おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

プラカードおじさん 2。

2019-09-10 00:21:00 | 我思う、故に書くなりよ。
台風一過。蒸し暑さ炸裂の中、昼飯兼晩飯を求めて…。

今日の気分は…野菜不足解消なので、ちょいと離れたスーパーへ…。

台風が蹴散らした残滓を眺めつつ、目的のスーパー付近に到着すると…いた。いきなりいた。

…プラカードおじさんが。

背中とお腹にダンボールを括り付け、そこに手書きのアジテーションがオシャレなのだが、まともに相対しちゃマズイ雰囲気が猛烈に漂っているので、無視してやり過ごす。

…プラカードの内容とは関係なく、クリーニング店の跡地に入ったリラクゼーション施設に猛烈な憤怒をぶち撒けていた様子だが、その趣旨を謳う声は小さく…

『バカヤロー』
『チクショー』

の、声は大きい。

つまるところ、バカヤロー、チクショーしか聞き取れないので、余計に、そして一層にアブナイじいさんなワケだ。

すれ違い様にプラカードに書かれている檄文を読む努力をしてみたが…

「秋篠宮家が…婚礼…」

程度にしか判別出来なかったのが残念。

持ち物を見ると、レジ袋に商品が入っていたので、スーパーでの買い物の帰り…らしく、奥へ続く住宅街へ消えていった。

消えていきつつも…

「バカヤロー」
「チクショー」

は、小さくなりながらも聞こえていた。

ま、近所じゃ有名人なんだろうと思うし、有名人ではあるものの、そのイメージは『負』であろうかと。

ふと、東京でサラリーマンやってた頃を思い出す。

東京駅八重洲口を出て、会社に向かう途中、やはりああしたプラカードを抱えたおじさんがいたりもした。

まぁ、労働争議のアピールだろうかと思うのだけれど…

「○○君の不当解雇撤回!」
「企業責任の徹底追及!」

とかぶら下げていた。

…未だこんな事やってんだな…かれこれ20数年も前の事だが、当時でさえそうも思ったなぁ。

さて、アブナイじいさんの場合は提起される問題が問題だけに、恐らく墓場の中まで持っていく事だろう。一介の庶民がどうのこうの言ったトコロでじいさんの望む方向に話が進むワケがない。

スーパーに入り、サラダだの煮豆だのサラダチキンだのを買い物かごへ放り込みながら…

「あのじいさん、アブなさマキシマムになったらどーなるかな?」

と、同時に思い出すのが…

『ゆきゆきて神軍』

である。日本のドキュメンタリー映画のある意味最高傑作であり、その主人公だった方…。あの映画を見る事が出来たのも、人生の中では宝物の1つ。

糾弾対象が皇室関係なのは同じだが、その根は違うから、ああにはならないか…。
でも、何か通じるトコロってのを感じざるをえない…。

滞りなく買い物を済ませ、暑い中を帰りながらあーだのこーだの考えていた。

もしかしたら潜在的『神軍上等兵』なんてのはその辺にゴロゴロいたりするんじゃなかろうか?

戦後もだいぶ経ち、時代も変わり、先の戦争を根とした不満を募らせ拗らせた人もそろそろ鬼籍に入っておかしくない。

戦後日本の教育を受けた人から、ああした不満が強く出るとしたら、相当初期か学生運動やら過激派全盛な時代を経験した人たちからだろう。

後期高齢者な感じから考えるとビンゴ! なのかもな。

あのじいさん、きっと明日も明後日も、街を歩きながらバカヤロー、チクショーを繰り返すんだろう。

その背景を深く考える人も、滅多にいないだろうねぇ。でも、考えてゆくとかなり興味深いコトも間違い無い。

なにか時代ってものが残してゆく残滓の1つを見ている様な気がしたねぇ…。


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