本でした。まるで「スターウォーズ」のメカのように、使い古された感じが再現された完成写真はとてもリアルで、「こんな感じに塗ってみたい!」と思わずにはいられませんでした。
 「ドライブラシ」という技法は、この説明書で知りました。

 あと、もう一つ「スゴい!」と思ったのは、説明書の機体解説文の情報量でした。「『黒い三連星』はドムに乗る前はこのザクに乗ってたんや!」とか「シン・マツナガってテレビには出てこんかったけど、白いザクもカッコええなぁ!」とか、小学生にはやや難しい内容だったものの、想像力を充分にかきたててくれる内容でした。

 おっと、長くなってしまいましたねぇ…(汗)。続きは次回ということで…。
 


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